2011年04月06日

◆大連立は利権への群がり

渡部 亮次郎

俄かに表面化した民主党政権への自民・公明参加による「大連立」への動きは、単なる震災復興事業の「利権」ほの群がりに過ぎない。震災・復興への党派を超えた協力という美名と入閣という餌の先には復興事業にかかわる「利権」への黒い欲望がある。

自民党の谷垣総裁が即座に拒否して消えたかに見えた大連立構想が、俄かに現実味を帯びてきたのには、ワケがある。元総理大臣森 喜郎、元幹事長古賀 誠、既に引退したはずの野中広務元官房長官の各氏が、そうはならじと、実現に向けて大きく動き出したからである。

更に予ねて、大連立を主張していた大勲位中曽根氏の後押しが効いた。谷垣氏は4日、都内で中曽根康弘元首相と会談し、いきなり民主党との対決路線を放棄した。

かねて大連立論者である中曽根氏は「頼まれれば閣僚も出す。どの閣僚を取るかが大事だが、挙国的な態勢を作る意味では協力した方がよい」とアドバイス。

「公明党との関係を重んじるべきだ。災害立法が終わったら仕事は終わったと考えてよい。菅首相と進めていく形を取った方がいい」と付け加えると、谷垣氏は「同感です」とあっさり応じた。

要するに、東日本大震災から被災者をいかに救済するかという視点を忘れ、何十兆円になるか想像もつかない大利権の甘い汁をを民主党にだけ吸わせる手は無いというドス黒い欲望が先に立つ発想なのである。

このままでは「やはり利権に目が無いという自民党の体質は変わっていない」と言う批判が定着するという大チョンボになるだろう。

<大連立「二段階構想」着々と 前のめりの自民 慌てる民主

東日本大震災を受け、民主党の安住淳国会対策委員長は4日、閣僚を17人から20人に3人増員する内閣法改正を与野党国対委員長会談で正式に提案した。

自民、公明両党から実務型閣僚3人をまず入閣させ、本格的な大連立に持ち込む「2段階構想」の誘い水だといえる。自民党の谷垣禎一総裁は近く各派領袖とも会談し、一任を取り付ける構えだ。

数十兆円規模の復興予算を目の前にぶら下げられ、すっかり前のめりとなった自民党。逆に民主党から「菅直人首相が延命してしまう」と戸惑いの声が漏れ始めた。

「できるだけ早く菅政権を追い込む方針でしたが、大震災が起きてそのままの方針ではいかなくなりました…」

谷垣氏は4日、都内で中曽根康弘元首相と会談し、いきなり民主党との対決路線を放棄した。

かねて大連立論者である中曽根氏は「頼まれれば閣僚も出す。どの閣僚を取るかが大事だが、挙国的な態勢を作る意味では協力した方がよい」とアドバイス。

「公明党との関係を重んじるべきだ。災害立法が終わったら仕事は終わったと考えてよい。菅首相と進めていく形を取った方がいい」と付け加えると、谷垣氏は「同感です」とあっさり応じた。

谷垣氏は5日に小泉純一郎元首相と会い、その後各派領袖とも会談する考え。2段階構想への「地ならし」は着々と進んでいる。

山本一太参院政審会長は「菅首相がトップに座ったままのなし崩し的な連立には反対だ」と語ったが、もはや少数派だ。子ども手当など「ばらまき4K」政策に菅(KAN)首相を足した「5K外し」が大連立の絶対条件だったはずだが、すでに忘れられつつある。

それほど終戦以来の巨大復興プロジェクトは半世紀にわたり政権を担った自民党には魅力的なのだ。「これに関わらなければ自民党の名折れだ」(中堅)との声まで上がる。

浮足立つ自民党を横目に民主党の岡田克也幹事長はさらにアクセルを踏み込んだ。

「大連立の最大の意義は衆参のねじれを解消することだ。経験のある党に加わってもらうことは十分にあり得る」

岡田氏は4日の記者会見でこう語り、復興という大義名分を強調。公明党との連立も「政策の共通性が多いならばどの党とも連立を構成することはありうる」と歓迎した。

枝野幸男官房長官も「全面的に協力するとおっしゃっていただき、有意義な提案もいただいた。今後ともそうした姿勢で行動いただけるとありがたい」と謝意を示した。

このような急ピッチな大連立への潮流に民主党の非主流派は戸惑いを隠さない。

小沢一郎元代表に近い川内博史衆院議員は「首相や仙谷由人官房副長官が言う大連立は、自分たちに都合よく政治を取り運びたいということだけだ」と語気を強めた。

このまま2段階構想が進めば、首相は居座りを決め、小沢氏を中心に非主流勢力は埋没しかねない。そんな懸念は日増しに強まっている。>
(産経ニュース 2011.4.4 21:41)
2011・4・5

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