2006年12月15日
◆巴里だより「早起きのススメ」
岩本宏紀(在仏)
50歳になってから目覚めるのが早くなった。目覚まし時計をセットしなくても6時半には一度目が覚める。けれども睡眠を増やすことを今年の目標にしているので、トイレに行ったあと再びベッドにもぐりこむ。因(ちな)みに最近の目標はお酒を減らすこと。これは実現できた。
休みの日には目覚めたらそのまま起きだすことがある。自転車で近くを走ったり、ぶらぶら散歩したり。行き先が決まっていないときには、普段見逃していたものに気付くことが多い。
ぼくが住んでいるLa(ラ) Garenne(ギャレンヌ) Colombes(コロンブ) は、老人と子どもの多い町だが、ディスコを発見したし、小さな地鶏(じどり)専門レストランも見つけた。
珍しく霧の深い秋の朝、セーヌの橋の上からデファンス地区の高層ビルと川岸の柳を写真に撮っていたら、日の出とともに霧はかなりの速さで薄れていく。かねてから写真におさめたいと思っていた場所へ急いで移動した。
岸の上から見るのと水面の高さから見るのとでは、川の風景はまったく異なる。係留(けいりゅう)されている船がいつもよりずっと大きい。川面(かわも)からはまだもやが立ち昇っている。そのなかを水鳥が泳いでいる。早くも釣り糸を垂れているおじいさんがいた。
セーヌの釣り人は自分の手で竿(さお)をもたない。支柱に立てかけておき、ビクが動いたときに初めて竿に手を伸ばすのだ。だから一人で3,4本も竿を立てている人もよく見かける。
クルマさえ走らない静寂のなかで足音が聞こえた。対岸を見ると人の男性がジョギングしている。ぼくは素早くシャッターを切った。いい写真が撮れた。早起きは三文の得とはよく言ったものである。(了)
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