2012年03月26日

◆東北のクセに納豆知らず

渡部 亮次郎


納豆に含まれるビタミンK2は骨タンパク質の働きや骨形成を促進することから、ビタミンK2を多く含む納豆が、特定保健用食品として許可されている。

また、ポリグルタミン酸にはカルシウムの吸収促進効果があるため、納豆から抽出されたポリグルタミン酸が特定保健用食品として許可されている。

骨粗しょう症にならない為には「納豆を大いに食べよう」と訴える人が出てきて当然だろう。しかし、熊本を除く九州、四国、近畿には、納豆嫌いは少なくない。

そういいながら、納豆発症の地といわれる東北生まれの小生だが、納豆は東京へ出てきて大人になるまで知らなかった。秋田では納豆は味噌同様、各家々で自家製であったが、親父もお袋も作るのが下手。煮豆はいつも納豆にならぬまま、藁つとの中で腐っていた。

昭和31(1956)年に作られた歌謡曲「若いお巡りさん」(作詞井田誠一 作曲利根一郎)の3番に納豆売りが登場する。

3.もしもし 景気はどうだい 納豆やさん
  今朝も一本 もらおうか
  君の元気な 呼び声きけば
  夜勤の疲れも 忘れるぜ
  卒業するまで へばらずやんな
  まもなく夜明けだ 日も昇る

これは勿論都会での話。東京では昭和30年代までは、四季を通じて毎朝、暗いうちから、多分、アルバイト学生だったろう、「ナット なっとうー」と大きな声で路地まで売りにきていた。「東京では納豆は買うものなんだ」と納得した。

しかし、下宿では3年間、納豆は一度も提供されなかった。

長じて食べるようになったが、大阪では3年間納豆を食べる機会が1度もなかった。「大阪では納豆は食べない。代わりにオクラを食べるンや」と教えられた。

家人は東京も下町育ち。納豆は好物らしいが、小生は脳梗塞の前兆が出て医師から抗血液凝固剤たるワーファリンを飲まされるようになって、納豆は禁止されている。

納豆(なっとう)は、大豆を納豆菌によって発酵させた日本の食品。様々な種類が存在するが、現在一般的には糸引き納豆の事を指す。

日本全国の食品売り場で容易に手に入れることができ、現在多くの日本人に食べられている。茨城県・福島県を中心とした関東地方・東北地方では郷土料理としても親しまれている。

製法や菌の改良などで匂いを少なくしたり、含まれる成分の内「ナットウキナーゼ」の健康増進効果がテレビなどのメディアで伝えられるようになり、この40年間を見ても国内各地域での消費量の差(一番少ない近畿中国四国と福島水戸など一番多い地域との差)は大きく縮まっている。

「納豆」「納豆汁」などが冬の季語である事や、「納豆時に医者要らず」という諺があったように、納豆の時期は冬である。

7月10日は「納豆の日」とされている。これは1981年、関西での納豆消費拡大のため、関西納豆工業協同組合がなっ(7)とう(10)の語呂合わせで制定したものであり、1992年、全国納豆工業協同組合連合会が改めて「納豆の日」として制定した。

「納豆」という語句が確認できる最古の書物は、11世紀半ば頃に藤原明衡によって書かれた『新猿楽記』である。同作中に「腐水葱香疾大根舂塩辛納豆」という記述があり、平安時代には納豆という言葉が既に存在していたことが確認できる。

現在の主流の納豆、つまり糸引き納豆についてであるが、「煮豆」と「藁」の菌(弥生時代の住居には藁が敷き詰められていた。また炉がある為に温度と湿度が菌繁殖に適した温度になる)がたまたま作用し、偶然に糸引き納豆が出来たと考えられているが、起源や時代背景については様々な説があり定かではない。

大豆は既に縄文時代に伝来しており、稲作も始まっていたが、納豆の起源がその頃まで遡るのかは不明である。

戦国時代において、武将の蛋白源やスタミナ源ともなっていた。また江戸時代では、京都や江戸において「納豆売り」が毎朝納豆を売り歩いていた。戦時中は軍用食として、戦後は日本人を救う栄養食として食べられ、日本に納豆が普及していった。

血液凝固因子を作るのに不可欠なビタミンKや大豆由来のタンパク質も豊富であり、現在でも重要なタンパク質源となっている。総務省統計局の全国物価統計調査の調査品目にも採用されている。食物繊維は100グラム中に4.9 - 7.6グラムと豊富に含まれる。

食物繊維はオリゴ糖等と共にプレバイオティクスと呼ばれる腸内環境に有用な成分であり、納豆菌はプロバイオティクスと呼ばれ、これも腸内環境に有用と考えられている。O157を抗菌することがわかっている。

