2012年04月13日

◆鰰寿司で死人出た昔

渡部 亮次郎


<トリカブト中毒か、長男と父死亡=山菜と誤り食べる―北海道

7日午後9時20分ごろ、北海道函館市釜谷町の漁業沢田繁さん(71)方で、夕食に山菜を食べた沢田さんら3人が嘔吐(おうと)などの症状を訴えていると119番があった。

漁業の長男繁信さん(42)が間もなく死亡し、重体だった沢田さんも8日夜に死亡した。建設作業員の次男貴信さん(41)は、命に別条はないという。

道警函館中央署は、別の山菜と誤って猛毒を含むトリカブトを食べたとみて経緯を調べている。

同署によると、繁信さんは7日に山菜を採って帰り、「ニリンソウなので、おひたしにするとうまい」と話し、午後5時半ごろ家族で夕食として食べたという。

一家は5人暮らしで、山菜を食べなかった沢田さんの妻(65)と長女(44)は無事だった。> 時事通信 4月8日(日)22時33分配信

子供の頃、郷里秋田では、田植え時、田圃で昼時に食べた鰰(はたはた)の飯寿司が原因の集団食中毒がおきて県内各地から悲報が伝えられたものだ。農村でも上水道が普及した現在では全く聞かれなくなって幸いである。

ボツリヌスという地上最強の毒がある。以下「ウィキペディア」による。

ボツリヌス毒素の致死量は体重70kgのヒトに対しA型毒素を吸入させた場合、0.7?0.9μgと考えられており、ボツリヌス毒素1gの殺傷力は約100万人とも言われる(ちなみに青酸カリは経口投与の場合5人/g)。自然界に存在する毒素としては最も強力である。

この毒は海のヘドロに棲んでいて、日本海を遊弋しながら成長する鰰の下腹に付着する。それをだいたまま鰰は産卵のため初冬の秋田沿岸二接近する。漁民はそれを掬って捕獲、市販する。

「秋田名物、八森(はちもり)鰰、男鹿で男鹿ブリコ」と唄われる所以である。ブリコとは鰰が排出した卵のこと。噛めばプリプリと音がするところから秋田弁ではブリコになった。

勿論、私は現場をみたことはないが、産卵の海域ではブリコに掛ける雄の精子で水面が白濁するそうだ。

時は12月。農家のひとたちは鰰を大量に買い入れて来年春の田植え時の昼飯かわりにすべく飯寿司を大量に漬け込む。そうやって寝かした飯寿司を田圃で食べたら、間もなくみんながバタバタと倒れた。集団食中毒事件の発生である。

外した雨戸に載せて医者に担ぎこむが、意識は確りしている。

<ボツリヌス毒素は主に四肢の麻痺を引き起こす。重篤な場合は呼吸筋を麻痺させ死に至る。その他、複視・構音障害・排尿障害・発汗障害・喉の渇きがみられる。一方、発熱はほとんどなく、意識もはっきりしたままである>。

私の子供のころはこうした事故というか事件というか、集団で、数人か十数人が死んだというニュースが新聞で報じられた。テrビはまだなかった。

研究によると、鰰の下腹に付着したボツリヌス菌は悪いことに飯寿司のように発酵したところが大好き。大繁殖する。100度の熱で死滅するのだが、それでは飯寿司ではない。

だから綺麗な水でよくよく洗って菌をながしてから漬ければ問題はないのだが、井戸生活の農村では水をじゃぶじゃぶ使わなかったから、ボツリヌスは飯すしの中で大繁殖していたのである。

中毒例

日本では、飯寿司(いずし)、熟寿司(なれずし)、切り込み(きりこみ)などの郷土料理による中毒が北海道・東北地方を中心に報告されている(E型による)。

東北の農村とはいえ、上水道は殆ど100%と普及した為、鰰寿司を漬ける時は念をいれて洗ってから漬け込むようになったので、昔のような例は全く聞かなくなった。

私も時々、秋田県内の専門店からとりよせて焼酎の肴にしている。年中無休で販売されている。

1984年、熊本県で製造された真空パックの辛子蓮根を食べた36人(1都12県)がボツリヌス菌(A型)に感染し、内11名が死亡した。原料のレンコンを加工する際に滅菌処理を怠り、なおかつ真空パックし常温で保管流通させたために、土の中に繁殖する嫌気性のボツリヌス菌がパック内で繁殖したことが判明した。

2006年12月8日厚生労働省は、井戸水の飲用から宮城県の0歳男児に乳児ボツリヌス症が発症したと発表。

同省によれば、飲料水による同症が確認されたのは世界で初めてとのこと。乳児ボツリヌス症は、国内では1986年千葉県での初発例以来約20例(生後1〜9ヶ月)の報告がある。しかし半数以上は、はちみつを食べて発症したケース。

患者宅の井戸水から検出されたボツリヌス菌の汚染源は特定されていない。またどのような飲料水について、乳児ボツリヌス症の発症リスクが高いのかは必ずしも解明されていない。

対象の井戸に亀裂があり、雨天時に水が濁っていたことから、この井戸固有の問題であり、全ての井戸・地下水が問題となっているものではない。

2012年3月24日、鳥取県米子市の60歳代夫婦が岩手県宮古市のハニー食品が製造する「あずきばっとう」を食べてボツリヌス菌に感染した。

ボツリヌス菌による食中毒の発生は5年ぶりで厚生労働省は12年3月26日注意を呼びかける文書を全国の自治体に送った。

ボツリヌス菌(学名:Clostridium botulinum)は、クロストリジウム属の細菌である。グラム陽性の大桿菌および偏性嫌気性菌。土の中に芽胞の形で広く存在する。

菌は毒素の抗原性の違いによりA〜G型に分類され、ヒトに対する中毒はA,B,E,F型で起こる。A、B型は芽胞の形で土壌中に分布し、E型は海底や湖沼に分布する。

ボツリヌスの語源はラテン語のbotulus(腸詰め、ソーセージ)であり、19世紀のヨーロッパでソーセージやハムを食べた人の間に起こる食中毒であったためこの名がついた。

ハムやソーセージに発色剤として添加される硝酸塩は、発色作用よりもボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で使用されている。

1896年、ベルギーの医学者エミール・ヴァン・エルメンゲム (Emile van Ermengem) により発見・命名された。2012・4・8

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