渡部亮次郎
民主党代表選挙への小沢一郎前幹事長の去就に関して、19日の読売は本人がかなり積極的な態度に変わってきたような印象を与えた。
<民主党の小沢一郎前幹事長は18日、9月の党代表選について、小沢グループ以外からの幅広い支持が得られることを条件に出馬を検討する考えを周辺に伝えた。
小沢氏は党内の動向を慎重に見極め、来週にも最終判断する見通しだ。
出馬の条件として、小沢氏は具体的に、党内最大の約150人を擁する小沢グループを固めたうえで、「(鳩山前首相グループや)旧民社党系や旧社会党系の支持が得られるなら考えてもいい」と周辺に説明した。
周辺は、小沢、鳩山両グループ、旧民社党系、旧社会党系などとの連携により、国会議員の過半数の支持を固められると判断。
政策としては、自ら策定に携わった昨年の衆院選政権公約の実現を訴えるほか、参院選で大敗した菅執行部では次期衆院選で勝利できないと主張するとみられる。>読売新聞 8月19日3時5分配信。
これについて筆者が19日、小沢氏の健康状態に深く関心を寄せる医学関係者に取材したところ、小沢氏の顔色は尋常なものではなく「医学的な手段で生かされている状態」との証言を得た。
当然ながらこのような事は主治医から本人にも伝えられているはず。「総理の激務は務まらない」との説明に納得しているはずである。昼食後必ず1時間は休養しなければならない総理大臣など、憲政史上、存在したことは無い。
それにも拘らず、読売紙が小沢氏の積極姿勢をあえて報じた事は、側近から確証を得たからであろう。また別の筋からの情報では、小沢氏自らが決意表明の日時を「8月25(水)」に設定した以上、この際、出馬表明があるものと期待しているという。
読売が「菅首相はすでに出馬の意向を明らかにしており、小沢氏は党内の動向を慎重に見極め、来週にも最終判断する見通しだ」というのはこの点を指すのかもしれない。
しかし小沢氏には依然、大きな障害が立ちはだかる。例の検察審査会だ。4月に11人の審査員の全員一致で「小沢に起訴相当の議決」を下した東京第5検察審査会が、再度同じ議決を下せば、小澤氏は強制起訴で刑事被告人になる。
それを回避する便法が憲法75条だ。「閣僚は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」とある。まかり間違って代表選に敗れたあとに起訴されでもしたら離党勧告で民主党を追放されかねない。
この筋書きからすると、この際小沢氏は自分の値段を出来るだけ釣り上げ、菅氏に売りつける必要がある。それが立候補への積極姿勢なのではないかという観測なのである。
いろいろと菅氏を悩ませた上で「この際は挙党体制を維持する為に立候補をあえて断念する」と25日に表明すれば菅氏は大喜びで入閣させるであろう。仙谷官房長官は反対するだろうが。
だからタイトルをハムレットとしたものの小沢氏は心中、せせら笑っているかもしれないのだ。入閣にさえ条件をつけ、例えば仙谷や枝野幹事長を放擲させる秘策すら練っているかもしれない。 2010.8・19
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■<8月20日刊・目次>
・ハムレット?小沢一郎: 渡部亮次郎
・もうひとつ沖縄でのネジレ:梅岡 弘
・脱北!露へ亡命途中だった:宮崎正弘
・デフレスパイラルの足音:平井修一
・アルピニスト野口健が聞いた声:伊勢雅臣
・話 の 福 袋
・反 響
・身 辺 雑 記