2011年06月22日

◆マロニエは栃の木

渡部 亮次郎

日本の歌で、「栃の木」は出てこない。なぜかフランス語「マロニエ」と歌われる。「ウィキペディア」で「マロニエ」と索引したら「栃の木」と出てきた。

なんとなくシャンソンといえば洒落ているが「栃の木」では歌になりにくいのか。尤も、日本人は「7月14日」を「パリ祭」とはしゃぐが1789年 フランス革命: パリの民衆がバスティーユ牢獄を襲撃・占領、政治犯を解放。フランス革命の勃発の革命記念日なのである。

私は1978年のこの日、パリのコンコルド広場に展開された軍事パレードを観て、自分が世界の田舎者であることを痛感した。フランス人にとって7月14日はギロチンの日であり、祭りだけの日ではないのだ。

だからマロニエは、はじめっから,ただの栃の木なのである。

トチノキ(栃、橡、栃の木、学名:Aesculus turbinata)とは、トチノキ科(APG植物分類体系ではムクロジ科とする)トチノキ属の落葉広葉樹。

近縁種でヨーロッパ産のセイヨウトチノキ (Aesculus hippocastanum) が、フランス語名「マロニエ:marronnier」としてよく知られている。

日本では東日本を中心に分布、中でも東北地方に顕著に見られる、と「ウィキペディア」は言うが、郷里秋田ではお目にかかったことがない。

落葉性の高木で、温帯の落葉広葉樹林の重要な構成種の一つ。水気を好み、適度に湿気のある肥沃な土壌で育つ。谷間では、より低い標高から出現することもある。サワグルミ(猿江公園には1本だけある)などとともに姿を見せることが多い。

木はとても大きくなり高さ25m、太さも1mを越えるものが少なくない。葉も非常に大きく、この区域では最大級の葉である。葉柄は長く、その先に倒卵形の小葉5〜7枚を掌状につけ(掌状複葉)、全体の長さは50cmにもなる。葉は枝先に集まって着く。

5月から6月にその葉の間から穂状の花序が顔を出す。穂は高く立ち上がり、個々の花と花びらはさほど大きくないが、雄しべが伸び、全体としてはにぎやかで目立つ姿である。花は白〜薄い紅色。

江東区の猿江公園では花は未だ咲かない。

秋にツバキのものを大きくしたような丸い果実が熟すと厚い果皮が割れて少数の種子を落とす。種子は大きさ、艶、形ともに、クリのてっぺんのとんがりをなくして丸くしたようなものを想像すれば、ほぼ間違いない。ただし、色はより黒っぽい。

日本では渋抜きをした上で「栃餅」という和菓子をつくるが、友人安宅峯夫がパリで実を拾ったところ、ホテルのボーイが「食べられない」といったので捨てた。

どうも品種が違うようだ。

栃の無垢一枚板木材として家具などの材料となる。巨木になるものが多いので、昔はくり抜いて臼を作るのにもよく使われたが、最近は乱伐が原因で産出量が減り、主にテーブルなどに使用される。

木質は芯が黄金がかった黄色で、周辺は白色調。綺麗な杢目がでることが多い。また真っ直ぐ伸びる木ではないので変化に飛んだ木材となりやすい。比較的乾燥しにくい木材であるが、乾燥が進むと割れやすいのが欠点であるが、21世紀頃にはウォールナットなどと同じ銘木級の高価な木材となっている。

デンプンやタンパク質を多く含有する種子は栃の実として渋抜きして食用になる。同様に渋抜きして食用になるコナラやミズナラなどの果実(ドングリ)よりも長期間流水に浸す、大量の灰汁で煮るなど高度な技術が必要で手間がかかるが、かつては米がほとんど取れない山村ではヒエやドングリと共に主食の大きな一角を成し、常食しない地域でも飢饉の際の食料(飢救作物)として重宝された。

そのために森林の伐採の時にもトチノキは切り残す慣習を持つ地域もあった。私有の山であってもトチノキを勝手に伐採することを禁止していた藩もあったほどである。

また、各地に残る栃谷や栃ノ谷などの地名も、食用植物として重視されていたことの証拠と言えよう。現在では、渋抜きしたものをもち米と共についた栃餅(とちもち)などとしてあちこちの土産物になっている。

縄文時代の遺跡からも出土しており、ドングリやクルミ同様、古くから食用とされてきた。保存もきくので、天井裏に備蓄しておく民家もあった。積雪量が多く、稲作が難しい中部地方の山岳地帯では、盛んにトチの実の採取、保存が行われていた。

花はミツバチが好んで吸蜜に訪れ、養蜂の蜜源植物としても重要であったが、拡大造林政策などによって低山帯が一面針葉樹の人工林と化していき、トチノキなどが多い森林は減少し日本の養蜂に大きな打撃を与え
た。

そのほか、街路樹に用いられる。パリの街路樹のマロニエは、セイヨウトチノキといわれ実のさやに刺がある。また、マロニエと米国産のアカバナトチノキ (Aesculus pavia) を交配したベニバナトチノキ (Aesculus x carnea) も街路樹として使用される。

日本では大正時代から街路樹として採用されるようになった。しかし湿気のある土地を好むため、東京などの大都市とは相性が悪い。

小学校の国語の教科書にも採用されている斎藤隆介著の児童文学『モチモチの木』に登場する木は、このトチノキである。

トチノキは栃木県の県木であり、関連用語としてトチノキの葉を表す「栃の葉」(とちのは)や「マロニエ」共々栃木県に関連する物象に冠される。(「ウィキペディア」)2011・6・18


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