岩本宏紀(在仏)
5月8日快晴の日曜日、ノルマンデイ―のディエップゴルフ場には、 3本の旗が強風になびいていた。
フランス国旗、ゴルフ場の旗、そしてカナダ国旗。
ラウンド後、タルタルステーキ(生の牛肉)を堪能したあとで、 ゴルフ場のひとになぜカナダ国旗が揚げてあるのかを訊いた。
1945年のこの日、カナダ軍がここに上陸して、この町をドイツ軍から解放したのだそうだ。
フランス移住が多いカナダとは言え、大西洋を隔てた国に派遣された 若きカナダ兵と、その親御さんの心中はどうだったろうか。
66年経った今も、赤いカエデの旗を掲揚するフランスの人たちも、 同じことを思っているではないか。 (完)