2006年10月09日

◆悪たれ坊主の悪たれ

                渡部亮次郎

2006年10月9日、日本は国民の祝日、体育の日で新聞各社は夕刊を休み、
翌日も朝刊の休刊日であるところを狙ったのか。

<北朝鮮が「地下核実験」 朝鮮半島に重大局面>という紙面が読者に
届くのは事件から丸1日経った11日午後である。なんとも念の入った計算
ではないか。

尤も谷内(やち)外務次官はワシントンで「早ければ日曜(9日)にも」と予
想していたから、驚かなかった。それにしても悪たれた悪たれはこれか
らどうしようと言うのだろうか。


<【ソウル=久保田るり子】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日午前、「われ
われの科学研究部門は、地下核実験を安全に成功裏に実施した」と発表
した。

聯合ニュースは、国防省当局者の話として、同日午前10時36分(日
本時間同)に実施されたと報じた。韓国地質資源研究院は同日、同地域
でマグニチュード(M)3・58から3・7規模の地震波を観測した。

盧武鉉・韓国大統領はただちに安全保障閣僚対策会議を招集、情報収集
と対応に入っている。国連安保理の議長声明を無視した形の核実験強行
であり、朝鮮半島情勢は重大局面を迎えた。

韓国はじめ周辺国による分析によると、地下核実験は同国北東部の咸鏡
北道花台郡舞水端で行われ、プルトニウム型核爆弾とみられる。

放射能汚染の状態は不明だが、AP通信は放射能漏れはないと報じた。

朝鮮中央通信は実験が「科学的で綿密な計算により行われた」とし、
「放射能流出のような危険は全くない」と報じている。

北朝鮮は、今月3日の「核実験宣言」にも米国が「無条件の6カ国協議
復帰」の原則論を崩さず、2国間対話に応じないことから、強硬な示威
行動に出たものとみられる。

韓国、米国、日本、中国など周辺国はただちに実態把握のため緊密な連
絡体制をとるとともに国連安保理でこの問題を協議する方針だが、国際
社会の非難と制裁強化は確実な情勢だ。

北朝鮮は昨年2月に「核保有宣言」を行い、今年7月には運搬手段であ
る弾道ミサイル「テポドン」をはじめミサイル発射を実施、「核とミサ
イル」の対米戦略を強めてきた。

核実験によって「核保有国」であることを既成事実化し、「体制保証」
などを求めて今後の対米交渉で大きな交渉力とするもくろみだ。

だが、米国はじめ6カ国協議関係国はこうした北朝鮮の「核クラブ入り」
は決して容認せず、核の全面放棄を求めており、関係国がどのような形
で北朝鮮核問題に取り組むかをめぐっては厳しい対立が予想される。米
国はこれまで、北朝鮮の核問題が悪化した場合、「追加的措置」「より
強硬な措置」を取ることを表明してきた。

今後、国連安保理決議による経済制裁など一段と強い制裁に入る可能性
が高く、こうした制裁を北朝鮮は「宣戦布告」と位置づけていることか
ら、核実験を契機とした核危機が軍事的威嚇行為を伴う危険水域に入る
可能性もある。

北朝鮮は2003年1月、核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言
しているが、NPT加盟国が脱退を経て核実験を行い「核保有国」となっ
たのは北朝鮮が初めて。核管理の国際的な枠組みを再構築する必要性が
改めて浮き彫りになった。

核保有国は米英仏露中の国連安保理常任理事国の5カ国とインド、パキ
スタンの2カ国の計7カ国。イスラエルは公式には認めていないが、す
でに核を保有しているとみられている。南アフリカは1990年までに
すべてを解体した。

■北朝鮮の核兵器 北朝鮮は旧ソ連の支援で1950年代後半から核開
発に乗りだし、80年代から独自開発した実験用黒鉛減速炉を稼働させ
るなど本格化。

北朝鮮が保有する核兵器の個数や種類は不明だが、米政府などの情報に
よると、長崎に投下されたのと同じプルトニウム型の原爆数個を保有し
ているとみられる。

北朝鮮は2003年10月に使用済み核燃料棒約8000本の再処理を
完了と表明、05年5月にも新たな使用済み核燃料棒の取り出しを終了
したとしており、米シンクタンクは核兵器4―13個分のプルトニウム
を保有と推測している。
               ◇
≪朝鮮中央通信報道の全文≫

