2011年04月08日

◆たまには谷垣総裁を評価

渡部亮次郎

民主党との大連立をめぐる自民党谷垣総裁について、私のメルマガ読者の反応は、愚図に過ぎると散々だ。

<菅首相の退任を連立の条件にしたという自民党は、結局参加を拒否した。それはそれで結構なのだが、谷垣総裁の優柔不断振りは余りにもだらしがなかった。あの決断は二者択一であって右往左往して総理経験者のご意向を聞きに行くような性質ではない。それが出来ないような総裁には期待できないと再確認した>と手厳しい。

しかし、弁護士にしては仲々の策士だと私は珍しく感心した。総理経験者を尋ね歩いているうちに党内世論を引き付け、入閣希望者たちの欲望抑制に、わざと時間稼ぎをしたのだ。党内運営は単純ではない。策が必要なのだ。

もともと出身派閥の長たる古賀 誠氏が大連立に積極的である。谷垣にしてみれば大震災の震源地が足元だったのだ。そこで単純に考えれば古賀氏と会談すれば簡単だが、そうはしなかった。

中曽根氏を初めとする総理経験者を歴訪、会談を重ねることによって、なんとなく彼らの支持を取り付けた格好をつけ、党運営に関する求心力を確立。「反対」を主張するとみられる小泉氏と最後に会談。小泉氏の意見を借りた形で「反対」の結論を出した。

単純に「二者択一」とばかり、派閥の親分古賀氏と会談していたら「参加」の結論を出さざるを得なかったろう。古賀氏との要らざる対決を回避しながら菅の延命も回避した。

想定を超えた谷垣氏の深謀遠慮に気づかぬマスコミは、例えば産経政治部の佐々木美恵記者は7日の紙面で「谷垣総裁、政局決断できず、総理経験者行脚に時間、優柔不断さ露呈」と厳しい非難を浴びせた。

案外「愚図」と見せて古賀、森喜朗氏ら「参加積極派」との要らざる対決を回避した手腕は評価すべきだ。愚図は相撲をとらずに勝負に勝ったのだから。しかし、党内の人気はでないねぇ。
2011・4・7



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