渡部亮次郎
<菅改造内閣の顔ぶれ決まる…経財相に海江田氏
菅改造内閣が予定通り17日夕、発足した。
官房長官に留任した仙谷官房長官が同日午後、閣僚名簿を発表した。
岡田外相の後任に前原国土交通相が就くほか、海江田万里衆院財務金融委員長が経済財政相で初入閣した。
野田財務相、北沢防衛相、蓮舫行政刷新相らは留任した。
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菅改造内閣の顔ぶれは次の通り(敬称略)。
◆総理=菅直人(衆)
◆総務=片山善博(民間)
◆法務=柳田稔(参)
◆外務=前原誠司(衆)
◆財務=野田佳彦(衆・留任)
◆文部科学=高木義明(衆)
◆厚生労働=細川律夫(衆)
◆農林水産=鹿野道彦(衆)
◆経済産業=大畠章宏(衆)
◆国土交通=馬淵澄夫(衆)
◆環境=松本龍(衆)
◆防衛=北沢俊美(参・留任)
◆官房=仙谷由人(衆・留任)
◆消費者・少子化・国家公安=岡崎トミ子(参)
◆金融・郵政改革=自見庄三郎(参・留任)
◆経済財政=海江田万里(衆)
◆国家戦略=玄葉光一郎(衆)
◆ 行政刷新・公務員改革=蓮舫(参・留任)>
読売新聞 9月17日(金)13時6分配信
<首相は非小沢系で党中枢を固め、「脱小沢」路線を事実上、強化した。首相は16日、小沢氏と輿石東参院議員会長に「代表代行」への就任を打診。代表選で戦った小沢氏側に配慮を示した形だが、輿石氏は辞退し、小沢氏は17日の両院議員総会を欠席した。>(毎日)
代表選挙の結果を見れば、世論は「脱小沢」を支持している以上、例えば小沢幹事長復活などは許されなかった。したがって本人が流したらしい。
「山岡農林水産大臣」はなかったし田中真紀子の流した「田中真紀子外務大臣」も「田中直紀農水大臣」もなかった。
官房、外務、財務、防衛、をすべて菅支持層で固たほか、経済財政=海江田万里を抜擢して新鮮味を出し、口蹄疫でケチの付いた農水大臣にはベテランの鹿野道彦を起用するなど、手堅さを狙った布陣である。今の菅としては最高の人事ではないか。
この結果、小沢支持グループは副大臣、政務官のポストしか与えてもらえないことが確定した.そんなものはポストでもなんでもない事、素人でも分かるから、菅改造内閣は「脱小沢左派片肺内閣」と名づけよう。
何度も言うが、所属国会議員の半数は「反菅」である。「ねじれ国会」の運営に積極的に協力するとは考えにくい。とりあえず小澤は「手本」を示すように幹事長人事承認のための両院議員総会をすっぽかした。
これを要するに野次馬としてみている分には面白いが数々の「国難」に思いを致すとき、胸のつぶれる思いである。
如何にして斯くの如き内閣を出現させねばならなかったか。すべて国民が切磋琢磨を忘れた自民党を支持し続けた怠慢にある。当然、かつて自民党政権の一隅を穢していたものとして改めて深くお詫びする次第である。(文中敬称略)2010・9・17