全国すべての人民が社会主義強盛大国建設で一大飛躍を創造していく活
気あふれる時期に、われわれの科学研究部門は10月9日、地下核実験を
安全に順調に行った。

科学的計画と綿密な計算により進められた今回の実験では、放射能流出
のような危険が全くなかったということが確認された。

核実験は100パーセント、われわれの知恵と技術に依拠し進められたもの
で、強力な自衛的国防力を熱望してきたわが軍隊と人民に大きな刺激と
喜びを抱かせる歴史的出来事だ。

核実験は朝鮮半島と周辺地域の平和と安定を守るのに寄与するであろう。
(共同)
               ◇
 北朝鮮核問題をめぐる主な動きは次の通り。

1994年10月21日 米朝枠組み合意に調印。北朝鮮の主要核施設
凍結
2002・10・16 北朝鮮がウラン濃縮型核開発計画を認めたと発

    12・12 北朝鮮が凍結した核施設の再稼働宣言

  03・1・10 北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)脱退宣言

     4・23―25 北京で米朝中3カ国協議。北朝鮮が米国に
「核保有」表明
     8・27―29 北京で第1回6カ国協議

  04・2・25―28 第2回6カ国協議
     6・23―26 第3回6カ国協議

  05・2・10 北朝鮮が外務省声明で核兵器保有を公式宣言
     9・19 第4回6カ国協議で共同声明採択
    11・9―11 第5回6カ国協議、休会

  06・7・5 北朝鮮が弾道ミサイル連続発射
       15 国連安全保障理事会が非難決議採択
    10・3 北朝鮮が外務省声明で核実験を行うと表明
       6 安保理が「深い憂慮」を表す議長声明採択
       9 朝鮮中央通信が、北朝鮮が核実験実施と報道
 
(共同)(Sankei Web 10/09 15:21)

塩崎長官「断固として強く非難」 核実験で官邸に対策室
塩崎恭久官房長官は9日午後1時すぎ、北朝鮮の核実験情報を受けて記
者会見し、「事実とすれば、北朝鮮に対し厳重に抗議し断固として強く
非難する」と述べた。

政府は午前11時半ごろ、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を
設置、関係閣僚や関係省庁の局長を緊急招集。中国訪問を終え、韓国を
訪問中の安倍晋三首相の指示を受け、情報の収集・分析を急いでいる。

塩崎長官は国連安全保障理事会が6日午後(日本時間7日未明)に北朝
鮮の核実験を阻止するための議長声明を採択したことに触れ、「議長声
明が行われたことは国際社会の一致した声だ。これさえ無視したとすれ
ば厳重に抗議し非難しなければならない」と強調した。

日本政府は核実験実施を確認後、国連安保理で加盟各国に拘束力をもつ
国連憲章7章に基づく北朝鮮制裁決議の採択を目指す一方、北朝鮮の船
舶の入港禁止強化など独自の追加制裁も発動する方針だ。

北朝鮮による核実験実施の情報は9日午前11時ごろ、中国政府から防
衛庁などに連絡があったほか、韓国政府からも「異常な地震波が観測さ
れた」との情報があったという。官邸対策室のほか、防衛庁でも幹部会
議を開催し情報収集を進めている。
(Sankei Web 10/09 13:30)

核実験発表に「断固反対」 中国外務省が声明
中国外務省は9日、北朝鮮の核実験実施発表について、「断固反対する」
との声明を発表した。声明は北朝鮮に対し、非核化という約束を守り、
情勢をさらに悪化に導く可能性のある一切の行動を停止するよう名指し
で強く要求した。(時事)(Asahi Com 2006年10月09日14時28分

「断固反対する」と言ってみたところで、前日、安倍総理に余裕綽々で
受け答えしていた中国としては国際的な面子を完全に失したわけである。
またロシアでは北朝鮮をわざわざ作ったスターリン。地下で何を思って
いるだろうか。

