2010年10月31日

◆既成事実化狙う「会談拒否」

渡部亮次郎

「日中首脳会談は無いだろう」という中国側の観測記事の直後、ハワイからチャター機でハノイに飛んできた前原外相が中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相との会談の後、首脳会談は多分ある、と語ったので、私は「あれ?」と思った。

<【ハノイ=坂井広志】ベトナムを訪問中の菅直人首相は29日夕(日本時間同日夜)、ハノイ市内のホテルで、日中韓首脳会談を行った。その後、中国の温家宝首相と会談する方向で最終調整していたが、中国側は会談拒否の考えを示した。

中国外務省の胡正躍次官補は日本側が首脳会談を実施するためのムードを壊したと、会談拒否の理由を説明した。

菅直人首相は温首相と会談することで、9月に沖縄・尖閣諸島沖でおきた中国漁船衝突事件後に悪化した日中関係の改善につなげたい考えだった。

胡次官補は29日午前(日本時間同)に行われた日中外相会談の内容について、「日本側が事実と異なる発表をした」と批判した。

29日午前の前原誠司外相と中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相の会談では、尖閣諸島問題について、前原氏が「日本固有の領土だ」と主張したのに対し、楊氏は中国側の立場を強調し、議論は平行線に終わった。

前原氏は中国のレアアース輸出停止問題に懸念を表明。楊氏は「駆け引きの材料にすることはない」と述べた。

前原氏は中国が延期を発表した東シナ海ガス田開発をめぐる条約締結交渉の再開も要請した。ガス田「白(しら)樺(かば)」(中国名・春(しゅん)暁(ぎょう))で中国が単独で掘削している疑いも事実関係をただした。楊氏は「交渉については必要な環境を整えたい」と述べるにとどめた。>産経新聞 2010.10.29 22:24

尖閣問題について中国は戦略上、領有の既成事実化を狙っている。したがって日本に対して「会談」や「話し合い」の必要性を全く持っていない。菅内閣の言う「両国の互恵的云々」にも真実は関心を持っていない。

とにかく、歴史的な証拠があろうと無かろうと、尖閣諸島の領有権を確立しなければ、共産党政権は崩壊し、中華人民共和国は消滅するとまで思い込んでいる。南、東シナ海のみならず太平洋制覇の野望を達成する為である。

昔、その道に達した粋人が言った。女性は未遂を言いふらし、男性は既遂を言いふらす」だから女性に手を出したら既遂にしなければ言いふらされて恥をかくと。

中国の今は上の心境であろう。「尖閣を領有する」と宣告した以上、これを「既遂」にしなければ軍部の反発で胡政権は求心力を喪失してしまう。したがって、仮に温家宝首相が菅首相に「謁見」を許しても「笑顔」を見せたら軍の反発を招くだけ。

笑顔ぬきに菅に何を語るか。語るものなんかあり得ない。<中国側は最初からハノイで日中首脳会談をする気がないのは、中国外務省が繰り返しコメントしている。しかし対中弱腰外交を非難されている菅首相は、ここで日中首脳会談を実現し、戦略的互恵関係を誇示したい思惑があった。日中首脳会談は菅首相にとって必要だったのである。>元共同通信
常務理事 古澤襄氏)。

菅首相にあるのは「その場しのぎ」のやりくりだけ。国家観なく、日本国運営の目的も戦略も所持していない。尖閣問題の戦略もない。

ただ人気取りのため「何か一所懸命、動いている」を国民に「姿」として見せたいだけ。とっくに中国に見透かされている。首脳会談に応じるだろうと思うのは政治感覚がまるで欠如していることを天下に晒しただけ。

日本はこんなのしか首相がいないという恥をハノイでロイターやAFPを通じて世界に晒した。
2010・10・30

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◆<2081号 目次>
・既成事実化狙う「会談拒否」:渡部亮次郎
・温家宝首相への突き上げ深刻:宮崎正弘
・政権交代は米国からの真の独立のためだとMr.L:阿比留瑠比
・幣原“軟弱外交”再び:平井修一
・衆愚政治、元凶は小沢・小泉:山堂コラム 342
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記
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