2010年12月13日

◆小沢氏、新党断念か

渡部亮次郎

窮地に立つ小沢氏に迷い 「同志に迷惑をかけた」と謝罪 離党後の展望開けずと産経新聞が報じ、「自らの置かれた窮地を悟った小沢氏が、離党説を打ち消そうとしているようにも見えた」と推測した。

<側近の平野貞夫元参院議員も日、「新党を作ったりすることはない。菅さんに挙党態勢を作る気があれば、知恵、力を貸す気持ちがある」と、小沢氏の胸中を推し量りつつ歩調を合わせた。>(産経)

筆者が後に外務大臣になった園田直の秘書官を務めたが、園田氏が若い頃つとめた衆議院副議長当時、その秘書官を務めていたのが平野氏。全く「旧知の仲」である。

平野氏は他方、その当時から田中角栄氏をつうじて小沢氏に接近。国会運営に抜群の知恵を持つ平野氏は、小沢氏に高く評価されていた。

小沢氏の周辺からは多くの「側近」が離反して行ったが、平野氏だけは引退後の現在も「知恵袋」であり続ける。愛娘が小沢側近の樋高参院議員に嫁している通り、小沢氏の信頼は硬い。

その平野氏が小沢氏の離党や新党結成を否定し、党執行部への協力姿勢を示した事は相当な確度を持ってみるべきだろう。

場面は福井県越前市のホテル。11日の同党所属衆院議員のパーティーで、あいさつの終盤にさしかかると、急に神妙な面持ちになって頭を下げた。「私事で多くの同志のみなさんに大変、ご心配、ご迷惑をおかけしていることを、この機会におわびをいたす次第です」何だろうか。

<国会招致問題で渦中の小沢一郎元民主党代表は11日、同党衆院議員のパーティーで「同志に迷惑をかけた」と珍しく謝罪した。岡田克也幹事長らとの亀裂が決定的となりつつある中、離党−新党結成も視野に入れているという小沢氏。

だが、多くの野党は小沢氏との連携に冷ややかで、離党後の展望は開けない。逆に党に残っても政治資金規正法違反事件で強制起訴されば求心力の維持は厳しく、進むも退くも苦難が待ち受ける。そんな小沢氏の迷いが謝罪の言葉となってにじみ出たのかもしれない。

これまで小沢氏は「司法の場で説明する」と国会招致に応じない考えを繰り返してきた。国会招致問題が本格化してからは公の場で謝罪したこともなく、強気だった。

一方、岡田氏らには、小沢氏の招致によりクリーンな姿勢をアピールし、政権浮揚を図る思惑がある。岡田氏は11日、一歩も引かない姿勢を強調しており、小沢氏との溝は埋まらない。

斎藤勁(つよし)国対委員長代理が同日、首相公邸で菅直人首相に役員会での「激突回避」を要請したが、首相から明確な返答はなかった。

「こういう状況で連立するのは、小沢さんの延命策になる」

自民党の森喜朗元首相は11日のテレビ東京番組で、民主、自民両党の大連立に小沢氏が関与するのなら反対する考えを示した。

小沢氏は8日の会合で新党結成を視野に入れた発言をしたが、多くの野党は小沢氏との連携に否定的だ。自民、公明両党幹部は11日、政倫審よりも強制力のある証人喚問への小沢氏出席を求めた。

「民主党の政権を何としても成功させたい」「国民の生活を大事にする政治を民主党政権で実現したい」

小沢氏はパーティーで「民主党政権」の維持を強調した。自らの置かれた窮地を悟った小沢氏が、離党説を打ち消そうとしているようにも見えた。>(産経新聞 2010.12.12 00:35)

◆本稿は、12月13日(月)刊の「頂門の一針」2122号に
掲載されました。
◆<2122号 目次>
・小沢氏、新党断念か:渡部亮次郎
・「侏儒の言葉」と民主党の政局と: 阿比留瑠比
・これなら日本で出産するわけだ:前田正晶
・注目される中国のインフレ率:宮崎正弘
・定住自立圏構想とは:須藤尚人
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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