2011年01月14日

◆仙谷氏は国対委員長に

渡部 亮次郎

官房長官仙谷氏の退任は13日になって新聞各紙が一致したが、一時は副総理も囁かれた、次のポストについて「国対委員長」と初めに報じたのは毎日だった。

また昔は自民党内閣の閣僚、現在は「たちあがれ日本」共同代表与謝野馨氏の離党しての入閣を、初めて確定的に報じたのは時事通信だった。

<内閣改造 、代表代行兼務…最終調整
菅直人首相は12日、仙谷由人官房長官を交代させ、後任に民主党の枝野幸男幹事長代理を充てる意向を固め、党大会翌日の14日に内閣改造を行う最終調整に入った。

仙谷氏は党代表代行で処遇し、「ねじれ国会」対策の責任者として国対委員長を兼務させる方向。昨秋の臨時国会で仙谷氏とともに参院の問責決議を受けた馬淵澄夫国土交通相も交代させる。

菅政権の内政・外交を取り仕切ってきた仙谷氏は「影の首相」と呼ばれ、交代させた場合の打撃を懸念する首相はギリギリまで続投を模索。しかし、自民、公明など野党は「仙谷氏続投なら審議拒否」と宣告し、

民主党出身の西岡武夫参院議長も「院の決議は重い」と野党に同調。通常国会に提出する11年度予算案の審議や、首相が「政治生命をかける」と意気込む社会保障と税の一体改革へ向けた与野党協議を進めるには、野党との協調を優先した方がいいと判断した。

臨時国会で野党に政策協議を呼びかけながら失敗した反省から鉢呂氏を交代させ、重量級の国対委員長として仙谷氏に代表代行と兼務させることで野党対策を強化。仙谷氏の「更迭」色を払拭するだけでなく、政策ごとの部分(パーシャル)連合や将来的な連立組み替えもにらんだ「攻めの国対」を打ち出す狙いがある。

ただ、自公両党は11年度予算案に反対する方針を示し、子ども手当法案など予算関連法案が成立する見通しは立っていない。自民党は予算審議を行き詰まらせる「3月危機」によって衆院解散・総選挙に追い込む構え。

同党幹部は12日夜、「仙谷国対」について「仙谷氏には『ふざけるな』という感情がある。なかなか調整には応じられない」と拒否感を隠さない。

公明党は自民党とは温度差があり、山口那津男代表は11日、日本記者クラブの会見で「党の役職は何であれ、直接の問責の対象ではない。そこまで拡大して考えるべきではない」と述べ、仙谷氏が党の要職に起用されても反発しないことを示唆している。

首相は公明党との連携を期待しており、そのためにも民主党の小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題にけじめをつける必要があると判断。仙谷氏の後任に小沢氏批判の急先鋒(せんぽう)、枝野氏を充てることには「脱小沢」路線の堅持を明確にする意味がある。>
毎日新聞 1月13日(木)2時32分配信

<官房長官、枝野氏で調整 与謝野氏入閣も検討
仙谷官房長官の後任をめぐっては、首相は当初、幹事長として政権運営を支えた岡田氏の起用を検討していたが、岡田氏は慎重姿勢を崩さなかった。このため、昨年6月の菅内閣発足当初に幹事長に抜擢した枝野氏起用で調整することになった。

官房長官で調整している枝野氏を補佐するため、仙谷氏は首相補佐官などのポストで首相官邸に残すことが検討されている。

昨年11月から12月にかけて首相は自ら与謝野氏と会談を繰り返し、民主党との連立を打診した経緯もある。

首相側はすでに、与謝野氏側に対して入閣に向けた非公式な打診をしている。13日にも改めて入閣などを求め、条件が整えば与謝野氏がたちあがれ日本を離党し、入閣する方向。ただ、首相補佐官となる案も取りざたされている。> (Asahi Com 2011年1月13日4時0分)

<与謝野氏が離党へ=政府の要職に―たちあがれ
たちあがれ日本の与謝野馨共同代表は13日、内閣改造に合わせて政府の要職に就くため離党する意向を固めた。同日午前にも離党届を提出する。同氏の周辺が明らかにした。

同党は昨年末、菅直人首相から打診された連立を断ったが、首相との折衝に当たった与謝野氏は参加を主張していた。> 
時事通信 1月13日(木)8時59分配信

<与謝野氏は13日午前、東京都内で同党の平沼赳夫代表に離党届を提出した。

与謝野氏は13日午前、都内の自宅前で記者団に「離党届を出すことは1週間前から決めていた」と語り、離党届提出後、国会内で行った記者会見では「政策に現実性を与えるつもりで仕事をしてきた」とし、最重要課題として財政再建や社会保障制度改革、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を挙げ、「できることがあれば(菅内閣を)手伝いたい」
と述べ、政権入りへの意欲を示した。

与謝野氏は無所属で活動する。平沼氏は与謝野氏との会談で「それなりの考えがあることは理解する」と述べたが、離党届の扱いは保留した。

与謝野氏は昨年11月以降、首相と2回にわたって会談するなど、菅政権への協力を探っていた。しかし、同12月27日にたちあがれの連立政権入りが破談になったことに不満を持ち、以後は党の会合を欠席していた。

首相は消費税率引き上げによる財政再建論者の与謝野氏を閣内に取り込むことで、6月にも方向性を示す税と社会保障制度改革論議に道筋をつけたい考え。社会保障の抜本改革には自民、公明両党も賛同しており、与謝野氏に野党との橋渡し役を期待する狙いもあるとみられる。

与謝野氏は当選10回で72歳。自民党時代には党政調会長、官房長官、財務・金融・経済財政担当相など要職を歴任した。政権交代後の昨年4月、谷垣禎一総裁の党運営を批判して自民党を離党し、平沼氏らとたちあがれ日本を結党した。(毎日 13日)

今回の結果、菅首相の政治力は弱体化し、人材払底の現状も露呈した。菅政権の命脈は長くは無い。2011・1・13

◆本稿は、1月14日(金)刊の「頂門の一針」2154号に
掲載されました。

◆<2154号 目次>
・仙谷氏は国対委員長に:渡部亮次郎
・小沢問題はいま :古森義久
・TPPに日本は参加すべきでない:宮崎正弘
・対中戦略は無いのか?:櫻井よしこ
・町おこしの“火起こし組”を:平井修一

・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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