2006年10月27日

◆自衛隊の速度違反

渡部亮次郎

まだ20代で記者をしていた頃、陸上自衛隊の車両がスピード違反で警察に捕まったのを目撃した。おかしいじゃないか、非常事態のときもキミはこうするのかと問い詰めたら、警官は何も言わないで行ってしまった。かくのごとく自衛隊は法で守られていない。

もともと憲法で守られていない。日本国憲法は日本の物ではない。アメリカが大東亜戦争でやっつけたのを機会に、日本を徹底的に無力化するために自分たちで作文し、我々に押し付けてきた物だ。

昭和20(1945)年8月15日の敗戦の日まで「大きくなって戦場へ行き、お国のために命を捧げろ」と教えていた先生が、翌日から、自らの過去を消すべく、やたら反戦主義をとなえ、労働組合を作って無意味な平和主義を叫び続けている。

お陰で戦後60年、憲法改正を率先、叫び続けた岸 信介は死に、中曽根康弘は政界引退を余儀なくされてしまった。似非自民党員の宮沢喜一を道連れにしてくれた事はせめてもの慰めだったが。

かくて世紀が変わり、岸の孫・安倍晋三がなんかやってくれそうな気がかすかにするが、民主党の腰が定まらないどころか、与党公明党が土壇場でどう出るか、信用ならない。

国防関係国会議員と何回も訪米して国防総省、国務省、軍首脳とシンポジュームなどを開いて、世界情勢、日米安保体制の問題点を討論してきた。だが、どうも引っかかるものがある。それが憲法だ。

米側は、いつの間にか日本を普通の国と考えて論を進めようとそるが、こちとらは、きみたちの押し付けた憲法でがんじがらめにされ、きみたちの要請で持った自衛隊も、本当は「戦力なき軍隊」が実態なのだ。判るかね。

すると「憲法を改正したらいい、アメリカは何回もやっている」と威張る。君たちが結成を奨励した日教組のお陰で日本人の大半が骨を抜かれ、最早、不可能に近いのだ。

しかも仮に改正するとすれば、軍備を持つことを明文化することになる。軍備を持っても最強の武器は持たないと言うわけには行かない、核兵器所有の問題は認めてくれるのかね。米側は沈黙だ。

横須賀でイージス艦を見学したことがある。イージス艦とは、イージスシステムを搭載した艦艇の総称である。正確に言えばイージス艦は「イージスシステム搭載の艦艇」となる。

非常に対空戦闘能力が優れており艦隊防空の要となっている。現在ではミサイル防衛(BMD) においての使用も計画されている。ちなみにイージスとは、ギリシャ神話の中で最高神ゼウスが、娘アテナに与えたというあらゆる邪悪を払う盾(胸当)アイギス(イージス)の名を冠する。

日本においては、海上自衛隊がイージスシステムを搭載した「こんごう型護衛艦」4隻を「ミサイル護衛艦」として運用しており、1護衛隊群に1隻ずつ配備されている。

「こんごう型護衛艦」は、1993年に「こんごう」、1995年に「きりしま」1997年に「みょうこう」、1998年に「ちょうかい」が竣工した。

現在では、ヘリコプター搭載能力とミサイル防衛を考慮した「あたご型護衛艦」2隻が艤装中で、一番艦「あたご」が2007年3月、二番艦「あしがら」は2008年3月の竣工を予定している。

また、現在配備されている「こんごう型護衛艦」1隻をミサイル防衛に対応させる為の予算が2004年(平成16年)度予算で認められた。

誇れる「兵器」はこれぐらい。航空母艦も原子力潜水艦も無い。しかし「専守防衛」政策から、イージス艦も機能を十分に発揮できないのが現状。いわば宝の持ち腐れ状態に閉じ込められている。

また自衛隊は情報収集能力に於いても「普通の国家」には程遠いのが現状だ。スパイを何処にも放っていない。監視衛星も本当のところはアメリカに首根っこを押さえられていて、普通の国家ではない。

先に北朝鮮が地下核実験を行った際の政府の対応のうちでも防衛庁長官の東京不在を批判する声がある。緊張感の不足は非難してしかるべきだが、防衛庁長官は寸時も役所を離れてはいけないと言う論は問題だろう。

問題はそれよりも大きく、根本的なことで日本人は国家としての体制整備を怠ったまま、戦後60年を漫然と過ごしてしまったことを反省すべきである。それをさせなかった社会党や共産党をまず非難すべきだろう。

自衛隊を縛るだけ縛っておいて「大丈夫か」とは国民として矛盾している。(文中敬称略)2006・10・25


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