2011年01月29日

◆刺身が食べられなかった理由

渡部 亮次郎

育った八郎潟の魚には恐ろしい虫が寄生しているため、誰も生では食べなかった。煮るか焼くかして食べたので、海の魚も生では食べられなくなった。60を過ぎて偶然に食べたところ。極めて美味しかったので爾来、食べられるようになった。

序に八郎潟も大部分が干拓されたので、漁業も廃れて、沿岸住民はいまでは男鹿半島沿岸など、日本海沿岸の魚を買い、刺身にして食べていることだろう。

だが私の幼少のころは貧しくて海の魚をなかなか買えない。だが八郎潟に行けば鮒、鯉、鯰などが子供でも捕まえることができたものだから、これらを必ず煮たり焼いたりして蛋白源にして成長したわけだ。当然、寿司も食べたことが無いままであった。

ところで恐ろしい虫とは「肝吸虫」かんきゅうちゅうである。ウィキペディアによれば、1980年代以降は特効薬「プラジカンテル」が発明され1日の投与だけで根治が可能になった。とはいえ、それまでは恐ろしい病気を招いた。

肝吸虫が寄生しているのはフナ、コイ、ウグイ、モツゴ、ホンモロコ、タモロコ、ゼゼラ、ヒガイ、ヤリタナゴ、バラタナゴ、カネヒラなどで、焼いたり煮たりすれば死ぬ。

それなのに生でたべると飛んでもないことになる。肝吸虫は、成虫が寄生する胆管枝に塞栓してしまうため、多数個体が寄生すると、胆汁の鬱滞と虫体の刺激によって胆管壁と周囲に慢性炎症をきたす。

さらに肝組織の間質の増殖、肝細胞の変性、萎縮、壊死が進行し、肝硬変へと至る。そのため食欲不振、全身倦怠、下痢、腹部膨満、肝腫大をきたし、やがて腹水、浮腫、黄疸、貧血を起こすようになる。ヒトのほかイヌ、ネコ、ネズミ、ブタにも寄生する。

実験的にはイエウサギ、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、ヌートリアにも感染する。

肝吸虫、学名:Clonorchis sinensis) は、ヒトを含む幅広い哺乳類を終宿主とし、肝臓内の胆管に寄生する吸虫の1種。古くは肝臓ジストマと呼ばれてきた。

日本列島、朝鮮半島、中国、台湾と東アジア一帯に広く分布し、東南アジアではベトナムに分布するが、タイには似た生態で別属のタイ肝吸虫 Opisthorchis viverrini が分布して地域によってヒトに濃厚に感染しており、これと同属の猫肝吸虫 Opisthorchis felineus が、シベリアからヨーロッパにかけて分布し、ヒトにも感染する。

肝吸虫のメタセルカリアが寄生し、第2中間宿主となる淡水魚はコイ科を中心にモツ、ホンモロコ、タモロコなど約80種。コイ科以外ではワカサギの報告もある。

こうした魚をヒト、イヌ、ネコ、ネズミなどが生で摂食すると、メタセルカリアは小腸で被嚢を脱して幼虫となり、胆汁の流れを遡って胆管に入り、肝臓内の胆管枝に定着する。23〜26日かけて成虫となり、産卵を開始する。成虫の寿命は20年以上に達する。

日本国内で]古くから知られた流行地として、岡山県南部、琵琶湖沿岸、八郎潟、利根川流域、吉野川流域などが知られている。

他に宮城県、新潟県、埼玉県、長野県、富山県、濃尾平野、京都府南部、大阪府、和歌山県、兵庫県南部、広島県、山口県、香川県、徳島県、福岡県北部、福岡・熊本県境地帯などに流行地がある。

感染すれば胆管の拡張、肥厚が起こるため、逆行性膵胆管造影、CT、エコーなどで診断すると、肝内胆管の拡張像、異常が認められる。

モツゴやホンモロコ、タナゴ類のような小型のコイ科魚類を流行地で生食するのが最も危険である。フナやコイはモツゴやホンモロコなどに比べるとメタセルカリアの保虫率ははるかに低いが、刺身などにして生で食べる機会が多いため、用心しなければならない。

感染した場合、古くは塩酸エメチン、クロロキン、ジチアザニン、ヘキサクロロフォン、ヘトール、ビレボンなど副作用の強い薬を用いざるを得なかったが、1980年代以降「プラジカンテル」の登場によって1日の投与のみで根治が可能になった。

芸術家にして美食家の北大路魯山人の死因として人口に膾炙しているものとして、「生煮えのタニシを好んで食べたため、肝吸虫の重い感染を受けて肝硬変を起こして死んだ」とするものがある。

しかし肝吸虫の中間宿主となるマメタニシは食用となる真のタニシ類とは類縁が遠く、また小さくて食用にされることもない。

当然のことながらマルタニシやオオタニシのような一般に食用とされるタニシに肝吸虫が寄生していることもない。さらに、マメタニシは第一中間宿主であるため、別にこれをヒトが生で食べたところで終宿主への感染能力を持つメタセルカリアを有しないので、感染源とはならない。

したがって、魯山人の感染源は、コイやフナなどの淡水魚の刺身以外には考えにくい。とはいうものの、淡水産の水産物の表面には肝蛭のような他の寄生虫の感染態の幼生が付着している危険性はあるので、タニシを食べるときは十分火を通して食べるべきではある。

「プラジカンテル」はドイツの製薬メーカーバイエルの寄生虫学グループにより、 1970年中頃に開発された。世界保健機関は本薬を、"Essentialmedicines"の 1つに採用している

副作用 ガある。

多くの作用・副作用は、寄生虫が死ぬときに内容物が放出され、宿主の免疫系が活性化されることにより生じる。一般に、寄生虫の負荷が大きいほど、副作用も頻繁に生じ、かつ大きくなる傾向がある。

中枢神経系

頻繁に生じるのはめまい、頭痛、倦怠感である。眠気や疲労感、空間識失調を生じることもある。ほぼ全ての患者が、寄生虫が駆除されるのに伴い、中枢神経系内での脳嚢尾虫症を経験する(頭痛、既往症の悪化、クモ膜炎、髄膜炎など)。

消化系

約90%の患者が腹痛を感じ、吐き気や嘔吐を伴うこともある。下痢が生じ、疝痛を伴う場合もある。下痢は発汗、発熱、血便を伴う場合がある。

肝臓

肝臓の酵素(AST、ALT)の無症状的・一過的な上昇が、しばしば生じる(最大で 27%程度)。肝障害による副作用は、いまのところ報告されていない。

過敏症

じんましん、発疹、掻痒感、白血球中の好酸球増加を認めることがある。

その他

下部背部痛、筋肉痛、関節痛、発熱、発汗、多種の不整脈、低血圧など。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2011・1・27
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