抗生物質のない昔は、赤痢、チフスなどの伝染病に対し、納豆が一種の薬として使われていた。病原性大腸菌あるいはサルモネラ菌に対する抗菌作用も立証されている。

納豆には血栓を溶かす酵素が含まれており、納豆から単離したナットウキナーゼを経口投与したイヌで血栓の溶解が観察されたという報告がある。

納豆をかき回して食するのは、納豆のねばりの中にあるグルテンの構造が一定の方向になると美味しく感じるという経験を持つことによる。途中から逆方向に混ぜるとこの構造が壊れて味が損なわれる(江戸東京グルメ歳時記:林順信著)。

納豆菌の一部には、安定した芽胞のまま腸内まで生きて到達してビフィズス菌を増やし腸内環境を正常化する効果があることから、そのような効果を持つ納豆が特定保健用食品として認可されている。

ビタミンK2は抗凝血薬(ワルファリン)の作用を弱めることから、ワルファリンの服用中は、納豆は避けるべきとされる。

伝統的な納豆の作り方は、蒸した大豆を稲の藁苞(わらづと)で包み、40度程度に保温し約1日ほど置いておく。稲藁に付着している納豆菌が大豆に移行し、増殖することによって発酵が起こり、納豆ができあがる。

近年では、大量生産の要求に応えるため、あるいは伝統的な製法を行うにあたり良質の藁を確保すること等が困難なこともあり、純粋培養した納豆菌を用いる製造が主流である。

「納豆発祥の地」碑秋田県横手市の金沢公園に「納豆発祥の地」の碑がある(全国に数多くある納豆発祥伝説地の一つ)。

また、秋田音頭に「桧山納豆」(能代市桧山地区)が秋田名物の一つとして謳われている。

茨城県水戸市 - 明治以降、鉄道(水戸線)の開通に伴い、笹沼清左衛門(天狗納豆が発祥とされる)が土産品として納豆を販売したのをきっかけに、産地としてもっとも知られている。毎年3月10日(水戸の日)に「納豆早食い大会」が開催されている。

特に北関東から南東北にかけて消費量が多い。生産量日本一は茨城県、消費量日本一は福島県である。逆に消費料が少ないのは西日本で、最下位は和歌山県であるが、2004年の調査では西日本でも納豆好きは半数で嫌いは2割という結果であり、納豆消費金額は20年前の4 ― 6倍以上に増加している。

熊本県―九州の中でも例外的に古くから普及している。全国規模の納豆製造会社が2社あり、スーパーマーケットで普通に売られていて、消費量も多い。

「世界の臭い食べ物」にもしばしば選出されており、納豆が持つ臭いとねばねばした食感に対して、欧米人からは「かなり食べにくい」との声が聞かれるが、納豆を好む欧米人も多く、かつ増えつつある。

類似した発酵食品がほとんど無いセルビア出身のドラガン・ストイコビッチのような熱烈な納豆ファンも生んでいる。

日系アメリカ人移民の多いハワイ州やカリフォルニア州には豆腐製造業者があり、納豆も製造販売されている。

以下の地域では、納豆と似た大豆発酵食品が製造されている。

ヒマラヤ麓のネパールおよびインドの西ベンガル州とシッキム州、中国雲南省からベトナムをはじめとする東南アジアにかけた地域に見られる。

タイ・ラオスではトゥア・ナオという食品を作る。

朝鮮半島:チョングッチャン(清麹醤)。

インドネシアなど東南アジア諸国:テンペ。大豆などをテンペ菌で発酵させる醗酵食品。


主な納豆製造業者 末尾の数値は2005年現在の日本国内シェア
(順位:パーセント)

太子食品工業(青森県三戸郡三戸町)

ヤマダフーズ(おはよう納豆、秋田県仙北郡美郷町)6位:4.5%

タカノフーズ(おかめ納豆、茨城県小美玉市)1位:25.6%

オーサト(中粒納豆本家、茨城県取手市)

金砂郷食品(くめ納豆、茨城県常陸太田市)4位:7.0%

菊水食品(茨城県日立市)

天狗納豆(茨城県水戸市)

あづま食品(朝めし太郎納豆、栃木県宇都宮市)
3位:9.1%

こいしや食品(平家納豆、栃木県宇都宮市)

保谷納豆(東京都西東京市)

ミツカン(金のつぶ、愛知県半田市)2位:10.8%

奥野食品(東京納豆、三重県松阪市)

旭松食品(なっとういち、大阪市淀川区)5位:5.3%

マルキン食品(元気納豆、熊本県熊本市)7位:3.8%


丸美屋(お城納豆、熊本県玉名郡和水町)8位:2.6%

しか屋(鹿児島県鹿児島市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
                2012・3・22


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