核兵器、推定6〜8個分 ミサイル搭載技術は未知数
米政府の情報部門の推計では、寧辺の黒鉛減速炉内にある核燃料棒から
は、年間約6キログラムのプルトニウムが抽出可能とされる。一方、米
国の民間軍事研究機関グローバルセキュリティーは、同炉が94年に稼
働を停止した時点で、使用済み核燃料棒8000本からは17〜33キ
ログラムのプルトニウムが抽出可能だったとみている。

核兵器1個に必要なプルトニウムは、一般的には5キログラム前後とい
われる。

北朝鮮は94年の米朝枠組み合意以前に核兵器1、2個分のプルトニウ
ムをすでに持っており、今回の危機に際して使用済み核燃料棒8000
本を再処理した結果、保有しているプルトニウムの総量は最大で6〜8
個分というのが米政府の見方だ。日本政府も保有している可能性のある
核兵器を最多で6〜8個と推定。米政府と同様の見方をしている。
ただし、それを小型化してミサイルの弾頭に搭載できる技術が北朝鮮に
あるかどうかはわかっていない。

韓国の尹光雄(ユン・グァンウン)国防相は06年8月、「北朝鮮が現
在、(核兵器)1、2個を保有していると推定している」と国会委員会
で述べた。05年2月に出した04年版国防白書は、北朝鮮が枠組み合
意前に「兵器級プルトニウム10〜14キログラムから核兵器1、2個
を製造した可能性があると推定される」と記述していたが、国防相は答
弁で見方を強めた。尹国防相は「北の核兵器保有の事実を韓国政府は疑
わないのか」との国会委での質問に「そうだ」とも答えた。
(Asahi Com  2006年10月09日15時45分)


ノート:朝鮮民主主義人民共和国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

朝鮮は、1910年から日本による支配を受けた。支配は1945年に終焉した
が、その直後から、北緯38度線以南をアメリカに、38度線以北をソ連に
占領され、それぞれの軍政支配を受けた。

その後、米ソ両国は朝鮮の信託統治実現を巡って決裂し、それぞれの支
配地域で政府を樹立する準備を開始した。結果、1948年8月15日にアメリ
カ軍政地域単独で大韓民国が樹立され、これに対して同年9月9日に朝鮮
民主主義人民共和国が成立したことで、朝鮮の分裂は固定化された。


共和国成立後
 南北朝鮮の両国は、互いに「朝鮮の正統な政府」であると主張して対立
を深め、遂には1950年の朝鮮戦争に至った。朝鮮全土を破壊した戦争は
1953年に休戦を迎えたが、軍事境界線が制定されたことで朝鮮の分断が
確定化された。

朝鮮は現在も停戦状態のまま南北に分断されており、分断が固定された
状態は50年以上続いている。

朝鮮民主主義人民共和国は、金日成が建国当初から1994年の死去まで最
高指導者の位置を占めた。金日成の死後、彼の実子である金正日が、
1997年に朝鮮労働党総書記に就任した。

1998年には、憲法改正で国家主席制を廃止すると共に、最高人民会議で
国防委員長に再任されることで事実上、最高指導者の座に着いた。それ
以降、政府は国際関係の改善に向けて、多くの国に対し関係改善に向け
て取り組みを行なった。

結果、1999年以降に相次いで国交を樹立した他、2000年には南北首脳会
談の開催に成功した。しかし、核兵器開発計画巡って、アメリカとの間
では緊張状態が継続した他、日本との国交締結交渉は、日本人拉致問題
や植民地支配の賠償などで意見が対立し、締結には至っていない。

朝鮮戦争後、朝鮮民主主義人民共和国は、他の社会主義国家から支援を
受けながら経済を発展させ、1970年代までは大韓民国に対し国力で優位
性を保っていた。

しかし、その後は経済政策の失敗から経済事情が悪化し、特にソ連崩壊
がきっかけになって(直接的にはソ連からの重油の供給ストップが打撃
となって)1990年代半ばにかけて国の経済は衰退していった。

