2012年04月26日

◆川柳で3大奇人を読み解けば

杉浦 正章

 

新聞の川柳は何と言っても政界の奇人、変人を詠んだものが1番面白い。朝日川柳と読売川柳への“出場”回数の多い人物を3人挙げるなら、民主党元代表・小沢一郎、東京都知事・石原慎太郎、大阪市長・橋下徹だ。いずれも甲乙つけがたい。<いつまでも残って消えぬ鳩の糞(ふん)>と一世を風靡(ふうび)した“超奇人”鳩山由紀夫は、もう飽きられつつある。
 

このところの1番のテーマが今日出される東京地裁の小沢判決。なにしろ、政党史上始まって以来と言ってもいいほど結果が政局を左右する。元首相・安倍晋三が「判決は無罪でも有罪でも政局の発火点」と述べているが、まさに<天下分け目の4・26>と詠まれるゆえんだ。


もうご本人は無罪判決と信じ込んでいるとみえて、怪気炎を上げている。周りの反応もみんなの党幹事長・江田憲司のように「小沢氏は終わった政治家」とまっとうなものばかりではない。卑しげにすり寄ってゴマを擦る者も現れる。愛知県知事の大村秀章が25日、「固唾をのんで見守っている。法と証拠に基づいて裁判が行われるのだから、方向は無罪で決まっているのではないか。

あす以降大いに日本の政治を引っ張ってほしい」と持ち上げた。知事の発言は県民を代表するものだが、そうか、愛知県民は「小沢礼賛論」一色なのか。
 

こういう“よいしょマン”がいるから本人は、張り切ってしまう。代表選にまで出馬すると言いだした。「それが天命だとすれば、私はどんな役割でもするつもりだ」「一兵卒としえ最後のご奉公をしたい」と当たるベからざる勢いだ。だから<無罪ならさぞあの人はうるさかろ>となるわけだ。<スグカエル一兵卒が戦地から> という傑作も生まれる。


一般国民は何かとしゃしゃり出る小沢に正直うんざりといったところだろう。<小沢氏のいない政治を見てみたい>と茶の間の溜息が聞こえる。<ゾウゼイイヤダ オザワモイヤダ>と政界への電報みたいな川柳もでてきた。今1番みたい政治家の顔を世論調査したら「有罪のときの小沢の顔」がトップになることは確実。
 

一方で川柳に出る自治体トップは、石原と橋下。< 東西で変人奇人策競う>というわけだ。なんでこんなトップを選んでしまったかを“衆愚”が分かるのはまだ先の話だが、確かに<選んだのは徒民浮民の私です>だからしょうがない。


「奇人変人大王」は何といっても石原の方だ。賞味期限切れの老人たちに担がれて「石原新党」に乗ったはいいが、ダメと分かると「ボクは迷惑」と急変。<新党も気分次第で白紙なり>と看破されることになる。


しかし何か話題を出さないと人気が落ちると考えてか、今度は「尖閣諸島を買う」ときたもんだ。とにかく若いときから石原の尖閣への“妄執”は度が過ぎており、さすがの政界もつまはじき。ようやく都知事に居場所を見つけたが、年を取ると幼児帰りが激しくなると見えて<ガンコ爺(じい)また繰り言をむし返す>と詠まれる。


総じて都の買収が実現出来ると思っている川柳人はいないとみえて<島包む大風呂敷を出す都知事><都知事から貰う物議という土産>と迷惑顔だ。都の職員も黙っていると<尖閣に転勤もある都職員>という目にあってしまうゾ。国が買ったら、石原御大を“尖閣鎮台”に据え、お先棒を担ぐ副知事・猪瀬直樹あたりを“副鎮台”にしたらいい。石原も尖閣を終焉(えん)の地にできてさぞ本望だろう。猪瀬も近ごろ愚にもつかない反原発論で先鋒に立っていてうるさいから“島流し”がちょうどいい。
 


「理想の上司で1位」だから橋下にも恐れ入る。<好きな曲君が代ですとわが上司>と極右になったり、反原発で極左と同じことを言ったり。確かに「支離滅裂」だ。この男一体何考えているのかと考えてしまうのだ。


「国政選挙で国の政治をろう断する野望家」とみれば、納得できる。自民党にすり寄るところなどは維新というより、徳川幕藩体制派なのか。だから<龍馬より新撰組が似合いそう>という鋭い“詠み”が入る。組合の体たらくも大阪勤務でよく知っているから、<職員を叩(たた)きゃ喝采浴びる街>という市民の感情も分からなくもない。


しかしやり方がミニ・ヒトラーでは、今時はやらない。<市庁舎に最初に造る晒(さら)し台>という川柳を読むと、市庁舎がアウシュビッツに見えてきた。人権も蹂躙され気味だ。<メールまで覗(のぞ)いて明日(あした)見えますか>は小気味よく橋下政治を形容している。



それにつけても既成政党のだらしのなさは格別だ。自公が大阪都構想にすり寄れば、民主は反原発に戻りたがる。だから<ボロクソに言われすり寄る永田町>ということになってしまうのだ。

<今朝のニュース解説から抜粋>   (政治評論家)



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