2006年11月04日

◆和歌山談合 ホンマの正念場

                  城北幹朗

和歌山官製談合事件で木村良樹知事が、「辞職」に追い込まれたが、その気にさせたホンとの理由とは何だったのか。側近の元県出納長水谷聡明被告と親友の元ゴルフ場代表井山義一被告らが逮捕起訴された時点でも、終始談合との関わりを否定し続け、「這いつくばってもやる」と続投に固執した木村知事だった。

その知事が、翌2日夕突如記者会見で「辞職」を表明、県議会議長に辞表を提出してそそくさと公舎に引き籠った。知事は自らの意思に反する辞職であったことには間違いは無い。県選出の国会議員や県議会与党の主だった議員に電話を掛け捲り、退職金を返上、給与を大幅削減する決意を述べての″命乞い“までしていたからだ。

しかし県議会各会派が、6日に知事不信任案を出すことを決めたという情報が知事に寄せられた。確かにこれは窮地に追い込まれる一大事件であることには違いなかった。だが再度議会に対し翻意を促す時間は残されていた筈なのに、その努力は全くしていない。ということは、それ以外の理由で辞職決意をしたのではないか。

自治体の公共工事をめぐる事件は、初めの内は自治体のトップが受注業者の指名に「天の声」を発し、その見返りに業者からワイロを受け取る構図だったものが、93年のゼネコン汚職事件摘発以来、自治体のトップが手を汚さないようにする新手が編み出され、側近や親族がこの「代役」となって資金を集めるという仕掛けの構図が出現した。

実はこの構図そのものが、同時進行中の福島県の佐藤栄佐久前知事(67)の公共工事事件と同じであり、和歌山談合事件も県側近と親友の談合フィクサーが絡んでいることに注目すれば、2つは正に類似事件といえる。

となれば親友の談合フィクサーに、準大手ゼネコン・ハザマから受注謝礼として渡った5,000万円と別の準大手ゼネコンからといわれる1億1,700万円の使途は、どこに流れたのか。当人が誰かに替わる「代役」だったとしたら、本当の「主役」に、どういうルートで渡ったかということになる。

また地元建設業者によると、出納長に受注謝礼金を渡すのは、以前から日常茶飯事だったと証言している。ではこの「代役」である出納長も、受け取った金をどこに迂回させたかということになる。

正に焦点はここに絞られてくる。関係者の話によると、大阪地検特捜部は、大阪国税局の応援を求め、再逮捕した元県出納長水谷聡明被告と井本義一被告を追及し、この金に纏わる「知事関与」に迫る方針だという。

木村知事は、絞られてきた「知事関与」の捜査方針についてのこの情報を2日に入手し、結局これが知事辞職の決意につながる主因になったようだと、関係者は明かす。

きっと福島県の二の舞になることを恐れ、今辞めることで身の潔白を証明するメッセージを捜査当局に発したかったのではないかというのだ。知事の辞職を条件に事件捜査に蓋をするという事例は、過去に無かった訳じゃないからだ。

木村知事は、恐らく知事としての最後となる会見で、「人は何でもいうだろうが、(談合事件との)関わりは全く無い」と重ねて言っており、工事も受注業者名も知らないと言い切っている。

とにかく和歌山官製談合は、再逮捕された前出納長知とゴルフ場元代表の「知事関与」の供述などを巡る捜査が大詰めを迎える。或いは捜査が既に終わったということかも知れない。06・11・03

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