毛馬一三
「腰椎変性すべり症」と診断されて1年余。以来ペインクリニックでブロック注射(硬膜外注射)による緩和ケヤに頼ってきたが、遂に50メートルほど歩いただけで両足がしびれ座り込む始末、地下鉄に乗ってもひと駅間も立っていられなくなった。手術の怖さに怯えて手術を日延べするなど、そんな悠長なことは言っていられない状況に追い込まれた。
11月9日、大阪厚生年金病院で手術をした。細野・海渡両医師による3時間に及ぶ手術だったが、無事成功。脊椎の間にセラミックをかませて神経を保護し、椎間板を削ったりする大手術だったが、手術直後の夜ほとんど痛みを感じなかったのは驚きだった。
難をいえば、腰部手術のため自在に寝返りを打てず、72時間は天井と睨めっこ状態。食事もベッドで横向きのまま、フォークを使って摂る不自由さ。注射嫌いにとり、度々の化膿止めの点滴と採血は苦痛そのものだった。
細野医師の診断の結果、手術の傷あとは極めて順調ということで3日目に、傷口と尿道からのチューブが取り外され、待望の歩行が許可された。あらかじめ用意していたコルセットを腰部に着装し、歩行用介護機を使って早速トイレに行ってみた。自分のことながら足取りがしっかりしていたので、ついでに入院病棟内廊下をゆっくり歩き回った。腰は痛みもしびれも無く、背筋がシャンと伸びているのが自覚できる。
「こんなことなら1年前に手術しておけばよかった」が、偽らざる感想だった。しかしその思いも束の間、ベッドの中で傷口の上に被せた厚みのあるガーゼをコルセットの芯が圧迫して、急激に傷口が痛み出し眠れない夜が続いた。鎮痛の座薬を多用した。
細野主治医に相談したら、「日薬」で序々に治まりますよとの答えで気が楽になった。寝方に工夫を凝らしてみたら痛みも和らぎだした。4日目からリハビリが始まった。片膝を曲げて伸ばした下肢を45度位に15回ほど交互に上げ下げする。寝たまま腰を両手で支えながら15回持ち上げる運動。数日後に始めた緩急を擬した小型階段の昇り降りも、手摺りを使わず出来るようになってきた。リハビリも順調だ。
2週間経ち退院。コルセットを常時装着し、無理な運動は禁止。長く前屈みになったり、腰を捻る動作は避けることなどなど。細野主治医から念を押された注意事項を思い出しつつ、背筋を伸ばしながら勇躍我が家へ戻ってきた。孫ら家族の笑顔に迎えられ、2頭の愛犬が飛びついて剥き出しの歓迎振りに感激。庭の植木が殊更に生き生きと見え、外気がメチャ旨い。
入院中、様々なことが起き手切歯扼腕した。和歌山談合事件で現職の木村良樹知事が逮捕され、類は宮崎県にも及ぶ気配をみせている。こんな動きに全く対応出来ず、この間日本一メルマガ「頂門の一針」の主宰・渡部亮次郎氏をはじめ、大勢の関係者、読者の方々に大変ご迷惑をお掛けした。心からお詫びとお礼を申し上げたい。
病院と自宅でリハビリを続け、完治までは3ヶ月を要するという。当面椅子に座って接客したり、パソコンに取り組むことは難渋するだろう。でも今の実感そのままに3ヶ月ほどで腰痛が治るんだったら、手術は大成功だった訳だ。
今回に手術で実感したことは、医学の技術は飛躍的に進歩しているということだった。10数年前だったら、こんな重症患者が手術で完璧に社会復帰することはなかったであろう。せいぜい杖をついて痛みを我慢しながら歩行するのが関の山だった。
ここで以下に「立ち話などでも両脚がしびれます」というタイトルで 冨士武史氏(整形外科医)の話を掲載したい。同じような症状のある方はどうかご精読ねがいたい。
<立ち話などでも両脚がしびれるという症状は、
