渡邊好造
山科近辺の資料館・博物館紹介の2回目。山科のすぐ隣り京都市左京、東山、伏見の3区にある4つの公営館である。
1)「琵琶湖疎水記念館」 ・運営=京都市上下水道局 ・所在地=京都市左京区南禅寺草川町・電話075−752−2530。
山科に関連した最大の資料館は「琵琶湖疎水記念館」である。
琵琶湖疎水は、明治23(1990)年、京都の産業用水力発電所用として建設された。琵琶湖畔から京都市左京区蹴上までの約11キロ。途中は山科疎水とも呼ばれる。明治45(1912)年には上水用の第2疎水が完成。同じ年京都市にわが国最初の市電が走った。記念館はそうした琵琶湖疎水建設の発想、計画、工事プロセスの紹介、当時の発電機などの記念品が展示され、平成1(1989)年8月に開館した。同2年4月疎水竣工100周年式典が行われた。
・入館無料 ・開館9〜17時(12〜3月16時30分) ・月曜休館(祝翌日) ・地下鉄東西線蹴上駅徒歩7分。
2)「京都蹴上浄水場」 ・運営=京都市上下水道局 ・所在地=京都市東山区粟田口華頂町・電話075−771−3102。
琵琶湖第2疎水が完成した明治45(1912)年当時のレンガ造りの建物がこの浄水場に今も残されている。
普段は公開されていないが、毎年5月のゴールデンウイークの頃前庭の約4600本のつつじ満開にあわせて、施設の見学とイベントが楽しめる(本年4月30日〜5月3日)。京阪電車京津線が路面走行していた当時=平成9(1997)年地下鉄東西線開通まで=蹴上駅通過時の車窓からのつつじは見事な眺めであった。
・公開時入場無料 ・地下鉄東西線蹴上駅すぐ。
3)「京都伝統産業ふれあい館」 ・運営=京都市産業観光局 ・所在地=京都市左京区岡崎成勝町 ・電話075−762−2670。
ふれあい館は京都の生み出した工芸品や文化など伝統産業を紹介するのが目的で、昭和52(1977)年に設立された。京都伝統産業交流センタ-により運営されている。平安遷都1200年記念事業の一つとして平成8(1996)年に建てられた京都勧業館地下1階に常設展示場がある。
京都の伝統工芸品66品目約450点を展示・販売し、ビデオコ-ナ-、体験コ-ナ-もある。ちなみに、山科ゆかりの品は、、と期待をこめて聞いてみると「何もありません。京くみひも(帯締め、羽織ひもなど和装用)の製作者が山科に住んでおられますが、、」。
・入館無料 ・開館9〜17時 ・正月以外無休 ・地下鉄東西線東山駅徒歩10分。
4)「京都市青少年科学センタ-」 ・運営=京都市教育委員会 ・所在地=京都市伏見区深草池ノ内町 ・電話075−642−1601。
昭和44(1969)年に青少年科学センタ-が開設され、平成9(1997)年現地に開館した。植物園、チョウの家、カブトムシの家(夏のみ)の他、各種の岩石・貝などが展示されている。目玉はプラネタリウムである。一通りまわると見応え十分な約2時間。
・入場料500円(プラネタリウムは別途500円)、中高生500円(同200円)、小生200円(同100円) ・開館9〜17時 ・木曜休館(祝翌日) ・京阪本線藤森駅徒歩10分、または地下鉄烏丸線竹田駅徒歩20分。
京都について知りたければ、以上4館はまず必見である。(完)