2011年10月11日

◆活発化し出した大阪ダブル選挙

早川 昭三

大阪府知事、大阪市長のダブル選挙が、11月27日に想定される見通しになってきたことから、再選を目指す平松邦夫市長の陣営や、自民や共産など、既成政党が動きを本格化し出した。

ところが、選挙告示まで1か月余に切迫してきた選挙戦なのに、橋下知事を代表とする地域政党「維新の会」の動きが未だにはっきりしないところがあるため、既成政党などは手探りしながら、独自に動いている。

確かに「大阪維新の会」は、昨年4月の発足後、今春統一地方選で大躍進を遂げたことに自信を抱き、11月27日のダブル選「大阪秋の陣」での勝利を目指している。
ダブル選とは何か。

「維新の会」によると、府市ともに首長を擁立することで、府市を再編し広域行政を一元化する「大阪都構想」の実現させるのが狙いだ。

橋下知事は、「平松市長に退陣していただきましょう」と先月中旬、支持者ら約3千人を集めて開いた「維新の会政治資金パーティー」でこう述べたことで、“市長選出馬”を事実上宣言したものと受け取られている。

しかも知事は、開会中の大阪府議会の審議に目途がつく今月21日にも府議会に辞職願いを提出したうえで、23日に正式に大阪市長選挙に立候補する意向だそうだ。

これに対して先月19日再選出馬を正式表明している平松市長は、<「ものすごく人気があり、大きな勢力を持っている方への宣戦布告です」と橋下知事への対抗心を顕にし、「(笛の音で子供を操った)ハーメルンの笛吹きだ。多くの人が催眠術にかかっている」と知事を厳しく断じた。>(産経新聞)

その上で、橋下知事の「大阪都構想」に反対する平松市長は、府の仕事は大阪市でもできるとする対抗案として「特別自治市の実現」で二重行政は解消できるという、謂わば府からの“独立宣言”を行うと正面対決むき出しにした。

序でながらこの「特別自治市」構想とは、昭和20年代に大阪のほか京都、神戸、横浜、名古屋の5大市が既に目指した経過がある。

ところがこの時も、府県サイドの反発で頓挫。府県並みの権限はあるものの、府県の傘下に入るという今の「政令市制度」がスタートした。

この構想は、「政令都市大阪市」が大阪府から独立し、駐車違反の取り締まりといった警察事務の一部も「特別自治市」で担うなど権限強化出来ることになる。

つまり、「特別自治市」になれば府から離脱し、これまで市域で府が行ってきた業務は市が引き継ぐことになり、平松市長は「府が担当する業務は大阪市でも十分できる」と強調している訳だ。

大阪市を複数の特別区に分割して中核市並みの権限を持たせ、都に広域行政を一本化する「都構想」と異なり、対等の権限を持つ府と市が広域行政で連携する形という。これが「都構想」を打破できる秘策として掲げたものだ。

このように争点の柱は出された格好だが、相変わらず何を目指すダブル選挙か、いまだに解消されないままでいる。

即ち、争点として想定される「都構想」と「特別自治市」のどちらを選択した方が、大阪の将来のためにメリットがあるのかはっきりしないところに、困惑して選挙民が多い。選択肢基本の欠落だ。

まだすっきりしない状況が取り巻いている。

橋下知事が市長選に打って出るとしながら、「維新の会」から大阪知事選に誰を推挙するのか、いまだにそれさえモヤモヤしている。本気なら急いで知事候補を明らかにするべきだろうが、何故か遅れている。

一応「維新の会」では、同会幹事長の松井一郎府議を擁立する方針を固めたとしており、同議員も「要望があれば受ける」とは言っているようだ。しかし代表の橋本知事は「知事候補は一任してほしい」と繕い、宙に浮いたままだ。

更に、この秋の選挙を混迷にしたのは、橋下知事が「都構想」を巡る意見として「最後は国会議員の選挙での勝負へ」と他所で述懐した一言も、正直警戒感が広がり、対応を逡巡している政党も出てきている。

だが、「維新の会」と対決する平松陣営や対抗政党では、地域や支持団体を動員して活発な動きに転じ出した。「維新の会」の戦略に乗せられず、独自に推し進めなければ、「維新の会」のペース嵌められる危険があるということで一致したのだ。

<民主党は「政権党として擁立する」と意気込み、自民党も「不戦敗は許されない」と主戦論に傾く。ダブル選なら知事選告示まで約1か月だが、過去の選挙では告示直前の出馬表明も珍しくなく、今後、各党の駆け引きが激化しそうだ。

自民党府連が8日開いた幹部会合では、出席者から「ビッグネームなら戦意も喪失するが、松井氏の知名度は決して高くない」と独自候補擁立論が相次いだ。

これまで同党内には「高支持率の橋下知事との敵対は得策でない」(府連幹部)として維新との連携を探る動きがあったが、この日は一変。自民党を離党した松井氏が、4月の統一地方選で自民への「刺客」擁立を主導しただけに、「松井氏には恨みがある。落選した仲間の弔い合戦にしなければ」との声が高まる。

民主党は平野博文・府連代表がこの日、「与党として素晴らしい候補者を擁立せねばならない」と語った。ともに維新への対抗心を強める中、両党間には連携模索の動きも出始めた。

自民党府連の谷川秀善会長は幹部会後、報道陣に、「政策が合えば拒否するものではない」と発言。民主党府連幹部もこの日、「擁立候補は自公が乗れる人がいい」と語った。>(10.9 読売新聞)

だが、23日に橋下知事が辞任し、知事立候補者が名乗りを上げなければ。ダブル選の全容は何事も見えてこない。

早い話、「維新の会」の対抗する陣営が平松市長擁護を決めて既に積極的に動き出した。しかし「維新の会」の動きはどうなるか。これが選挙戦の方向を決めることになることには間違いない。(了)   2011.10.10

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