毛馬一三
大阪市営バスに乗った時、車内に「お出かけになる時は、赤バスをご利用ください」という大きな見出し付きの紙が張り出してあった。
よく読んでみると、大阪市内を走る「赤バス」28路線のうち1台当り乗客数が、東淀川区と平野区の2路線を除く、残る26路線で凡そ6人〜9名不足。最悪は長柄東〜大淀中路線で、1台当り22名不足など詳細に記されている。
読み様によっては、「だから赤バスをもっとご利用ください」ではなく、「現状の乗車数不足が続けば、赤字改善は期待できず、廃止も止むを得ない」と、市民に合意を求めているとも受け取れる。
その「赤バス」だが、ノンステップの外国製小型バス。02年にベンツ車(定員22名)とオム二ノバー車(定員27名)を導入したもので、地域密着型の路線として既存路線が走らない狭い道や不採算路線を走るという、謂わば「地域優先を第一に、敢て採算性度外視」の自治体だけが断行出切る善政の実施だと受けとめられてきた。
しかも運賃が「100円」と格安な上、とくに歩行に障害のある高齢者にとっては、住まい近くの停留所から楽々乗車できることから、大阪市のために長く貢献してきた高齢者への優待策として歓迎されてきた。
ところが平松市長は就任直後、本来の採算度外視の「赤バス」の意義に目を反らし、ただ赤字解消の槍玉に「赤バス」廃止を打ち出したのだ。
このため高齢者ら市民の間から不満が噴出し、市議会では、「赤字でも市民には必要」「廃止後の代替措置が示されていない」などと、批判が相次ぎ、中には「絶対廃止させない」と意気込む議員も多い。このため「廃止」は取り下げられている。
張り紙を見せるだけで、赤バスの乗客数が増え赤字解消に繋がるとは誰も思っていない。市長が再度「廃止」を提案するだろうといううわさは関係者から依然絶えない。
ではどうすればいいのか。何かいい方法がある筈だ。
一例を上げてみよう。「毛馬―京橋」路線の場合、確かに地域密着型の路線として、過疎地域をじっくり回って、終点は京阪京橋駅に到着する。地下鉄から離れている同地域の住民にとっては、「赤バス」が生活の足であることに間違いない。
しかし、この「赤バス」路線の最大欠陥のひとつは、地域住民が最も願っている総合医療機関「大阪市立総合医療センター」へ行かないことだ。乗客は「赤バス」から一旦降りて歩き、既存路線の「同センター行きバス」に乗り換えなければ、医療センターには通えない。乗り降り不自由な病人にとっては過酷な話だ。
この「赤バス」が直接「大阪市立総合医療センター」へ回れば、乗客は一挙に増えるのは確かだ。
また、同路線は、都心の梅田にも向かわない。もし何便か「梅田行き」路線を新しく組み込めば、買い物に行きたい乗客の増加は見込めるのは必至だ。
しかも、梅田など都心に行けば買い物も出来たり、催しにも参加できることになる。それが大阪の経済効果にも繋がる上、高齢者にとっては「赤バス」が老後の楽しみを喚起させる手足となることになる筈。
なぜ、赤字の責任を利用乗客になすり付けようとするのだろうか。むしろ乗客の利用志向をよく考えて、行き先の新設など路線の改善を果たせば、「廃止」だけの愚かな発想に終始するとは思えない。平松市長!一度「赤バス」に乗り、車内で「廃止」に代わる「新発想」を考えて見たら如何。
確かに採算といえばありませんね、と言って後で
必要だった。というのはありますが、地域密着型
コミュニティーバスで採算は市長自ら降りて赤バ
スに乗って現状は採算は必要でも人間関係・お付
き合いete・・・等があり必ず必要というのは
机上の空論で現実は現実でも必要な所に採算が合
わなくても通すべき。昨今心がぎすぎすして他人
を平気に傷つける。寒い時代だからこそコミュニ
ティーが必要。