2010年12月27日

◆虎の威を借る

渡部 亮次郎


虎の威を借る狐、と習った。それを虎の威を借りる狐、と覚えている方もいらっしゃる。パソコンは古語軽視だから「刈る」と出て物議を醸す。

「故事 俗信 ことわざ大辞典」【小学館 昭和60年1月21日 第1版 第11刷発行】を引いて見た。

≪虎が狐をとらえて食おうとしたところ、狐が「自分は天帝の使いだから、喰うと天帝に背くことになる。その証拠に自分の後についてきて御覧なさい」という。

一緒に行くと百獣が自分を怖れて逃げるのを知らず、愚かにも狐の言葉通りだと思ったと言う。「戦国策--楚策」にある寓話による≫

他の権勢に頼って威張る小人物のたとえ。「虎の威を借る狐とは、きょろつく顔に現れたり」{浄瑠璃・壇浦兜軍記}

出典:「嘗不知鼠憑社貴 狐藉虎威」(沈約 恩倖伝論)

「借る」は「借りる」の古語でしょう。

岩波書店が2000年10月18日に1945年生まれ、早稲田大学文学部卒業の「ことわざ研究会会員」時田昌瑞著「岩波ことわざ辞典」を刊行した。それは上記を参考にしたかどうかは知らないが、現代語訳の文章で詳しく説明している。

!)狐、虎の威を借る !)虎の威を借りる狐 弱者が強いものの権威をかさに着て、威張ることのたとえ。「借」は「仮」とも当てる。中国・漢代の『戦国策』(楚策)にある寓話に基づく。

狐が虎に食われようとした時、狐が虎に言う。自分は天の神に百獣の長になるように命ぜられている。自分の後についてくれば分るはずだ、と。虎が狐に従って行くと、他の動物は虎を見て逃げ出してしまう。それを見た虎は、なるほど狐の言う通りだと納得したというもの。

この話は、北方の国が楚の将軍を怖れているようだが、という楚王の問いに対して、北方の国は、虎である王の軍隊を怖れるのであって、将軍は、その威を借りた狐に過ぎないと臣下が説明するのに引き合いに出したものであった。

日本でも平安後期(説話『注好選』)・鎌倉時代から盛んに用いられたが、古くは異表現!)のように狐が先にくる形のものが多かった。

引用した以上を読むと、馬鹿は虎だ。百獣が逃げたのは、虎を見たからなのに、狐を怖れたとの誤解。どこかの国の大統領が狐、虎は中●じゃないか。


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