2010年12月20日

◆受刑者に対する選挙権の制限

川原俊明

民主主義国家では、国民の多数意思を反映して国が運営されます。そのためには、国民が、それぞれ1票の平等な投票権を持つことが前提となっています。

最近の高等裁判所で、5倍もの格差ある選挙区での投票は、無効とされた例がありました。
考えてみれば、人それぞれに選挙権があるものの、他人に比べて半分以下の値打ちのない投票権は、その人の人格を半分しか見ない、と言うことと同じです。ましてや、5倍格差は、その投票権者の人格が5分の1、としか評価されていないことと同じです。この事態、明らかに憲法違反です。

もちろん、国の行政の区割りにおいて、完全平等の区割りは困難でしょう。
しかし、選挙区割りを平等に扱う、という配慮は、行政として可能な限り実現すべきです。
 選挙権について、さらに問題があります。

受刑者の選挙権制限です。公職選挙法では、次のようになっています。

第11条 次に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
1.成年被後見人
2.禁錮以上の刑に処せられその執行を終るまでの者
3.禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)

4.公職にある間に犯した刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの罪 又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条の罪により刑に処せられ、その執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた者でその執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた日から5年を経過しないもの又はその刑の執行猶予中の者

5.法律で定めるところにより行われる選挙、投票及び国民審査に関する犯罪により禁錮以上の刑に処せられその刑の執行猶予中の者

受刑者が、犯罪者として処罰されるのは当然ですが、必要以上の権利侵害は不要でしよう。窃盗犯が、服役中に選挙権を行使して、何が悪いのでしょうか。

今までの法律は、余りにも形式的すぎます。

犯罪者が、犯した罪の範囲で断罪されるべきは当然です。しかし、全人格の否定は、憲法違反となります。

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