それと同時に、国内各地では食糧不足が深刻化した。各国の支援にもか
かわらず、食料配給制度の崩壊から、内陸の農村部を中心に何百万もの
人々が餓死する事態となった。

それに伴い、多くの人々が食料を求めて中国へと密入国し、脱北者問題
が国際的に注目された。ただし、1999年以降は、中韓両国の経済協力な
どによって、GDPは回復しつつある。最も、経済状況は、未だ1970年代の
水準で停滞したままでいる。

政治
 政治体制は主体思想(チュチェ思想)に基づく共産主義体制をとる。し
かし、事実上の一党独裁体制を担う朝鮮労働党(注)の支配組織として
の形骸化が指摘されており、現在は国防委員長である金正日の個人独裁
体制といわれる。

金正日とその周辺の軍幹部の利益を優先するため、自国民の数百万人以
上の餓死や、強制収容施設での虐殺等、数多くの人権問題が起きたとし
て、人権団体や国際連合、アメリカ合衆国等の諸外国は、北朝鮮を強く
批判している。

金正日は朝鮮人民軍を中心とした先軍政治を掲げている。
元首に関しては国防委員長が「国家最高の職責」として事実上の元首職
であるが、形式上は外国使節の信任状などを取り付ける役割を果たす最
高人民会議常任委員長が元首に相当するものとされる。

現在の最高人民会議常任委員長は金永南。最高人民会議は近年、ほとん
ど開かれることがなく、金正日の個人独裁体制である。

建国者である国家主席・金日成が1994年に没してからは、息子の金正日
が朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官、共和国国防委員長として
国を統治している。

注:公式には朝鮮労働党の他にも朝鮮社会民主党・天道教青友党という
政党があるが、この二党は朝鮮労働党の指導を認めているいわゆる「衛
星政党」であり、実体は朝鮮労働党の一党支配といえる。

軍事
「先軍政治」を掲げ、何よりも軍備拡充に力を入れている。過去数十年
にわたり国防のために莫大な資源をつぎ込み、世界で5番目に大きい100
万人を超える軍隊を有し、GDPに占めるその比率が高いが、その装備は旧
式で特に航空機等の近代兵器で性能、練度ともに韓国軍よりも劣ると言
われる。核弾頭搭載可能な弾道ミサイル(テポドン)を保有していると
される。

国際関係
 国境を接する中華人民共和国およびロシア連邦と密接な関係を維持して
きた。

アメリカ合衆国はこの国を悪の枢軸の一つと位置づけ、日本などと共に、
この国の長期にわたるミサイル開発計画と核開発を牽制している。一方
で、朝鮮民主主義人民共和国も米国に対し、敵視政策を止めるよう要求
している。

これらの問題解決そして緊張緩和に向けた具体的な動きとして、2003年8
月以降、核問題を中心に、日本、韓国、ロシア、中国、米国と共に六カ
国協議を実施しているが、朝米が互いに譲歩せず、膠着状態が続いてい
る。

この他、韓国人、日本人、レバノン人などの拉致、日本・韓国に存在す
る工作員、諸外国に対する麻薬の密輸、過去にも当局が否定する大韓航
空機爆破事件、ラングーンでの韓国要人爆殺大統領殺害未遂、北朝鮮国
内の人権問題などの問題がある。

工作員については、以前は国内でも中波657kHzのAMラジオで聞ける「平
壌放送」にて暗号電文を使い指令を送っているとされてきたが、2000年
に終了。

現在はモールス信号や、携帯電話やコンピュータの電子メールを使って
指令しているとの説もある。 1980年に一時、大韓民国にたいして高麗民
主連邦共和国創設を提案したことがある


日本との関係
 日本政府は1965年の日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約に
より、朝鮮半島にある唯一の合法的な政府を大韓民国としているため、
国家として承認していない。

従って、正式な外交関係(いわゆる国交)はない。かつてはパスポート
に「This passport is valid for all countries and areas except
North Korea (Democratic People's Republic of Korea).」と記載され
る渡航先適用除外条項があったが、現在ではこの条項は削除されている。

貿易関係はそう大きくないものの存在し、日本への船舶の入港は年間千
数百隻に上っている。 政治的軍事的な対立から緊張した関係が続いてい
る。
2002年9月17日に「日朝平壌宣言」により、国交正常化が合意されたが、
正常化交渉は難航している。
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