2007年01月12日

◆胃がんの内視鏡外科手術


  谷村愼哉(大阪市立総合医療センター 消化器外科)

 胃がんは早期がんの一部を除いて胃の周りのリンパ節へ転移している可能性があるため、病巣だけでなく所属リンパ節を含めた切除が必要です。所属リンパ節とは具体的には、胃を養う4本の血管沿いや胃の裏側のすい臓周囲にあるリンパ節のことです。

胃の中の病巣位置によっては、胃を養う4本の血管のうち、3ないし4本を処理する必要があるため、一般的な胃がん手術は胃を2/3から3/4切除あるいは、全部切除することが必要になります。日本人は胃がんを患う患者さんが欧米に比べて非常に多いため、この手術は一般病院でもごく普通に行われています。

従来はお腹を大きく切って行う開腹術が一般的でしたが、胆石症に対して行われてきた、お腹に数箇所小さな穴をあけて行う手術(内視鏡外科手術)が最近、徐々に広まってきました。

この手術のメリットとしては、
@手術後の痛みが少ない 
A傷がほとんど目立たなくなるため美容上優れている 
B翌日にはすぐに歩けるようになる 
C術後の内臓の癒着が少なく腸閉塞などの合併症が少ない 
D入院期間が短く、短期間で仕事に復帰できる などがあげられます。

お腹を大きく切って直接目で見て、手で操作を行う替わりに、小さな創からテレビモニターを通して見ながら鉗子類で手術を行うのですが、手術の内容はほぼ同じです。

早期胃がんでは従来の大きく切る方法と比べて、術後合併症の発生率等の安全性や、再発等の根治性も差は無いとされています。健康保険の適応もされており、今後胃がん治療の分野で益々増えていく手術と思われます。

           大阪市立総合医療センター 消化器外科 医師
                (おおさかシニアネット 転載許諾済)

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