2011年08月28日

世の中を見る目

渡部 亮次郎


私に最も強い影響を与えた人は河野一郎、園田直、重宗雄三。いずれも政治家である。私は大学に行ったが、友人は少なかった。NHKで20年近く暮らしたが、まともな先輩は後に会長になる島 桂次と政治部長になる飯島 博だけだった。

この中で政治家を見分ける手段を教えてくれたのは島である。島は海軍兵学校から東北大学を経てNHKに入局。初任地仙台から盛岡を経て東京政治部。

私は大学こそ違ったが仙台、盛岡を経て政治部という島と全く同じコースを辿って島と会ったのだ。だが、島はそうしたことに無関心だった。つまり「島派」の結成に無関心だった。

それで政治部長になれず、番組部門の部長に飛ばされてから、逆に参議院クラブにいる私をしばしば訪ねてくるようになって、親しく話した。

政局はフィルターをかけて見なければいけない。ある推論で政治家を見直すのだ。福田赳夫が佐藤栄作の後継者と目されているが、それは本当か、佐藤が角栄に傾く事は無いか、カネで福田を見捨てることはないか。

今だったら小沢がまた党代表選挙に立つ事は本当にあり得ないか。

自民党の古手の連中と「大連立」の約束を取り付けて新自由党を立ち上げる事はあり得ないか、考えてみろ、と言うだろう。

菅は政権にしがみつくといっているが、果たして可能だったか。不可能だというフィルターをかけて見てみろと言うに違いない。島にかかれば「角福戦争」で角栄は福田を保護している佐藤首相にカネを積むんじゃないかとも見ていた。

島は、単独会見しか信用しなかった。「不特定多数の記者の前で本音を語れる、度胸のある政治家なんていない。特定の相手にしか話さないのが人間の本性だ。だから記者会見を信用する奴はバカだ」

しかし、今の記者諸君は記者会見を頭から信用して紙面やテレビに流す。単独会見を試みようともしないようだ。だから見通しをしばしば誤る。菅や仙谷が例のビデオを隠してまで日中首脳会談の実現にはしる「愚」を止める記事を書けない。

自慢話と受け取られたら不本意だが、昭和40年代に総選挙の投票日を的中させて報道局長賞を受けたことがある。

NHK政治部の体勢は幹事長田中角栄の言う説を真実と放送したが、その時佐藤首相と向かい合った角栄が緊張して椅子に極めて浅くかけていたといった国対委員長園田直の話から、角栄は投票日の決定を佐藤から一任されていない証拠とみた。

そこで園田氏にどう見るか尋ねたところ「総理は縁起を担ぐから大安に拘るよ」だった。この主張が後に真実となり「訂正記事」が報道局長賞となったのだった。(敬称略)


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