腰椎の部分で足(下肢)につながっている神経が圧迫されていることが考えられます。このような症状を出しやすい病気としては、「腰部脊柱管狭窄症」や「腰椎変性すべり症」などが多い病気です。これらの病気は年齢を重ねることで出現し、進行していくことが多いのです。これらの病気は「悪性」の病気ではありませんが、ほかの病気でも神経が圧迫されれば似たような症状が出ますので、一度診断をきっちりつけておく必要があります。
正確な診断をつけるためには、
@脊椎外科を扱っている整形外科に受診し、
A症状をはっきりと説明する。(この病気に関しては、診察でわかることより患者が話をされる症状のほうが大事な場合があります)、
Bその上でレントゲンやMRIなどの検査を行う、ことになります。
手術以外の治療としては、血液の流れを良くする薬や硬膜外注射などが行われますが、基本的にはこれらは症状を治療したときに少し和らげることができますが、治ることにはなかなか結びつきません。
手術は、神経を押さえている骨や椎間板を削ったり、これ以上骨が滑っていかないように固めたりという手術になります。
いつ手術をするかということについては、患者がこの病気の症状で「どのくらい困っているか」ということで決まります。例えば20分間歩いたら足がしびれて座り込むという症状があっても、「これだけ歩けたら私は困らない」という人もおられるでしょうし、「駅や飛行場の乗換えで困るので旅行にいけない」という人もおられるでしょう。同じ症状の患者でも、患者が「手術をしてでも元気に歩こう」と思われましたら手術になりますし、「手術は絶対にしたくない」と考えれば、命にかかわる病気ではありませんので手術をする必要はありません。
いずれにしても、納得のいく説明をしてくれる整形外科に受診して相談するのがよいと思います。
手術を行っているような病院に受診する前に、お近くの整形外科診療所を受診されて、まず相談する。
この上で、手術的な治療も考えるようであれば、近くの整形外科の先生から手術を行っている病院へ紹介してもらうのがスムースな方法と思います。
最近は多くの病院で、「開業医からの紹介状を持っていて、同医師から予約のある患者」の受診にはいろいろと便宜を図っていることが多いので、「飛び込み」で病院を受診されてもスムースに診療が運ばないことがあります。と言う訳でぜひ、お近くの整形外科医に相談してください。
( 大阪厚生年金病院 整形外科部長 )>
注射嫌いにとり、度々の化膿止めの点滴と採血は苦痛そのものだった。
細野医師の診断の結果、手術の傷あとは極めて順調ということで3日目に、傷口と尿道からのチューブが取り外され、待望の歩行が許可された。あらかじめ用意していたコルセットを腰部に着装し、歩行用介護機を使って早速トイレに行ってみた。自分のことながら足取りがしっかりしていたので、ついでに入院病棟内廊下をゆっくり歩き回った。腰は痛みもしびれも無く、背筋がシャンと伸びているのが自覚できる。
「こんなことなら1年前に手術しておけばよかった」が、偽らざる感想だった。しかしその思いも束の間、ベッドの中で傷口の上に被せた厚みのあるガーゼをコルセットの芯が圧迫して、急激に傷口が痛み出し眠れない夜が続いた。鎮痛の座薬を多用した。
細野主治医に相談したら、「日薬」で序々に治まりますよとの答えで気が楽になった。寝方に工夫を凝らしてみたら痛みも和らぎだした。4日目からリハビリが始まった。片膝を曲げて伸ばした下肢を45度位に15回ほど交互に上げ下げする。寝たまま腰を両手で支えながら15回持ち上げる運動。数日後に始めた緩急を擬した小型階段の昇り降りも、手摺りを使わず出来るようになってきた。リハビリも順調だ。
2週間経ち退院。コルセットを常時装着し、無理な運動は禁止。長く前屈みになったり、腰を捻る動作は避けることなどなど。細野主治医から念を押された注意事項を思い出しつつ、背筋を伸ばしながら勇躍我が家へ戻ってきた。孫ら家族の笑顔に迎えられ、2頭の愛犬が飛びついて剥き出しの歓迎振りに感激。庭の植木が殊更に生き生きと見え、外気がメチャ旨い。
