2006年11月11日

◆ヒラリー・クリントン

渡部亮次郎
予て次期米大統領候補の呼び声の高いヒラリー・クリントン氏が今回の上院議員選挙で、ニューヨーク州から軽々と再選されたが、政治資金を選挙区以外にも多額を投入し、大統領選出馬への意欲を見せた。2年後に向けて如何なる展開を見せるのか。

ヒラリー・ダイアン・ローダム(Hillary Diane Rodham)・・・1947(昭
和22)年、イリノイ州シカゴに衣料品店を営む両親のもとに生まれた。日本で言えば団塊の世代だ。一家はメソジスト宗派であり、彼女はイリノイ州パークリッジで成長する。

父親のヒュー・ローダムは保守主義者であり、繊維業界の大物であった。母親のドロシーは専業主婦であり、ヒラリーには2人の兄弟、ヒューとトニーがいる。

彼女は幼少時からスポーツに興味を持ち、テニスやスケート、バレーなどを楽しんだ。メイン西高校を卒業後1965年にマサチューセッツ州の名門校であるウェルズリー大学に入学。

同校を優秀な成績で卒業し、1969年にイェール大学ロースクールに進んだ。ロースクール時代に知り合ったビル・クリントンと結婚。夫婦揃って弁護士として活躍した。(ウイキベデイア参照)

アーカンソー州知事だったビル・クリントンが大統領になって、ヒラリー・クリントンは米国のファーストレディーとして一躍、脚光を浴びた。

ビルは大統領を任期満了で6年前に退任したがヒラリーはその2年後、上院議員選にニューヨーク州から立候補して当選、政界入りを果たした。その時からアメリカ初の女性大統領との呼び声が高まった。

かくて今回の再選となったわけだが、もし大統領に当選すれば上院議員の任期途中ということになるため、今回は「話題にしてくれるのはありがたいが、まだ決めていない」と明言を避けた。当然であろう。

しかし産経新聞ニューヨークの長戸雅子記者がNYタイムズの報道として伝えたところによれば(9日)、ヒラリー氏が今回の選挙につぎ込んだ選挙資金は約2950万ドルの多額に上った。

この金額は接戦だった各選挙区候補の2倍以上で、しかも支払先がネバダやコロラド州に及んでいるところから、将来の大統領選での全米向けキャンペーンを視野に入れているとの見方を裏付けていると言う。

彼女の資金問題については『週刊文春』11月16号が国際ジャーナリストの話として報ずるところによれば、10月26日にNY郊外で開いた59歳の誕生日パーティーで約2億円を集めたと言う。

夫のビルも10月27日から3日間に亘ってNYで開いた還暦パーティーで目標とした2億ドル(240億円)を軽く突破する資金を集めたと言う。この方はクリントン財団の運営資金となるそうだが、ヒラリーにとって夫は頼りになる後ろ盾と言うところだろう。

特に来年中に必要とされる選挙資金5000万ドルはおろか、1億ドルは集められると見られ、資金の心配は全くない。だが。

民主党内ではケニア人の父とアメリカ人を母とするイリノイ州選出の上院議員バラク・オバマ氏(45)がライバルとして急浮上している。

読売新聞ワシントンの五十嵐文記者によれば「ジョン・F・ケネディー大統領のようなカリスマ性」と中道、超党派の姿勢が評価され、最近出した著書はNYタイムズのノンフィクション部門1位のベストセラーだという。

また11月7日の民間世論調査ではヒラリー氏31%に対し19%で2位に浮上した。

こうした状況の中、ヒラリー氏は大統領夫人時代のリベラルすぎる印象が祟っており、今度の中間選挙では、テネシー州など保守的な地域では応援演説に行けなかった。また大統領選の際カギとなるオハイオ州などにも入れなかった。

これに共和党はどう出るか。先輩の古澤襄さん(元共同通信社常務理事)は先ごろ、御自分のブログ『杜父魚文庫ブログ』(10月25日)で予想している。 http://blog.kajika.net/

「ヒラリー・クリントンに対抗できる共和党の大統領候補は誰か? 2年後の予測は難しいが私はコンドリーザ・ライスしかいないような気がする。これも米政治史上、初の女性対決になるのだが、コンドリーザ・ライスが右派だけでなく黒人層やヒスパニック層などの支持を集めれば、共和党にも勝機が十分にある。

そのためにはブッシュ政権がイラク政策を大胆に転換する必要があるのだが、2年後までもたくつことがあれば、コンドリーザ・ライスでも勝てない。

北朝鮮の核実験をめぐって世界を駈けめぐったライス国務長官を見ながらブッシュ政権はライス国務長官の露出度を高める戦略をとるとみた」。2006.11.11
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