2010年12月29日

◆小沢を嫌悪 菅には唖然

渡部亮次郎


小澤は菅を嵌めた。端(はな)からハラを固めていたのだ。バカを見たのは岡田原理主義者。小澤は屈服したように見せて逃げおおせる心算だ。執行部の方針を受け入れることで、参院で問責決議が可決され、野党が国会審議に絡めて交代を求めている仙谷由人官房長官に対し、「けじめ」を迫る狙いもあるのだ。

だから以下の報道は後ろから先に読まなければならない。前から読むと「小沢屈服」に読め、後ろから読むと「小沢勝利」と読める。

<政倫審出席を表明=執行部方針受け入れ―小沢氏

民主党の小沢一郎元代表は28日午後、衆院議員会館で記者会見し、自身の政治資金の問題を説明するため、「衆院政治倫理審査会に出席する決意をした」と表明した。

その上で「私が(政倫審に)出席しないと国会審議が開始されない場合は、通常国会冒頭に出席する。そうでない場合は予算成立後、速やかに出席したい」と述べた。

小沢氏は会見に先立ち、都内の事務所に鳩山由紀夫前首相を訪ねて政倫審出席の考えを伝えた。

年明けにも強制起訴される小沢氏の国会招致をめぐっては、菅直人首相や岡田克也幹事長ら党執行部は繰り返し、政倫審への出席を要請。

これに対し、小沢氏は「裁判で潔白を証明する」などとして、拒否する姿勢を示していた。このため、同党は27日の役員会で、出席に応じなければ、1月召集の通常国会までに政倫審で招致の議決をする方針を確認。首相は出席できないなら、小沢氏に自発的な離党を暗に求めていた。

小沢氏は党内外の自身への厳しい空気を踏まえ、出席せざるを得ないと判断したとみられる。

一方で、執行部の方針を受け入れることで、参院で問責決議が可決され、野党が国会審議に絡めて交代を求めている仙谷由人官房長官に対し、「けじめ」を迫る狙いもありそうだ。>(時事通信 12月28日(火)14時12分配信)

菅首相を始め民主党執行部は「政倫審への出席を要請」と言う要求を小沢氏に飲ませたことで祝杯でも挙げかねない。だが小沢氏にしてみれば政倫審に出たところで何も解明されなければ欠席したのと同様。

多分、小沢氏は滔々と弁舌をふるうだろうが、検察庁でさえ破ることのできない小沢壁を破れる人物が国会にいるはずが無い。小沢氏はだから「渋々ながら」とみせて菅首相らの要求を受け入れた。だが、それだけの話。事態はなんら変わっていない。

小沢氏の本心は仙谷斬りにある。小沢氏も実は左翼だ。同じ左翼の仙谷との喧嘩は「近親憎悪」。だから仙谷氏の「小沢切り」は本気であり、厳しいものがある。小沢氏はそれに気づいている。

そこでここは屈服したように見せながら、「俺がケジメをつけたと同様、仙谷の問責可決問題にもケジメをつけろ」と菅首相に迫るハラ。それが実現しないまま党を追われたりしたら末代の恥になってしまうから、屈服したように見せて党に留まるハラを固めたわけだ。

「騒動」はこれで一応決着したように見えるが、これは喜劇ではなく悲劇の始まりに過ぎない。民主党の凋落が待っているからである。

菅氏らは小沢切りを徹底すれば内閣も党の支持率もV字型に回復すると思っているようだが、人気は回復しない。

地方選挙の情況を分析してみると、確かに昨年、民主党を支持した有権者は、確かに小沢の金権体質を嫌ってはいるが、それよりも呆れているのが菅首相の政治家としての能力の欠如なのである。

選挙には当選する術は心得ているが政治家としては無能力者だったことを知らされた慨嘆が感じられる。

小沢切りは、ここ数日囁かれている、連立問題の条件だったかもしれない。斡旋に走っている人物が拘っているのかもしれない。しかし27日に「たちあがれ日本」が連立参加を拒否して、一旦は終わりになった。たちあげれの断った連立を自民や公明が受けるはずが無い。菅内閣は完全に泥舟になった。           2010・12・28

◆本稿は、12月29日(水)刊の「頂門の一針」2138号に
掲載されました。他の寄稿者の卓見もご覧下さい。

◆<2138号 目次>
・小沢を嫌悪 菅には唖然:渡部亮次郎
・菅との連立などあり得ない:西村眞悟
・1月13日の民主党大会は大荒れ?:古澤 襄
・中国のアフリカ進出は侵略的で悪質:宮崎正弘
・スナックの時代終わる:平井修一
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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