2010年07月21日

◆八郎潟の蜆(しじみ)汁

渡部 亮次郎

干拓される前の八郎潟(はちろうがた)は蜆の名産地でもあった。一部、日本海と繋がる汽水湖だったから、蜆が大量に捕れたのである。殆どが子供の背の立つ岸辺に生息していたから、潜って素手で砂の中から掻き出すのである。

水に潜るころを覚ええると、泳ぎは自然に覚える。誰にも教わらず、蜆捕りで自然に覚えた。夏休みになると、毎日のように八郎潟に泳ぎに行って、必ず蜆を2升ぐらい捕ってきって母親に喜ばれた。そのかわり朝の味噌汁は連日、蜆汁だった。

その八郎潟を干拓して、田圃(水田)にすることに一生を捧げたのがわが父慶太郎である。当時干拓担当の農林大臣とも顔なじみになるくらい県(秋田)と農林省に陳情を続けたようだ。

昭和36(1961)年夏、久しぶりに帰郷すると、干拓の先進国オランダから指導者が来て、盛んに干拓の為の堤防が築かれていて、これっきり八郎潟の蜆は姿を消した。

今、有名な産地は青森県の十三湖・小川原湖、宮城県の北上川、 茨城県の涸沼川・利根川、島根県の宍道湖(七珍の一つとして有名)などがあり、特に宍道湖のものは種苗として全国に供給もされている。

ほかに琵琶湖特産の純淡水産シジミ、セタシジミが存在する。風味ではこのセタシジミがもっとも美味とされ、次いで汽水産のヤマトシジミ (貝) 、マシジミがおいしいとされる。家人はデパートで買ってきて、週に1回ぐらいは蜆汁を食べるが、産地を確かめたことは無い。

シジミ(蜆)とは、淡水域や汽水域に生息する小型の二枚貝である。通常目にする二枚貝のうちでは小型なので「縮み」が転じて名づけられたとする説がある。

日本本土には2-3cm程度のヤマトシジミ Corbicula japonica (全国の汽水)、マシジミ Corbicula leana (全国の淡水)、セタシジミ Corbicula sandai (琵琶湖水系特産がいる。

琉球列島には10cmの大きさに及ぶマングローブシジミ属(ヒルギシジミ属) (Geloina) なども棲む。

1980年代以降は、中華人民共和国、大韓民国、ロシアなどから輸入されたタイワンシジミ (Corbicula fluminea) も多く、日本国内産と比べて、比較的廉価に販売される。また、これらは国内産と比較が難しく、また種の特定も困難なため、産地偽装なども多い。

輸入されたタイワンシジミが野外に逸出したものか、1990年代より日本国内各地で外来のシジミが出現し、在来種との交雑などの懸念が持たれている、と言う。

アメリカ合衆国南西部では1924年までに中国人が食用に持ち込んだとされるタイワンシジミが大量に繁殖し問題になっている。タイワンシジミは1980年代にはライン川に帰化し、ライン・マイン・ドナウ運河を通じてドナウ川にも帰化した。1998年にはすでにエルベ川にも定着している。

味噌汁の具に利用される二枚貝としては、アサリと並んで日本人に最も馴染み深いものである。佃煮・時雨煮などにもされる。

うま味成分の一種であるコハク酸を豊富に含んでおり、江戸時代の昔から肝臓に良い食材とされている。健康食品として「シジミエキス」なども販売されている。また、殻は布でくるんでアクセサリーにすることもある。

市場に出回るシジミのうち最も一般的なのは主に塩分濃度が1.5%以下(海水は約3.5%前後)の水域で採れるヤマトシジミである。

ただし、上記のような種不明の外来種が激増したことにより、これら食用シジミも減少傾向にある。

オルニチンが肝臓に作用するため、俗に「シジミの味噌汁は二日酔いに効く」と言われている。そのため、酒を飲んだ翌日の朝食に味噌汁にして食べる習慣のある家庭が存在する。
                2010・6・27
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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