2012年02月12日

◆橋下氏、次期衆院選へ新方針

早川 昭三


橋下大阪市長が、国政進出への意向を明らかにしたのは、今年1月20日開いた市長就任後初めての政治資金パーティーの席上でのことだ。

市長は「大阪都構想がゴールではない。大阪がこのように動き始めているのなら、次なる目標として日本国も動かしていこう」と述べ、「本年勝負させてください」と、次期衆院選での候補擁立を示唆した。

当時この発言は、「大阪都構想」実現に横車を押す既成政党や各党幹部に威圧感を与えるためだけの、いわば橋下流の「劇場型政治」のひとつではないかとみる向きが多かった。

ところがその直後、橋下市長率いる大阪維新の会がこの4月に「維新政治塾」を立ち上げ、次期衆院選の候補者養成をめざすことにしたことから、市長が国政進出を本気で進めていることを伺わせた。

「維新政治塾」に講師には、塾長の橋下氏と松井大阪府知事のほか、堺屋太一元経済企画庁長官、中田宏前横浜市長、山田宏前杉並区長、東国原英夫前宮崎県知事らが当たるという。

参加希望者は、定員400人だが、締め切り日の10日夜時点で、全国の地方議員や元国会議員、官僚らから、2750人余りが応募しているという。

「塾」は、最終的に塾生の中から衆院候補者300人に絞り、200議席の獲得を目指すとしている。

しかし、切迫も想定される衆院選挙までに、果たして200議席を獲得出来る塾生を養成できるのかの疑問は捨てきれない。第一、塾生を国政進出させる政治論・方針が如何なるものかも見えていなかった。

ところが橋下氏は10日、「幕末の志士・坂本龍馬が練った国家構想に例え<船中八策>を大阪維新の会で作り、維新の会が衆議院選挙を視野に国政に向けた政治方針をまとめ、やろうとしていることをはっきり国民に示す太い軸をまとめること方針」を示し、それを「維新政治塾」で議論していく考えを示した。

それによると、「国政は統治機構が分散型になっていない。国がお金を集めて地方に渡す仕組みを断たないといけない」と今の国政に反発。地方交付税の廃止や道州制の導入を掲げる考えを主軸としている。

更に、既存政党との連携については慎重な姿勢を示す一方、既存政党を離れた政治家と連携する条件については「地方交付税廃止や道州制を本気でやってくれるかどうか」の有無を連携の必須条件とにしている。

また橋下市長は、<船中八策>の中で「参議院の廃止」を盛り込む方向も掲げている。参院廃止は<船中八策>のうち「財政再建・行政改革」分野の柱に据ているという。

国政に欠かせない環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加も盛り込む方針を明らかにするとともに、特に外交・安全保障では日米同盟を基軸とする考えも含んでいるそうだ。

確かに、「既成政党ではできない改革」を旗印として、衆院定数削減を唱えながら協議が進展しない国政に“挑戦状”を突き付ける狙いがあるのは分かる。

しかし、米軍普天間飛行場移設など沖縄県の基地問題については、「個人的には考えがある」とし、党内論議を深めるとして明言を避けており、一番知りたい橋下政治方針は明確にしていない。

対中国・韓国・ソ連との領土問題はどうするのだろうか。これ良くわからない。

自民党の麻生太郎元首相は先日、橋下徹大阪市長ら「大阪維新の会」による国政進出の動きについて、「市長として、言うだけでなく実績を示してもらう。その上で(意見を)聞くという態度が正しい」と牽制(けんせい)した。

やはり、「大阪都構想」も今回飛び出してきた<船中八策>も、いづれもわからないところが多い。市長職務とは、国政進出への熱はさて置き、まずは大阪市民の安全と景気に力を注いでほしいという声が次第に高まってきている。(了)
                2012.02.11

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