2011年06月17日

◆分からない「関電の節電要請」

毛馬 一三

大企業から一般家庭にまで一律に昨夏ピーク比15%の節電を求めた関西電力の要請には、正直驚いた。関西の私鉄やJR西日本、市営地下鉄は間引き運転を迫られ、市民生活には多大な影響が出るからだ。

どうして一律15%削減なのか。関電の説明では、なかなかわからない。

関電の八木誠社長は、節電要請は原発停止による電力供給不足であることを説明で強調した。しかし節電要請がなぜ首都圏と同じ15%で、時間帯も午前9時から午後8時までなのか。それすらも分からない。

案の定、橋下大阪府知事は反発の狼煙をあげ、「電力が足りないから原発が必要と言っているに過ぎない」と批判し、今旅先のインドネシア・ジャカルタから苦言を呈した。

また仁坂和歌山県知事は、「夏場の電力使用のピーク時に電力が少し足りないことはなんとなくわかったが、詳しい情報がないまま結論だけをもってくるのは乱暴だ」と述べ、関西電力には対応できない姿勢を示した。

そこで、今月22日から9月末まで、和歌山県内として、家庭とオフィスに5%の節電を、8月になってから10%以上の節電を呼びかけるとの考えを示した。

八木社長は 、「現時点で原発の再稼働の時期が明確でない。顧客から節電が必要なら早期に示してほしいと言われたので、夏が目前に迫り苦渋の選択をした」と、訳の分からぬ言い訳をしている。
今回の節電要請は、関西の経済と市民生活環境に深刻な影響を与えことは必至だ。

<りそな総合研究所の荒木秀之主任研究員は、「関西(福井県を含む2府5県)の年間域内総生産が0・5%減少」と試算した。節電要請がない場合は「生産部門の関西シフトを中心に、0・1%増を見込んでいた」という>。毎日新聞 6月11日 刊

15%の節電を迫られると、特に高齢者世帯が昨年を超える猛暑に襲われた場合、熱中症で死者が増えることは確実。病院の手術室、CTUの維持はどうするのか。ましてや関西の中小企業の生産にはブレーキが掛かり、経済全体がどん底の落ち込むのは目に見えている。

肝腎の「節電要請根拠」がこのように不明確では、これに応じる訳にはいかないと、誰しもが思うのは当然だ。

一説によると、「経産省から関電が考えていなかった猛暑想定の試算の提出を求められ、その結果関電の需要ピークが「猛暑」想定パターンに引き上げられ、15%節電の要請へ変更になったといわれる。

もう一つは、この直前の「猛暑想定への変更」は、電力需要が大きくなるため、原発再開のため電力不足を演出しようとする、政府の意図があるようだという見方も出ている。

だとすれば、関電の「説明不足」だったのは、政府などの「節電アップ」の目論見があったことが浮かび上がり、関西企業と市民経済を無視した要請だったことに繋がることも予想される。。

 もしそうした「影からの要請」が無かったら、今夏が予想通りの「平年並み」の夏であれば、15%もの節電はいらなくなったはずだ。

15%の節電は、大きいことを東電は認識すべきだ。関西経済と市民生活維持に深刻な影響を与える「電力」だけに、「15%節電要請」の真実を、もっと分かり易く説明し、理解を求めるのが、関電に課せられた重要な責務ではないか(了)
   2011.06.16
   
 

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