2012年04月28日

◆尖閣は1895年から日本領土

渡部 亮次郎


「ウィキペディア」によれば、尖閣諸島が日本領に編入されたのは日清戦争中の1895年1月14日である。尖閣諸島は現在、沖縄県石垣市に属している。

私は1968年秋、当時はまだ沖縄県と呼ばれず「琉球」とよばれていた時代、アメリカの施政権下で主席(知事相当)が初めて住民の公選で選ばれるというので、NHK特派員として派遣され多方面の取材に当った。

朝日新聞から派遣されていたのは筑紫哲也氏だった。かつて岩手県政をともに担当していて顔見知りだった。しかし、私は米軍に尾行されながら選挙の取材に忙しく、尖閣諸島のことなど関心外だった。

日本政府は尖閣諸島の領有状況を1885年から1895年まで調査し、世界情勢を考慮したうえで隣国の清国など、いずれの国にも属していないことを慎重に確認したうえで閣議で決定し沖縄県に編入した。

その後日本人が入植し、アホウドリの羽毛の採取や海鳥の剥製の製作そして鰹節の製造などが行われた。特に鰹節の製造は島の基幹産業となり、最盛期、同島には99戸、248人もの日本人が暮らしていた。

ところが、南洋諸島からの安価な製品が出回るようになると経営が苦しくなり、鰹節工場は閉鎖され1940(昭和15)年に無人島となった。無人島になってからも日本の実効支配は継続していた。

中国側は、明の時代、琉球への冊封使の報告書である古文書に釣魚台を目印に航行したとの記述があることや、江戸時代の日本の学者が書いた書物にある地図の彩色などを主張の根拠に挙げているほか、密やかに「領有」を実現し国際社会に宣言しなかった等の歴史的な経緯から見ると、日本のいわゆる「領有」は国際法上の意味を持たないと主張している。

人民日報の沖縄に関する記事。冒頭で尖閣諸島は琉球群島に含まれるとの主旨が記述されている(1953年1月8日付け) 。

台湾の中華郵政が発行した中華民国政府金門、馬祖を守る。金門島と馬祖列島について記述はあるが、尖閣諸島と南海諸島については記述されていない(1959年9月3日づけ)。」

第2次世界大戦後は一時連合国(実質的にはアメリカ合衆国)の管理下に置かれた。連合国の一員であった中華民国は1945年10月25日に、台湾総督府が統治していた台湾と澎湖諸島を接収し、日本もサンフランシスコ平和条約で最終的に放棄した。

台湾は1945年以降に中華民国台湾省となったが、尖閣諸島は含まれていなかった。

尖閣諸島を行政的に管轄していた八重山支庁が米軍占領で機能不全に陥り八重山自治会による自治が行われていたが、12月になって11月26日に告示された「米国海軍軍政府布告第1-A号」によってアメリカ軍による軍政下に入り、その後琉球列島米国民政府および琉球政府が管轄する地域に編入された。

またアメリカ空軍が設定していた防空識別圏も尖閣諸島上空に設定されていた。この時期の中華人民共和国および中華民国で編纂された地図では尖閣諸島を日本領として明記している)。

日本は1952年に台湾に逃れた蒋介石中国国民党政権との間で、その支配下にある台湾を適用範囲とする日華平和条約(1972年失効)を締結しており、2条で台湾における日本の領土権の放棄を規定している。

ここでは「日本国は、1951年9月8日にアメリカ合衆国のサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第2条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したことが承認される」としているものの尖閣諸島は台湾に属するとは解釈されていなかった。

また、1953年1月8日付けの中国共産党中央委員会の機関紙人民日報は「琉球群島人民による反米闘争」と題する記事で、琉球群島(当時の米軍占領地域)の範囲を記事冒頭で「琉球群島は我国(中国)の台湾東北(北東)と日本の九州島西南の海上に位置する。そこには尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、トカラ諸島、大隈諸島など7つの島嶼から
なっており(後略)」と紹介しており、琉球群島に尖閣諸島が含まれていると紹介している。

尖閣諸島近海は好漁場であるため、台湾漁民による不法操業が行われており日本側漁民との摩擦が生じていた。1955年には第三清徳丸襲撃事件が起き、中華民国国旗を掲げた海賊船による襲撃で死者行方不明者6名を出す事件が発生している。

1960年代に入っても尖閣諸島に大量の台湾人漁民が「不法入域」し、島に生息する海鳥とその卵を乱獲したほか、付近海域で密漁する事態は続発していた。

日本の気象庁離島課は絶滅危惧種のアホウドリが尖閣諸島に生息している可能性があるとして、関係部署に依頼し琉球大学の高良鉄夫教授らを1963年春に調査団として派遣した。この調査団は100万羽以上の海鳥が生息する事を確認したが、アホウドリではなく不法に居座っている台湾漁船を発見した。

