2012年01月30日

◆維新の会へ“ただ乗り”狙う「後期高齢新党」

杉浦 正章

 
新党というとわくわく感が多少なりとも生ずるものだが、「いや〜な感じ」が先行するのはなぜだろうか。ちょっと考えてみれば分かることだ。老獪(ろうかい)政治家による、“あやかり商法”が根底にあるからだ。

「石原新党」は、自らの人気・力量に自信のない後期高齢政治家による「大阪維新の会」への「薩摩守忠則」(ただ乗り)が本質だ。離党へとふらつく民主党若手への誘い水でもある。そこには理念も定見もなく、「政局にらみの政局作り」だけが目立つのだ。いわば政策もなしに野合を目指す老害新党だ。

マスコミは朝日が「亀井静香の流す怪情報」(石原慎太郎)に乗せられたのか、派手に「3月新党」を報じたが、永田町は総じて「本当に出来るのかいな」と懐疑的だ。

しかし評論家の中には、岩見隆夫のように「細川新党だって第5党党首が首相になった」と「石原首相」を手放しで期待する発言をテレビでしている向きがいる。しかし、一応熊本県知事時代からカリスマのあった細川護煕と石原は全く異なる。

石原が都知事になって何をやったか。目立ったのは“文士の商法”で開業した「新銀行東京」を、わずか3年で1000億円の累積赤字を抱え、事実上破たんさせた都政史上にのこる大失政だけだ。都民一人当たり3000円に相当する400億円もの追加投資でしのいでいるが、これで国政をやられてはたまったものではあるまい。新銀行東京問題では石原の責任はうやむやになったままだ。国政なら確実に内閣不信任案可決だろう。

その石原を自民党福田派時代からの付き合いで担ぎ出そうとしているのが国民新党代表・亀井静香だが、背景には国民新党の埋没という危機感がある。

看板の郵政改革法案は成立のめども立っていないし、首相・野田佳彦は消費増税路線一辺倒で、亀井が反対を唱え続ければ連立解消も辞さぬ構えだろう。党内でも亀井の新党への動きにに「オオカミ老人がまたか」と反発が生じており、亀井は四面楚歌が実情なのだ。

平沼赳夫にいたっては、第3極になるはずだった「立ち上がれ日本」がなかなか立ち上がらず、存在感が希薄そのものだ。この旧福田派の3人は石原が79歳、亀井が75歳、平沼が72歳で、平均年齢74.33歳。年が若ければいいと言うものでもないが、この激動期に「後期高齢新党」では、夢も希望もあるまい。焦点の消費増税についても石原が推進、亀井が絶対反対ではまとまるわけがない。
 
その“おれがおれが老人”たちの狙いは、関西での「橋下ブームだ」。

石原は2月に橋下と会談を予定しているが、問題は“賢い”橋下が老獪の説得に乗るかどうかだ。石原は出来れば「首相の座」狙いで、橋下の力を“活用”しようと考えているに違いない。石原が3月の新党結成を断言しないのは橋下が乗るかどうか分からないからだ。

首相・野田佳彦が橋下との連携を探る動きについて「改革者として注目するところ大だが、シロアリがたかることがないよう祈ってやまない」と痛烈な一撃を食わせた。見事なタイミングでもあった。シロアリが誰を指すのかだが、シロアリには2種類ある。

後期高齢シロアリと、こまっちゃくれシロアリだ。こまっちゃくれシロアリのみんなの党代表・渡辺喜美は「シロアリがみんなの党のことを言っているなら問責に値する」と激昂したが、誰がみてもみんなの党を指しているのだから、問責決議に同調する野党などいない。
 
後期高齢シロアリが舌なめずりしている42歳の大阪市長・橋下は「この世界は気を許したら本当に食われちゃう。首相自らがメッセージを出してくれるなんてめちゃくちゃうれしい。シロアリに食われないよう気をつけます」と、素直に警戒感をあらわにしている。

維新の会そのものが海のものとも山のものともつかない一地方の政治現象であり、これを見極められないから、中央政界が“念のために”ちやほやしているのである。橋下も利口な男だからその分限をわきまえているのだろう。石原の接近は橋下を担ぐと言うより、まず自らが最後の死に花を咲かせたいという飽くなき権力追及意欲が根源にある。

自治体の長を長くやっていると、どうしても“裸の王様”になるのだ。橋下が自分の中央政界への転身を否定していることが、亀井や石原の狙いでもある。
 
要するに橋下は、自分の人気を活用しようとする中央政界の年寄りの冷や水というか火遊びに踊らされてはなるまい。

このままでは理念なき野合につき合わされることになる。問題は反野田姿勢を強めている小沢一郎が乗るかどうかだが、石原新党も維新の会も“小沢おんぶお化け”は敬遠だろう。これもイメージが悪すぎて新党という感じではない。当面小沢は若手の離党引き留め対策で大変だろう。    <今朝のニュース解説から抜粋>   (政治評論家)
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