2010年11月10日

◆ビデオ映像流失への異論

毛馬一三

沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出問題について、犯罪だけを追及する事態を巡り、異論が噴出している。

たしかに、海上保安庁職員が流失していたのだったら国家公務員法の守秘義務に触れるのは間違いない。しかし問題はは中国漁船衝突事件のビデオ映像を公開する姿勢を一向に見せない政府の対応に国民は首をかしげていることだ。

そんな中、大阪府の橋下徹知事が、8日記者団のこれに関する質問に答えて「プライバシーにかかわる個人情報が出るのはよくないが、それ以外の情報は国民の情報。世に出回る社会である方がよい」と述べた。

このことは、「国民が欲しい情報は、個人情報以外、世に出回る方が当然。そんな社会が望ましい」と、国民に必要な知る権利を与えない事実を指摘し、府民の意識をバックに政府の対応をやんわりに批判している。
また同知事は、海上保安庁など公的機関の情報管理について「大阪府庁でも、情報が出てしまうことを前提に対処法を考えている。情報管理が難しいことを言い訳にはできないが、実際は問題が起きてから対応している」としたうえで「政府も管理できないことを前提に対応する方が得策だった」とものべ、政府の情報管理を皮肉っている。<産経ニュース>
既に刑事事件に発展しているため、橋下知事発言もいつもの過激さを潜めているようだが、それでも府民の間からは、知事発言の真意を評価する声が出ている。

ところで、「頂門の一針」(11月9日発刊)の阿比留 瑠比氏の記述を読むと、胸の痞えが収まる感じがする。以下、阿比留 瑠比氏の卓見を紹介する。

<菅内閣発足後の国民不在の韓国併合百年謝罪談話、竹島領有記述の載った防衛白書閣議決定の先送り、尖閣諸島沖での中国船衝突事件での船長釈放とビデオ映像の非公開、ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土・国後島訪問…と、ここのところ、ずっと、日本の主権と、主権者たる国民の知る権利が侵されているという思いがありました。

特に、尖閣問題では、菅政権によって領土保全という主権問題が無原則にないがしろにされる一方、国政の最終決定権者である国民に必要な判断材料が与えられないことに強い憤りを覚え、産経紙面でもこのブログでもそれを度々表明してきたところです。

また、今回、衝突ビデオ映像がsengoku38という人物によって暴露された件をめぐっても、いたずらに守秘義務を犯した国家公務員法違反という点(それ自体は否定しないものの)に問題を矮小化しようと務めている菅政権の閣僚らに対し、改めて姑息だなあと感じている次第です。最初から公開しておけば何も問題はなかっただろうにと。>

本当に阿比留 瑠比氏の卓見は見事だ。だとすれば日本の領土保全を菅政権は本気で考えているのだろうか。政府のお粗末さを公務員犯罪にすり代えることにより、行き詰まっている政権運営を誤魔化そうとしているのか。こう思うと、日本迷走を加速させる菅政権は、日本救世の政権に急ぎバトンタッチすべきであろう。
余談だが琉球新報によると、<石垣海上保安部が集中的に捜査される中で、市民からは同海保を激励し、映像流出を歓迎する声が聞かれるという。
 石垣海上保安部には、電話では中年男性が「ビデオを見ました。よく守ってくれてありがとう。これからも応援するので頑張って。もし(流出の犯人が)海保の職員だったら守ってくれ」と語ったという。

さらには 石垣海保による年に1度の灯台公開日の6日、御願崎灯台に訪れた市民や観光客らの中には「いま大変だろうけど頑張って」と海保職員を激励する姿や愛知から訪れた62歳の人が「わざとぶつかった船長は釈放されたのに、映像を公開してくれた人が罪に問われるとしたらおかしい」と首をかしげた>。

早い話、国民は皆日本の将来に危惧を抱いている。むしろ本件を犯罪にすり代えるのでは無く、領土保全、経済安定など直面している国の進路の最重要課題として捉えるべきで、それが出来ないのなら菅政権はすぐさま降りるべきだ。
                      2010.11.09

◆本稿は、11月10日(水)刊全国版メルマガ「頂門の一針」2091号に
掲載されました。卓見満載の「頂門の一針」を、下記からお手続きしてご覧下さい。
   http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm

◆<2091号 目次>
        
・ビデオ映像流失への異論:毛馬一三
・菅政権の尖閣衝突ビデオでの倒錯 :古森義久
・「中国に怒り」東京で4500人がデモ 韓国紙:古澤 襄
・3年ぶり利上げの背景:宮崎正弘
・農村の神武(ずんむ)たち:渡部亮次郎

・ 話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記
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