2011年01月10日

◆中国にはびこる“ヤミ移植”

渡部 亮次郎

中国にはびこり、日本人の利用者もかなり多いとは”ヤミ移植“。神戸市の 60代男性が腎臓移植費用名目で約1千万円をだまし取られたとして、元民間団体幹部ら2人を詐欺罪で告訴したと報じられたばかり。

しかし、予想では、この種の真相取材が中国政府に規制されているらしく、実態はなかなか報じられない。そうしたなか産経新聞は9日、社会面のいトップで「年間1万例超、「大国」の実態は」と報じたので紹介する。
 
中国は2007年に外国人への臓器移植が原則禁止されたものの、水面下では今でも“ヤミ渡航移植”が横行している。年間1万例以上の臓器移植が行われる「移植大国」。豊富な臓器の供給源は死刑囚とされ、人道的立場から国際社会の非難も浴びてきた。中国の臓器移植の実像を追った。
 
 ■“袖の下”要求も…

「腎臓移植にかかる費用は、総額で800万〜1200万円。中国人に少ない0型の血液型の場合は費用がさらに割高になる」数年前まで中国の移植病院とつながりのある医療機関のスタッフだった男性は中国での外国人の腎臓移植費用についてこう証言した。

男性によると、費用の内訳は治療費、手術費のほか、スタッフの渡航、滞在費▽ドナー(臓器提供者)の臓器状態の確認費▽移植病院との連絡費▽入院中の食費−など。

最近では数百万円単位の“袖の下”を現地病院から要求されることも増えている。手術前に費用を払わなければ待機入院さえできないため、神市の男性のように患者が事前に現金を支払うのが慣例だという。

「年間10人程度の患者を中国の病院に紹介した。日本人特有の死生観や国の啓発活動不足で国内の移植医療は広がらない。ドナー不足の現状では患者は海外に希望を見いだすしかない」。男性はこう主張する。
 
 ■禁止も外貨魅力で…

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、中国で1年間に執行される死刑数を「少なくとも数千件」と推計している。中国で実態調査を行った岡山大大学院の粟屋剛教授(生命倫理学)によると、中国では死刑囚からの臓器提供が認められており、「臓器提供の9割は死刑囚」とされる。

年間1万例以上の臓器移植が実施されているにもかかわらず、その流れは不透明だ。日本では国の許可を受けた社団法人日本臓器移植ネットワークが臓器の斡旋(あっせん)を行う唯一の機関だ。

しかし、医療機関の元スタッフの男性によると、中国にはネットワークのような組織は存在せず、医師と刑務所の関係者の個人的ルートで臓器斡旋が行われるのだという。

死刑囚ドナーや不透明な臓器の流れは世界保健機関(WHO)や人権団体などから批判を浴び、中国は07年、臓器売買を禁じる法律を制定した。原則的に外国人への移植も禁じた。

それでもヤミの移植は依然として続いている。

粟屋教授は昨年、上海で軍経営の病院など3医療施設で渡航移植の調査を実施した。窓口で「この病院では移植が受けられるか」と尋ねたところ、「(移植は)直接医師に交渉してほしい」といわれたという。

「中国国内の移植可能施設は約400。高価な移植設備とスタッフ、技術をそろえた施設はもうけが出る外国人の移植をやりたい。中国政府も外貨を稼ぐことができるゆえに、大目にみている部分はあるだろう」粟屋教授はこう指摘する。

 ■国内移植の増加を

「中国で移植を受けても成績はよくない。みんなが元気になれるわけではないといっているのだが…」

こう話す東邦大学の相川厚教授(腎臓学)のもとには、中国で腎臓移植を受けてきたという患者が救急搬送されてくる。術後の管理が悪いため感染症を引き起こし、亡くなるケースも少なくない。

日本移植学会は倫理指針で、死刑囚からの臓器移植を「ドナーの自由意思を確認することが困難」として国内外問わず禁じている。

相川教授はいう。
「藁(わら)にもすがる気持ちで臨むのだろうが…。われわれができることは、国内の移植件数を増やすことぐらいだ」
(産経ニュース2011.1.8 23:21)
  

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