真鍋 峰松
加齢のせいか、今年の暑さにはほとほと参る。例年以上に身体に応える。
総務省消防庁の発表によると、今年7月の熱中症による救急搬送対象者数は全国で1万7750人、うち95人が病院到着直後に死亡と確認された。いずれも平成20年の集計開始以来、最悪の数字。
搬送者も昨年同月比3.4倍、一昨年比1.4倍。うち65歳以上の高齢者が48.6%を占めた、とのこと。
私も、8月初めに旧知同士の気楽なゴルフ・コンペへ参加、危うく熱中症かと思われる症状を経験した。この日は朝からカンカン照りの強い日差し。1.8リットル入りのスポーツドリンクの大型ペット・ボトルを冷凍させ、最後的には飲み干す程度の用心をしつつのプレーをしたつもり。
だが、最終18番ホールでは少し太股の裏側に引き攣れを感じ、口の内はからから。極め付けは言葉を発するも、舌が口腔内で引っかかり巧く喋れないという状況に立ち至った。今から思うと、少々危険水域に達していたのかな、と思い出してもゾ〜ッとする経験をしたばかり。
お陰で、それ以前のホールまでそれなりのスコアーで回って来たのに、最終ホールで12の大叩き。何とも情けなく、体力の衰えを嫌でも肌で感じさせられた。
この熱中症。冒頭の消防庁の発表を見ても分かるように、名称が急激に世に普及したようだ。 現に、同発表にあるように、過去平成20年からの統計数字だけで、それ以前の数字は存在していないとのこと。
では、以前はこの症状は無かったのか。そんな筈はあるまい。考えるに、以前は日射病と呼ばれてきたのではないのか。遠い昔の小・中学校時代、朝の朝礼時に生徒が突然気分が悪くなる、突然に倒れた、という症状、これを日射病と呼んでいたはず。
果たして、二つの症状はどこがどう違うのか。医療に疎い私としてはどうもこの辺りが判然としない。多分、日射病も熱中症の一つ、つまり定義の範疇の狭い・広いの問題なのか、と思われるのだが。
別に眼の色を変えて論及することもない些事かも知れないが、ここら辺りに日本人の新しいもの好き、目新しいものに飛び付き単なるネーミングを代えれば良いという愚かな癖のせいなのかと考えると同時に、こんな些事を暑い最中に考える己自身が変わり者の臍曲がりなのか、と自省する昨今である。
要は、こんなネーミングのことを色々と挙げつらうことより、何よりも熱中症なり日射病への自衛策を講じ、無事今夏を乗り切るべく用心が大切ということなのでしょう。