2011年12月19日

◆橋下新市長 今日初登庁

早川 昭三


橋下徹・新大阪市長は19日午前8時55分に大阪中之島の大阪市役所に初登庁した。庁舎玄関で職員らの歓迎を受けて入庁し、5階の市長室に入った。

午前中は、総務部と調整して決めた人事異動を発令、発令された局長級幹部らを会議室に集め、府と市の事業統合する最高意思決定機関である「府市統合本部」の初会合を開き、27日までに所管の統合策を纏めるようを指示した。

このあと上京し、中央の政党幹部と会うことになっている。

ところで橋下新市長は、11月27日の大阪府・市長のダブル選で「大阪維新の会」を率いて圧勝した後、12月5日から大阪市が抱えている政策や課題について市幹部から説明を受ける一方、新市長が大阪府との事業統合や政策の見直しについて自らの意見を述べた。

ここでは、府市が別々に行っている経済活性化やインフラ整備などを一元化する他、懸案の府市の水道事業の統合、府市両大学や両病院の統合、大阪港施設の民間委託案などを示し、赤字財政再建に取り組むことなどの具体策を明らかにしたという。

そのうえで、成長戦略を受け持つ「府市統合本部」で実績を上げながら、これを「大阪都構想」の実現に繋いでいく方針を示したという。

同本部では、松井知事が本部長で、橋下新市長が副本部長になっているが、実質的には維新代表の橋下市長が主導を務めることは明らかで、府市の行政運営が橋下新市長のコントロール下になったことは事実だ。

こうした中、前述の予定のように19日午後上京する。上京は、中央の各党によっては、「人気のある橋下氏とは戦うよりも連携したい」との思惑があるという事態を直に探りにいくのが狙いだ。

<橋下市長は21日まで東京に滞在し、その間、民主党の輿石幹事長、前原政調会長、小沢一郎元代表、自民党の石原幹事長、公明党の山口代表、国民新党の亀井代表、みんなの党の渡辺代表、東京都の石原知事らと会談する予定。

橋下氏周辺は「日程が合えば、野田首相と会談する可能性もある」としている。新任の市長の就任あいさつに、これほど多くの与野党幹部が対応するのは極めて異例だ>。読売新聞

橋下市長は、あくまで念願の「大阪都構想」に対する各党の協力姿勢を見極めるのが主目的だが、「都構想」に消極的な政党などがあることも承知している。

従って、消極の姿勢が強ければ、橋下市長率いる大阪維新の会としては「大阪ダブル選」に圧勝した勢いで国政進出を検討しており、政党側との駆け引きも苛烈になっていくようだ。

話しは大阪市役所に戻す。橋下新市長が平松前市長を支えてきた局長級、部長級6人を、「公務員の立場で政治活動に関わった」として19日付けで「総務局付」とする事実上の「更迭」を行った。市長交代を印象づける強烈な橋下流の人事を行った。

また、<橋下新市長はすでに、約2400億円にのぼる市の人件費総額(2010年度普通会計決算見込み)について、来年度からの2割カットを検討していることとし、担当部局に削減案の検討を指示したことを明らかにした>。読売新聞

就任日の19日を待たずに、既に府市政統合の方針を述べるという異例もさることながら、インフラの整備に伴う人員整理、府市の水道事業の統合、府市両大学や両病院統合などの矢継ぎ早やな指示に加え、人件費カットも絡んで、職員の間では早くも動揺が広がっている。

その一方で、大阪港にある夢洲に「カジノ」を誘致できないかと担当部局に求めている。また、先頭にたって乗り気だったエンターテーメン「米パラマウント誘致」にも、まだ希望を抱いていると言われており、集客と経済波及効果を早期実現させたい意向も強いようだ。

とにかく、今日19日から橋下新市政がスタートした。歴代の市長とは違い、府市と事業を合同しながら、仕組みを見直していくという意図と政策が、市民のメリットにどう結び付いていくのか。

また、「都構想」の実現を口実に、果たして「維新の会」の国政進出を目論む腹積りなのか。これらが焦点となりそうだ。(了)
                         2011.12.19

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