大阪の大川の川面が、数日前から突如、季節はずれの「水レタス禍」に襲われだした。「水レタス禍」は、去年の初夏が最初だった。去年は淀川から毛馬の閘門を経て大阪中心に至る大川の水面を大量の「水レタス」が覆いだしたため、周辺住民はもちろん、川筋の大阪の中心天満橋・淀屋橋のビジネス街・金融街・大阪市役所などの市民の間で大騒ぎとなった。
原因を調べてみると、どうやら不心得者の周辺住民が、毛馬の閘門から1キロほど上流淀川の豊里大橋付近の川辺に捨てた、観賞用の「水レタス」が異常繁殖し、その場から千切れるようにして流れ出したものと判明。騒ぎは、「水レタス」が枯渇して消滅してしまう冬場の昨年の暮れまで続いた。
この間、河川の清掃に当たる大阪市の清掃船も、余りにも多すぎる「水レタス」に収集に手を焼いて事実上回収することができず、大阪港に注ぐ安治川までの川底に沈んでくれるのを待つだけだった。不本意ながら川底に沈んだ同レタスで川が汚濁したことは避けられなかった。
ところがどうだろう。去年の冬場に枯渇した筈の「水レタス」が、今年の冬場の入り口に差し掛かったこの数日前から突如出現したのだから、昨年大騒ぎした市民が、この予期しない復活に狐につままれた気がしたのは当然だ。「水レタス」は、絶滅したのではなかったのか。
「繁殖期の夏場に姿を現すならまだしも、枯渇しだす冬のはしりに、なんで流れ出すんや」と、朝夕河畔を散策する人々は、季節はずれの大量浮遊の「水レタス」に首を傾げるばかり。大川から毛馬の閘門を経て淀川へ作業に赴く砂利運搬船の船長に問いかけたら、「季節はずれなのに、去年同様豊里大橋付近の川辺でまた復活したみたいですわ。お化けみたいですなぁ」と答える。
専門家に問い合わせてみたらやはりはっきりした答えが返って来ない。となれば、地球温暖化に伴う異常繁殖現象なのだろうか。(了)