入院中、様々なことが起き手切歯扼腕した。和歌山談合事件で現職の木村良樹知事が逮捕され、類は宮崎県にも及ぶ気配をみせている。こんな動きに全く対応出来ず、この間日本一メルマガ「頂門の一針」の主宰・渡部亮次郎氏をはじめ、大勢の関係者、読者の方々に大変ご迷惑をお掛けした。心からお詫びとお礼を申し上げたい。
病院と自宅でリハビリを続け、完治までは3ヶ月を要するという。当面椅子に座って接客したり、パソコンに取り組むことは難渋するだろう。でも今の実感そのままに3ヶ月ほどで腰痛が治るんだったら、手術は大成功だった訳だ。
今回に手術で実感したことは、医学の技術は飛躍的に進歩しているということだった。10数年前だったら、こんな重症患者が手術で完璧に社会復帰することはなかったであろう。せいぜい杖をついて痛みを我慢しながら歩行するのが関の山だった。
ここで以下に「立ち話などでも両脚がしびれます」というタイトルで 冨士武史氏(整形外科医)の話を掲載したい。同じような症状のある方はどうかご精読ねがいたい。
<立ち話などでも両脚がしびれるという症状は、
腰椎の部分で足(下肢)につながっている神経が圧迫されていることが考えられます。このような症状を出しやすい病気としては、「腰部脊柱管狭窄症」や「腰椎変性すべり症」などが多い病気です。これらの病気は年齢を重ねることで出現し、進行していくことが多いのです。これらの病気は「悪性」の病気ではありませんが、ほかの病気でも神経が圧迫されれば似たような症状が出ますので、一度診断をきっちりつけておく必要があります。
正確な診断をつけるためには、
@脊椎外科を扱っている整形外科に受診し、
A症状をはっきりと説明する。(この病気に関しては、診察でわかることより患者が話をされる症状のほうが大事な場合があります)、
Bその上でレントゲンやMRIなどの検査を行う、ことになります。
手術以外の治療としては、血液の流れを良くする薬や硬膜外注射などが行われますが、基本的にはこれらは症状を治療したときに少し和らげることができますが、治ることにはなかなか結びつきません。
手術は、神経を押さえている骨や椎間板を削ったり、これ以上骨が滑っていかないように固めたりという手術になります。
いつ手術をするかということについては、患者がこの病気の症状で「どのくらい困っているか」ということで決まります。例えば20分間歩いたら足がしびれて座り込むという症状があっても、「これだけ歩けたら私は困らない」という人もおられるでしょうし、「駅や飛行場の乗換えで困るので旅行にいけない」という人もおられるでしょう。同じ症状の患者でも、患者が「手術をしてでも元気に歩こう」と思われましたら手術になりますし、「手術は絶対にしたくない」と考えれば、命にかかわる病気ではありませんので手術をする必要はありません。
いずれにしても、納得のいく説明をしてくれる整形外科に受診して相談するのがよいと思います。
手術を行っているような病院に受診する前に、お近くの整形外科診療所を受診されて、まず相談する。
この上で、手術的な治療も考えるようであれば、近くの整形外科の先生から手術を行っている病院へ紹介してもらうのがスムースな方法と思います。
最近は多くの病院で、「開業医からの紹介状を持っていて、同医師から予約のある患者」の受診にはいろいろと便宜を図っていることが多いので、「飛び込み」で病院を受診されてもスムースに診療が運ばないことがあります。と言う訳でぜひ、お近くの整形外科医に相談してください。
( 大阪厚生年金病院 整形外科部長 )>
2006年11月25日
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