毛馬 一三
我が家で「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」をつくり出したのは、一昨年からだ。近所の知人の奥様から作り方を教えて貰ったのがキッカケで、去年もタイミングよく紫蘇(しそ)の販売時期に合わせてつくった。
つくってみたら、なんとまあ、風味・舌触り、美味さは抜群。ジュースの赤みの色合いにも魅かれて、すっかりハマってしまていった。
ところが、何と今年は所用に紛れ、嵌っていた筈の「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」つくる時期の到来を、すっかり失念していた。
「7月初めが、紫蘇店頭売りの限界ですよ」とかの奥様からたまたま聞かされ、慌ててて3日の朝、スーパーマーケットに駆け込み「赤紫蘇」仕入れてきた。家内に頼み、今年の「紫蘇濃縮ジュース」つくりに挑んで貰った。まさに滑り込みセーフ。
<紫蘇(しそ、学名Perilla frutescens)は、シソ科のシソ属の植物。中国原産。
紫蘇には、こんな由来がある。中国の後漢末、洛陽の若者が蟹を食べすぎて食中毒を起こし死にかけたが、名医・華陀が薬草を煎じ、「紫の薬」を作り、同薬を用いたところ、若者はたちまち健康を取り戻した。「紫」の「蘇る」薬だというので、この薬草を「紫蘇」というようになった>。
紫蘇の品種は、「青紫蘇」と「赤紫蘇」の2種類。
<i)「青紫蘇」は、葉や花を香味野菜として刺身のつまみや天麩羅などにする。青紫蘇の葉は野菜としては「大葉(おおば)」とも呼ばれる。
A)「赤紫蘇」は、梅干しなどの色づけに使用。また葉を乾燥させたものは香辛料として(特に京都で)味唐辛子に配合され、ふりかけなどにも用いられる>。
ところで、自家で「紫蘇濃縮ジュース」をつくる時は、上記のように、A)の「赤紫蘇」を使う。作り方は幾通りもあるようが、手ほどきを受けた作り方が、手軽で、出来栄えも最高のようだ。
そこで、その作り方をご紹介したい。
<作り方>
(1)紫蘇(300g)を水できれいに洗い、水気をよく切って鍋に入れる。
(2)鍋に水(450cc)を入れ、その中に砂糖(600g)とクエン酸(20g)を加える。
(3)紫蘇を満遍なく混ぜて、鍋をガスの中火で煮出す。
(4)10分ほど沸騰させ、紫蘇の中から泡が出したら火を止める。
(5)鍋で煮だった紫蘇を別のボールに、ザルで濾す。
(6)絞り紫蘇液が自然に冷めたら、その中に「ゆず酢」を大匙2杯弱入れる。これがこの濃縮ジュースの「隠し味」。
(7)真っ赤な紫蘇濃縮ジュースが出来上がったら、氷を入れたコップに濃縮ジュースを好みに応じて注ぎ、水や炭酸水などで4倍に薄めて飲む。
これだけの作り方で、900ccの「紫蘇濃縮ジュース」が出来る。冷蔵庫で保存すれば、賞味期限は半年もある。
<この「紫蘇ジュース」は、紫蘇の栄養であるビタミン類、ミネラル類が含まれているので薬用効果があり、アレルギー体質、生活習慣病、食中毒予防等に効果があるそうだ。ただし糖分の加減で、飲む量は1日2杯に抑えたほうがいいという>。
風味・美味しさ抜群の「紫蘇濃縮ジュース」の作り方を紹介させて頂いたが、このジュースの作り方のコツは、(6)にように、隠し味が「ゆず酢」であること。お忘れなく。
今年は「猛暑日」が幾度となく来襲するだろう。そんな時、風味・舌触りなど美味さが抜群、薬用効果もある「紫蘇ジュース」を味合われてみては如何。「赤紫蘇」まだ2〜3日間は店頭に並んでいる筈。お勧めします。 (了)
参考: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)