2006年12月10日

◆世にも恐ろしい話

                     渡部亮次郎

2006年12月6日夜、中国研究の権威宮崎正弘さんと話していて「中国のエ
イズ患者が18万人と新華社が報道していましたね」と言ったら「ほんと
は1,000万と国連が推定していますよ」との恐ろしい話。

隣にいた加瀬英明さん(国際問題評論家)が「それじゃ北京オリンピック
の観客に伝染して大問題になるんじゃないの」と指摘したら、宮崎さん
は、中共当局は売春婦を北京以外のどこかに隔離するでしょう、会期中
は、ということだった。

それから2日後の12月8日。アメリカに飛び掛って行った記念日であるが、
産経新聞を見て仰天しながら宮崎さんの話を思い出していた。

<売春婦ら100人「市中引き回し」…庶民反発 中国・深セン市(=土ヘ
ンに川) >という世にも恐ろしい人権無視の話ではないか。

さらし者にするとは「恥を知れ」と言う意図だろうが、恥の文化が中国
にあるとは思えないから、当局の意図が分らない。

<【北京=福島香織】中国広東省深セン市で公安当局が摘発した売春婦
ら100人を「市中引き回しの刑」に処した。売春はもちろん違法だが、
これまで当局も大目に見てきたところがある。

しかも売春婦は貧農からの出稼ぎ組が多く、公権力で見せしめにするや
り方に「ひどすぎる」「人権侵害だ」と同情が集まっている。>

これは後進国。少なくとも最近のアジアでは聞いたことがない。


<11月29日、深セン市内で、同市公安局福田分局が売春婦40人を含む性
風俗産業従事者や客ら計100人を引き回した。「公開処理大会」と銘打た
れていた。女性たちは口元を隠すマスクを与えられたものの、中国では
「ポルノ」を意味する黄色い服を着せられ、実名、出身地などが公開さ
れた。>

メルマガではお見せすることが不可能だが、Webでは確かに黄色いものを
まとわされ顔を一生懸命、手で覆っている。なんとも気の毒だ。

<そのうえ、手錠でつながれ、ヤジを飛ばす沿道の市民の前を連れ回さ
れた。この様子は中国中央テレビほか各メディアで報道された。>

先進国フランスでは売春を公認し、所得税を徴収している。常にフラン
スを仲間と思っている中国。なぜその真似をしないのだろう。確かにこ
の背後には北京オリンピックとかエイズ蔓延とかが関係しているようだ。

<このニュースに、庶民の間で「人権侵害だ」「公権力による個人のプ
ライバシー侵害」と強い反発が起き、インターネット上の掲示板やブロ
グに次々と批判が書き込まれた。

大手ポータルサイト「捜狐」のアンケートでは、約3万人のユーザー中、
公安当局のやり方を「不当」と思う人は83・3%にのぼった。逆に「妥当」
と考えたのはわずか15.2%だった。>
「人権尊重よりも国家の安定」という中国共産党は、少なくとも売春婦
の人権尊重という命題で15・2%しか支持されたいないことが明らかにな
った。

<上海の人権派弁護士、姚建国氏は今月1日、全国人民代表大会(全人
代、国会に相当)あてに公開書簡を発表し、「深セン警察の行為こそ違
法」と指摘した。(1)引き回された容疑者は裁判によって罪が確定し
ていないにもかかわらず「公開処理」した(2)容疑者の人格を侵害す
るやり方だ−と厳しく批判した。>

<これに対し、深セン公安当局者は「正当な法に従った行為」と反論し
ている。>

市中引き回しというのは日本でも江戸時代まであったが、すでに2世紀
も前の話だ。

<人々の怒りの背景には、売春をせざるを得なかった女性たちの境遇へ
の同情がある。中国で風俗産業に従事する女性は推計600万−1200万人と
される。

多くが貧しい農村からの出稼ぎ組で故郷の親兄弟に仕送りしている。売
春の元締めの黒社会からは稼ぎをピンハネされ、社会からは白い目が注
がれる。しかも、本来違法であるはずの風俗産業の経営には公安当局者
の後ろ盾があるケースが多いのだ。

このため「売春婦でもうけている公安が売春婦を取り締まる」ことへの
反発も噴出している。

今回、深セン市で売春婦の集中取り締まりが行われた地域は2年以内に
ホワイトカラー向けの高級住宅地に再開発される予定という。金持ちの
ため社会の底辺であえぐ売春婦が虐げられる構図も同情が広がる理由に
なっているようだ。>(2006/12/07 21:44)

やはりそうか。毛沢東思想が完全に死に、しかも資本主義国の何処も体
験したことのないほどの腐敗が中国共産党を覆うっているということだ。
毛沢東はいなかった。周恩来もいなかった。いたのは!)(とう)小平だ
けだ。

政治的には一党独裁、経済的には金儲け一点張りという特権を共産党に
与えるとこうなる。ソビエトは売春婦が出てきてから滅びたが、中国は
売春婦をさらし者にしながら、なぜ滅びないのだろう。
2006.12.08


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