2010年08月27日

◆民主党終焉のはじまり

渡部亮次郎

<要職起用に菅首相が難色、小沢氏の闘争心に火?

民主党の小沢一郎前幹事長が26日、党代表選への出馬を決断したのは、党内で3分の1を超える小沢グループ約150人の中堅・若手議員から強い要請を受け、「グループで結束して戦うことができる」(小沢氏側近議員)と判断したためだ。

菅首相が、小沢氏の要職起用も含めた挙党態勢に慎重な姿勢を示したことが決断の引き金になったとの見方も出ている。

小沢氏は過去、野党の新進党、自由党、民主党で党首の経験があるが、与党第1党で、首相となる党首選に臨むのは今回が初めてとなる。

鳩山前首相のグループ幹部は26日、菅首相が25日に鳩山氏と会談した際、小沢氏の要職起用を求める鳩山氏に、党顧問などの「名誉職」での処遇を示唆したことが小沢氏の決断の決め手となったとの見方を示した。

これが、副総理か幹事長が希望だった小沢氏の闘争心に火を付けたのではないか――というわけだ。>
8月26日17時21分配信 読売新聞

「副総理か幹事長が希望だった小沢氏」の一行は東京地検の動きを恐れる小沢氏が「隠れ家」を求めていたこと、必ずしも勝利に自信を持てる票読みができていなかったことを証明している。

したがって「党内で3分の1を超える小沢グループ約150人の中堅・若手議員から強い要請を受け、「グループで結束して戦うことができる」(小沢氏側近議員)との判断には「?」が付く。小沢氏が菅に敗れる危険性も十分、残っている。

世評「小沢は負ける戦いをしたことがない」とされている。したがって苦悩したギリギリの時点での出馬決断だったのだから、勝利を確信できる票読みがあったのだろうと判断し勝ちだが、どうだろう。確証は何処にも無い。

若輩は自民党や日本社会党の総裁、委員長選挙を何度も取材した。その経験からすれば、小沢G150人の中には「面従腹背」の輩も相当潜り込んでいるはずだ。「小沢不人気」という世論に晒されている以上、次の自分の選挙を考えれば当然だ。

一方、衰えているとはいえ「現職総理大臣」としての菅氏の吸引力を侮る事は危険だ。菅氏呼びかけの新人懇談会に断乎として欠席した議員が70人ぐらいしかいなかった事は、これを物語る。

乱暴な話だが、結果は僅差では無いか。小沢もそこを覚悟の「乾坤一擲」の勝負に出たのであろう。失敗すれば離党勧告を受けた末、党外追放だ。少数の手勢を引き連れて新党設立に走らざるを得なくなる。

一方、菅氏が敗れたら、これまた菅、仙谷、前原、岡田氏らは小沢から徹底的に干し上げられる以上、針の筵に坐り続ける屈辱には耐えられない。斯くなる上は民主党の分裂しかなくなる。

風が吹けば桶屋が儲かる式に譬えれば、小沢を入党させた鳩山が一番悪い。その小沢を決断させた菅も悪いと言う人は言うだろう。何にしても小沢の決断で民主党が終焉を迎えた事は確実だ。
(文中敬称略)2010・8・26

■本稿は8月27日刊「頂門の一針」2022号に掲載されました。
 著名寄稿者の卓見を拝読下さい。手続きは下記から。

■<目次>
・民主党終焉のはじまり:渡部亮次郎
・小沢一郎及び民主党政権の終焉: 東郷勇策
・議員会館から見下ろせる首相官邸と鳩山氏:阿比留瑠比
・非同盟運動とは何だったのか:古森義久
・国家の全盛期は160年:平井修一
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

■「頂門の一針」の購読(無料)申し込み御希望の方は
 下記のホームページで手続きして下さい。
 http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm




この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック