2011年11月06日

◆まだ揺れる大阪市長選

早川 昭三

「大阪都構想」が激戦となる大阪のダブル選で対抗構図が確定していた筈の大阪市長選に、異変が起きた。

何と共産党推薦で立候補を表明していた前大阪市議の渡司考一氏(59)が4日、出馬を見送ることを決めたというのだ。(11月5日 朝日新聞朝刊)。

共産は、戦後初となる1947年の大阪市長選に公認候補を擁立するなど、推薦や公認候補を立てることを絶やしたことはない。その共産党推薦者が、告示直前に出馬断念するという事態は前代未聞。急変に驚きと戸惑うしかない。

<渡司氏は、私の出馬で「反独裁」の票が割れ、橋下氏の当選を許すことを避けたかったと不出馬の理由を語り、支持者に対して橋下氏に投票しないように呼びかけるという。

また、支援団体「大阪市をよくする会」の幹部は、「橋下徹氏の『独裁』を阻むための名誉ある決断」だと説明し、苦渋の判断だったと述べているという。しかも「反橋下」を支持者らに徹底し、平松市長への投票を事実上容認するだろうとしている>。

結局、ダブル選の市長選は、現職の平松邦夫市長(62)と、前大阪府知事の橋下徹氏(42)との、正に一騎打ちに一変した。

これに対し、「反橋下・維新の会」に対抗して激戦を想定している平松陣営と自民・民主政党では、「驚き以外に言葉は見つからない」としながらも、「出来れば垣根を越えて一緒に戦いたい。これで大きな反維新、反独裁の流れが生まれたことは歓迎」としている。

一方、維新の会選対本部は、「既存政党の野合の一端しか思えず、有権者には分かり易い対決構図」になったとしているが、共産党の転換に驚きを隠せない様子だ。

ところで問題は、共産党傘下の有権者が、「反橋下」を支持者らに徹底させ、平松市長への投票を事実上容認させることになるか、ということだ。

この共産党陣営の選挙方針が、どこまで実績に繋がるかは分からない。ただ

・前回の平成19年11月18日(平松市長が当選)施行選挙で、共産党は113,201票獲得。
・平成17年11月27日施行の市長選挙で、共産党は165、874票獲得。
・平成15年11月30日施工の市長選挙で、共産党は195,682票獲得。
となっている。

つまりこの3施行選挙の投票率は、34%から43.61%のもので、これを共産党の固定票と決めつける訳には行かないだろう。しかも加熱している今回のダブル選挙での投票率は、まだ想定できないため、共産党票の増減がどうなるのかも予想はできない。

ただ、揺れる大阪市長選挙で、共産党の10万票から20万票が平松市長に回るとなると、一騎打ちの市長選挙戦は読みを超えた展開になりそうだ。

序でながら、知事選を目指す倉田薫池田市長とも連携を深めていくことに合意した平松市長は、橋下氏の傀儡知事誕生の阻止も目指しており、日々変転の大阪ダブル選が一体どうなるのか、その流動ぶりには目が離せなくなってきている。(了)2011.11.05

◆本稿は、11月6日(日)刊 全国版メルマガ「頂門の一針」2425号に
掲載されました。他の卓見もご拝読ください。(編集部)

◆<2425号 目次>
・まだ揺れる大阪市長選:早川昭三
・米国を舐めてかかったらあかんぜよ:山堂コラム 392
・「たばこ発言」のその後:岩見隆夫
・ 禁煙恩人はサッチャー:渡部亮次郎
・G20でちゃっかり稼いだ胡錦涛:宮崎正弘
・話 の 福 袋
・反     響
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