2011年05月18日

◆鮒は味噌煮に限る

渡部 亮次郎

亡くなった母は生前、私が帰省すると必ずガスこん炉に小さな鍋を載せ、予ねて用意してあった、八郎潟産の鮒に豆腐と葱を添え、必ず味噌で煮て食べさせた。

その前に私が焼酎を呑もうとすると、父が「うちはそれほどの貧乏人ではない」と日本酒を出してきた。焼酎は貧乏人の酒との観念が抜けないのである。自分は一滴も飲まないくせに。

鮒を味噌で煮るのは、泥臭い臭みを消す為である。醤油では消えない。ただ、母の場合は、別の理由もあった。私は幼少時、腎臓が弱くて医者から塩分の摂取を極端に制限されて過ごした。

集合写真で観ると、小学3年までは小さくて「虚弱児童」といわれてもしかたが無い。ところが、3年のとき、禁じられているはずの味噌汁を勝手に飲んでしまった。

父母は随分心配したそうだが、不思議なことに、それを境にぐんぐん元気に成り、運動会の徒競走では常に1着。リレーの選手にも選抜されるようになった。「亮次郎には味噌」が母の「信念」になった。多分、私の前に生まれた琢次郎が夭折。そのピンチヒッターたる亮次郎も病弱とあって多分、心配が絶えなかった。

それが味噌汁で丈夫になった。だから「味噌信仰」になり、私に関する限り、殆どの料理は味噌が味付けの主体であった。その所為で後期高齢者までに生き延び、98という母の寿命に迫りたいという野望を抱くに至っている。

さて鮒(フナ)である。鮒は、人間に触れやすい環境に生息していることから、身近な魚として人々に親しまれてきた。例えば、日本社会では多くの人が知っている文部省唱歌『ふるさと』(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)には、「小鮒(こぶな)釣りしかの川」という一節があり、郷里のイメージのひとつとして歌われている。

私は子供のころから釣りが下手。しかし、おかずは欲しいから、旧八郎潟に注ぐ河川に竿の先に着けた小さな網をいれて掬うと大きな鮒が面白いようにとれた。

調理方法は、塩焼きや煮付け、てんぷら、甘露煮など。小さいフナを竹串でさし、タレをつけて焼くすずめ焼きなどもある。また、小鮒を素焼き(白焼き)にしてから煮るとよいダシが出るという。

香川県では、酢漬けにしたフナの切り身を野菜と酢味噌で和えた「てっぱい」という料理もある。

だが有棘顎口虫の中間宿主となるため、生食はすべきではない。だから鮒で育った私は生魚の味を知らず、海の魚の生の味を知ったのは60を過ぎてからだった。

中国の毛沢東は禁じられていたにも拘らず、江青夫人の奨めで鮒など淡水魚を生で食べるのが好きだったという。江青(こう せい1914年3月 -1991年5月14日)は、中華人民共和国指導者の毛沢東の4番目の夫人で政治指導者、女優。山東省出身。文化大革命を主導し「紅色女皇」と呼ばれた。

禁じられているものを、亭主に敢えて食わせるとは、早く死なせようとしていたのではあるまいか。

フナ(鮒)は、コイ目コイ科コイ亜科フナ属(Carassius)に分類される魚の総称。ユーラシア大陸において馴染み深い淡水魚のひとつである。

日本を含むユーラシア大陸に広く分布し、河川、湖沼、ため池、用水路など、水の流れのゆるい淡水域ならたいていの所に生息する。中国の露天で売られているマブナ。中国ではよく食べられる。

フナはアジア地域においてしばしば食用とされる。例えば、日本においては滋賀県の「鮒寿司」や愛知県・岐阜県・三重県の「鮒味噌」、岡山県の「鮒飯」、佐賀県の「鮒の昆布巻き」などのフナの料理が知られて
いる。

かつては身近で重要な蛋白源としてよく食べられていたが、近年では、淡水魚独特の泥臭さが敬遠されたり、フナそのものが水環境の悪化によって減少したりしているため、食べる機会は減っている。

それでもフナは内水面漁業の主要な漁獲魚種である。日本における2004年の総漁獲量は2258tで、養殖を除くとサケ・マス、アユに次ぐ漁獲量だった。

都道府県別に見ると埼玉県(290t)が最も多く、続いて岡山県(266t)、茨城県(251t)、千葉県(184t)、熊本県(180t)、青森県(140t)、岐阜県(118t)、新潟県(117t)、島根県(113t)、滋賀県(112t)の順に多い(水産庁平成16年漁業・養殖業生産統計(概数)による)。

ゲンゴロウブナとその品種改良種であるヘラブナは植物プランクトンを食べるが、他のフナはほとんどが雑食性である。水草、貝類、昆虫類、甲殻類など、さまざまなものを食べる。

産卵期は春で、浅瀬の水辺に集まって水草などに直径1.5mm程度の付着性卵を産みつける。

なお、フナ類はサイアミナーゼというビタミンB1を破壊する酵素を多くもっているために、他の魚類などが多く捕食すると体が曲がるなど異常をきたしやすくなるため、捕食する側からはあまり好まれないらしい。

また、コイとフナの雑種(コイフナ)が発見されていて、釣堀でヘラブナとマブナが混ざっているところは、アイベラという雑種も見つかっている。

姿・形・色だけで種を判別することはできないため、初心者が種類を見分けることは困難である。例えば、日本社会においては、「フナ」と呼ばれる魚は慣例的に細かい種類に呼び分けられている。

しかし、その「種類」がそれぞれ生物学的に別種か、亜種か、同じ種なのかはいまだに確定されていない。なお、俗に言う「マブナ」はゲンゴロウブナと他のフナ類を区別するための総称で、マブナというフナは実在しない。2011・5・4

フナ出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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