2010年09月28日

◆武富士倒産の行方は

川原俊明

金融業者最大手・武富士が、会社更生法を申請するというニュースが流れました。数千億円の利息の過払い請求を受けるなど、サラ金業者の壊滅的破綻を象徴するニュースです。

サラ金の高金利規制は、許容の範囲を超えるもので、絶対に必要です。しかし、サラ金とはいえ、金融業者をすべて破綻に追いやるのも、日本経済全体を見ると、大いに問題があります。

昔から、ことわざがあります。
「角を矯めて牛を殺す」。

牛の曲がった角をまっすぐにしようと手を加えていたところ、牛そのものを殺してしまった、というたとえです。多少、問題のある事柄は、修正を加えるべきだけれど、企業の存続自体否定することになれば、日本経済全体にとって、もっとマイナスです。

もともと、サラ金利用者は、銀行が相手にしてくれない企業や零細企業の経営者が、資金繰りに頼ってきた、という側面があります。もちろん、法外な金利確保を是認してきた法律が悪いのですが、企業の息の根までも止めることまでは、問題があります。

企業の倒産は、従業員の解雇、資金供給の停止、連鎖倒産など、思わぬ余波があります。

過払い請求を前面に打ち立て、テレビコマーシャルまでしてきた一部の弁護士事務所や司法書士事務所。今後、サラ金業者の倒産により、返還を受けるべき過払金そのものが返ってこなくなったら、弁護士事務所や司法書士事務所への報酬もなくなり、事務所の運営ができなくなります。

風が吹けば桶屋が儲かる。風が吹けば、目にほこりが入り、目が悪くなってはいけないので、昔の人は、目隠し用に「桶」(おけ)を買った、ということで、このことわざができたそうです。

同じ因果関係でも、その逆パターンが想定されます。サラ金業者の連鎖倒産先が、弁護士事務所や司法書士事務所でないことを願っています。


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