2012年06月29日

◆ロマンに満ちた鰻の生態

渡部 亮次郎


ウナギは淡水魚として知られているが、海で産卵・孵化を行い、淡水にさかのぼってくる「降河回遊(こうかかいゆう)」という生活形態をとる。

従来、ウナギの産卵場所はフィリピン海溝付近の海域とされたが、外洋域の深海ということもあり長年にわたる謎であった。

少年の頃、作家火野葦平がそれをテーマにした小説を毎日新聞に連載し、熱心に読みふけったものだった。しかし、今となっては題名すら思い出せない。ネットで捜したが分からなかった。

火野は53歳で急死したが、のちに服毒自殺と公表された。

鰻の話である。

2006年2月、東京大学海洋研究所の教授・塚本勝巳をはじめとする研究チームが、ニホンウナギの産卵場所がグアム島やマリアナ諸島の西側沖のマリアナ海嶺のスルガ海山付近であることを、ほぼ突き止めた。


これは孵化後2日目の仔魚を多数採集することに成功し、その遺伝子を調べニホンウナギであることが確認された。。冬に産卵するという従来の説は誤りとされ、現在は6-7月の新月の日に一斉に産卵するという説が有力である。

2008年6月および8月には、水産庁と水産総合研究センターによる調査チームが、同じくマリアナ諸島沖の水深200-350 mの範囲で、成熟したニホンウナギおよびオオウナギの捕獲に世界で初めて成功した。

雄には成熟した精巣が、雌には産卵後と推定される収縮した卵巣が認められた。また、水深100-150 mの範囲で、孵化後2-3日経過したと思われる仔魚(プレレプトケファルス)26匹も採集された。

さらに、プレレプトケファルスが生息する層の水温が、摂氏26.5-28度であることを初めて確認した。この結果から、比較的浅いスルガ海山の山頂付近ではなく、もう少し深い中層を遊泳しながら産卵をしているという推定を得ることができた[。

この推定を基に、塚本らの研究チームが周辺海域をさらに調査したところ、2009年5月22日未明、マリアナ海嶺の南端近くの水深約160メートル、水温が摂氏約26度の海域で、直径約1.6 mmの受精卵とみられるものを発見。

遺伝子解析の結果、天然卵31個を確認した。天然卵の採集は世界初である。同時に、卵は水深約200 mで産まれ、約30時間かけてこの深さまで上がりながら孵化することも判明した。

さらに同チームでは、2011年6月29日学術研究船白鳳丸に搭載したプランクトンネットを用いて、産卵直後から2日程度経過した147個の受精卵の採取に成功した。

新月の2-4日程度前の日没から23時の間、水深150-180 mで産卵されたと推定される。卵から2-3日で孵化した仔魚はレプトケファルス(葉形幼生、Leptocephalu s)と呼ばれ、成魚とは異なり柳の葉のような形をしてい
る。

この体型はまだ遊泳力のない仔魚が、海流に乗って移動するための浮遊適応であると考えられている。レプトケファルスは成長して稚魚になる段階で変態を行い、扁平な体から円筒形の体へと形を変え「シラスウナギ」となる。

シラスウナギは体型こそ成魚に近くなっているが体はほぼ透明で、全長もまだ5 cmほどしかない。シラスウナギは黒潮に乗って生息域の東南アジア沿岸にたどり着き、川をさかのぼる。

流れの激しいところは川岸に上陸し、水際を這ってさかのぼる。川で小動物を捕食して成長し、5年から十数年ほどかけて成熟する。その後ウナギは川を下り、産卵場へと向かうが、その経路に関してはまだよく分かっていない。

海に注ぐ河口付近に棲息するものは、淡水・汽水・海水に常時適応できるため、自由に行き来して生活するが、琵琶湖や猪苗代湖等の大型湖沼では、産卵期に降海するまで棲息湖沼と周辺の河川の淡水域のみで生活することが多い。

また、近年の琵琶湖等、いくつかの湖沼では外洋へ注ぐ河川に堰が造られたり、大規模な河川改修によって外洋とを往来できなくなり、湖内のウナギが激減したため、稚魚の放流が行われている。(「ウィキペディア」)
                     
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