毛馬一三
統一地方選挙の前半選が終わり1週間が経ったばかりだが、橋下徹知事が代表の「大阪維新の会」が大坂で躍進したことから、今秋行われる「大阪市長選挙」へ向けた動乱が早くも始まった。
事の発端は、橋下徹知事が開票から2日後の13日に開いた「維新の会」全体会議で、「市長選に合わせて知事を辞職し、(市長選と知事選の)ダブル選という政治日程をつくる」と明言したことキッカケだった。
席上、橋下知事はダブル選を「大阪秋の陣」と表現し、「市長選、知事選で大阪の将来像を決め、大阪市役所に従わせる」と付け加えた。
ただ、自ら市長選に打って出るかどうかまでは言及しなかったが、維新の会の幹部によると、知事は大阪府・市再編を進めるため、市長選に出馬する方向に居ると示唆している。
ところで知事は、すぐさま大阪市議会第一党になった「維新の会」と、大阪市議会の「公明、自民、民主の既成政党3会派」が、「大坂都構想を協議する場」を設置したいと申し入れる二の手を打った。
ただ、橋下知事は、協議はあくまでも政党間で行うもので、「大阪府や知事としては協議には参加しない。府は政党間の交渉のサポートに徹したい」と述べ、平松市長と協議する意思の無いとの予防線を張っている。
これに対して公自民の既成政党3会派は、知事がこの協議の場では「大阪都構想」は「白紙」で臨みたいとの意向を示していることなどから、これを拒否する理由はないとして参加に前向きな意向を見せている。
そんな中で、大きな動きが出た。いままで「反・都構想」で市長と共闘してきた自民党大阪市議団の幹事長が15日、今秋の大阪市長選では、自民として独自候補の擁立を検討する意向を表明したのだ。
同市議団でも「当たり前の判断」として、幹事長発言を支持する声が圧倒的だ。
同じ共闘会派だった公明会派も、市長自ら街宣車で、「維新の会」の「都構想」を「亡構想」だと街頭演説することも無く、特に「反都構想」を訴える候補者の個人応援にも駆けつけなかったことにも反発。この辺りから平松市長と距離を置く見解が広まりつつある。
一方、肝腎の平松市長を支えて来た与党の民主党も、中央政局の影響も加わって、議席が選挙前の半数以下に惨敗した。今や「市長選挙まで考えている余裕はない」と、身動き取れない本音を漏らしている。
それもそうだが、高い人気を誇る知事が市長選に出馬すれば、まともに対抗できる候補者の擁立は不可能な上、敢えて「負ける戦はしたくないし、橋下氏との対決はしたくない」という判断が公自民会派で支配的になってきている。
それらが平松邦夫市長の再選を目指す動きを、「静観」するか、「阻む」かの動きに広がる要因に結びつきつつある。
当の平松市長は、次期市長選への態度決定の時期について、「(次期市長選の直前)ギリギリでも構わない」と発言して、静観の態度を通す姿勢を見せている。
いずれにしても、「市議会3会派との協議」は「白紙」で臨むという知事の公言は、レトリックに等しいとみる向きもあり、故に「区長の公選制」や「市の8分割」の「都構想」は受け入れない態度は崩さないとしている。
従って、この「協議の場」が今後どのように進展するかは未知数で、今秋の市長選までに開かれる5月、9月、10月議会開催期間の中で、この動向を平松市長がどのように使い分けて、動乱を凌ぎ、市長再選へ繋げて行くかも一つの鍵になりそうだ。(了)
2011.04.16