2012年12月03日

◆総選挙・公示日に思うこと!

浅野 勝人


〜アンチ「核武装」テーゼを歓迎する〜

今回の総選挙は「戦後最低の様相」という指摘を言い過ぎだと窘(たしな)めかねます。確かに日本を背負う人材の選択には、ほど遠い思いは否めません。

さはさり乍ら、党首討論会に並んだ11人はさまざまな意味合いを含めて「一角(ひとかど)の人物」と見受けましたが、安保外交政策に懸念満載です。
遂に、信頼できる中道は、公明党を残すだけとなりました。

政治勢力として頼りにならない元祖左派の共産、社民を除いて、オール中道右派ないしは右派になり果てました。その中での公明党の役割は、かつてないほどの重要性を増しています。中道の理念を担う公明党候補者全員の当選を期待いたします。

経済とエネルギー政策を中心とする内政の課題については、自民党の安倍党首が現実的且つ安定感があって、群を抜いています。おそらく政権維持にしくじった挫折感が、安倍晋三をひと回り大きな人物に育てたのでしょう。

間もなく首相になりますが、「お友だち内閣」を組閣したら、短期政権に終わります。ただし、懸念は人事だけではありません。

例えば、「尖閣諸島に退役自衛官および即応予備自衛官を常駐させる」という軽率発言です。

確かに、尖閣は日本固有の領土に疑いの余地はありません。しかし、現実に中国と台湾が「自分の領土」と主張しています。この現状の中で、中国が対抗措置として軍ないしは武装警官を常駐させる方針を実施したら、実力で上陸を阻止して、第二次日中戦争のタネを蒔くのでしょうか。維新の石原代表が手をたたいて喜ぶだけです。

自民党公約の国防軍に反対する世論も50%にのぼります。安倍党首が選挙戦を通じて、軍事強化、極端な右派を志向する主張を続けたら、いま尚、有権者の半数を占め、模様眺めをしている無党派層は自民党への投票を躊躇するに違いありません。安保政策のプロ、石破幹事長も同じ見解なのか、聞いてみたい思いがします。

「中国に媚を売っても一文にもならない」という主張をトップに掲載する類の週刊誌に惑わされてはいけません。「中国と喧嘩をしても一文にもならない」のが日本の外交政策の正解です。

従って、自民党は、確信犯的に「憲法破棄、核武装、徴兵制」の石原維新とは一線を画すのか、連立するのか、選挙戦の中で明確にしないと支持できないと考えている無党派層が少なくないとみられています。

こうした政治情況の中での嘉田由紀子代表の「未来」の登場です。

脱原発だけを繰り返し、原発論争でもみくちゃにされていますが、有権者の知りたいのは「あなたは中道ではないですか」という問いかけです。

橋下・大阪に日本改革を期待した多くの有権者は、主要政策があいまいになって、遂には核武装論者と野合した政治姿勢に失望しました。

嘉田由紀子知事も、実は、橋下・大阪の右傾化に失望して、「アンチ・石原、橋下テーゼ」から新党「未来」の結成に踏み切ったのではないですか。その理念のために小沢一郎と組むことも躊躇しなかったのではないですか。そんな大事な政治姿勢が少しも視えないのはどうしたことでしょう。

河野洋平元衆議院議長は、選挙制度改正の必要性に関連して、「有権者の30%はいわゆるハト派なのに、1人を選ぶ小選挙区の議席に反映されない」と指摘しています。至言です。

「未来」は、内政のポピュリズムに走らず、対外政策の姿勢を明確に30%の有権者に訴える努力を懸命にしてみたらどうでしょう。 2012.12.03
           

<前参院議員:安保政策研究会・理事長>
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