この漁船は夜の漁のために停泊していたが、その合間に海鳥や卵を収奪していた。そのため調査団は不法行為だと注意したが無視されたという。

そのため高良教授は「このまま放置しておいたら現在生息している海鳥も衰亡の一途をたどる。何か保護する方法を考えなければいけない」と語った[5]が、実行力のある対処は行われなかった。

これは尖閣諸島を管轄する琉球政府には外交交渉権がなく、また本来主権を持つ日本政府も当時の沖縄の施政権は返還されていなかったため、当時国家承認していた中華民国(台湾)に対して尖閣諸島における台湾漁民の傍若無人ぶりを抗議できなかったという。

そのうえ琉球政府の上部にある琉球米民政府およびアメリカ合衆国政府は、在台北のアメリカ大使館を通じて「抗議」したものの、台湾当局が積極的な取締りをしなくても、台湾の蒋介石政権との「米華関係」を重視したため不問にしたとみられている。

1968年に行われた調査では台湾漁民による資源の収奪による激減ぶりが明らかになった。5年前の調査と比較して南小島のカツオドリが20万羽から1万羽、北小島のセグロアジサシは50万羽から10万羽に激減していた。

これは島から漁民が台湾に海鳥の卵を菓子の原料として大量に運び去ったうえに、無人島ゆえに人間を警戒しない海鳥を捕獲していたためであった。

調査団は台湾人に食べられた大量の海鳥の屍骸や漁船だけでなく、南小島において台湾人60人が難破船を不法占拠しているのも確認している。

アメリカ政府の無策もあり、このような台湾人による領土不法占拠の既成事実が積み重なることで、当時から地元西南群島の住民から第二の竹島になる危惧を指摘する声もあった。

だが、この当時は日本国内では尖閣諸島における台湾人の不法入域は殆ど重要視されることはなかった。

その後も台湾漁民による不法入域は続き、朝日新聞1969年7月11日付け夕刊には「沖縄の島に招かざる客」との題で、北小島に不法停泊している台湾漁船と漁の合間に海鳥の卵を取っている漁民の写真が掲載されている。

この記事を執筆した筑紫哲也は、「(沖縄への)日本人の出入域にはきわめてきびしい統治者の米国もこの"お客様"には寛大」と揶揄するともに、「地元の声」として台湾との間で第二の竹島になる可能性があることを警告していた。

当時の琉球政府も、尖閣諸島が石垣市に属することを前提に警察本部の救難艇による警備を実施し、接近した台湾漁船に退去を命令する等の活動を実施していた。1970年7月には領域表示板の建立を行っている。

1968年の海底調査の結果、東シナ海の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性があることが指摘され、1971年に中国、台湾が領有権を主張しはじめた。

1969年および1970年に国連が行った海洋調査では、推定1,095億バレルという、イラクの埋蔵量に匹敵する大量の石油埋蔵量の可能性が報告され
た。

結果、周辺海域に豊富な天然資源があることがほぼ確実であると判明すると、ただちに台湾がアメリカ合衆国のガルフ社に周辺海域の石油採掘権を与えた。

1970年9月2日には、台湾の水産試験所の船が魚釣島に上陸、台湾の国旗である青天白日旗を掲揚した。この際周辺海域で操業中の台湾漁船からは拍手と万歳の声が挙がったという。

台湾当局はこの時の「青天白日旗」を掲揚した写真を撮らせ世界中の通信社に配信したため、日本政府が抗議した。なおこの「青天白日旗」はその後間もない9月中旬に琉球政府によって撤去され、米国民政府に保管されている。

1971年2月にはアメリカ合衆国在住の中国人留学生らによる尖閣諸島は中国固有の領土だと主張する反日デモが発生し、6月に台湾、12月に中国が相次いで領有権を主張した。

1972年(昭和47年)5月15日に沖縄は日本へ返還されており、沖縄返還の直前に主張し始めた。その根拠は、尖閣諸島が中国側の大陸棚に接続しているとの主張にくわえ、古文書に尖閣諸島を目印として航海に役立てていたという記述が見られることで、最も古くから同諸島の存在を認識していたという解釈による。中国人が先に発見したから領有権を主張できるというものである。

ただし、1970年以前に用いていた地図や公文書などによれば両国とも日本領であると認識していたようで、米国の施政時代にも米国統治へ抗議したことはない。

このため、日本国内では中国と台湾が尖閣諸島の領有権を主張し始めた動機として 海底油田が欲しいだけだ。そのため、国際判例上、以前に黙認によって許容した関係に反する主張は、後になって許されないとする禁反言が成立するはずだ。

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