2013年01月17日

◆安倍政権は原発再稼働を実施に移せ

杉浦 正章

 

規制委は稼働可能な原発を明示せよ
 


原発再稼働を公約に掲げて圧勝したはずの自民党政権が、なぜか発言をトーンダウンさせている。明らかに参院選挙を意識して、争点にするのを避けようとする思惑が見られる。



逆に総選挙で「原発論争」に完敗した朝日新聞など一部マスコミが息を吹き返している。明らかに参院選の争点を再び「原発ゼロ」に絞ろうとしているのだ。自民党はこれに警戒しているわけだが、そこには選挙戦術があって国民がない。自民党総裁・安倍晋三は国民の負託に応えて堂々と再稼働への日程を提示して、実現への道筋を確立すべきである。
 


「原発ゼロ」派の完敗は、滋賀県知事のの嘉田由紀子の見せている醜態がすべてを物語る。嘉田は13日、大失敗に終わった日本未来の党結党のいきさつについて、小沢一郎から「あなたが代表になって出てくれたら100人通ると言われた」と経緯を明かした。そのうえで、「後から思ったら、信じるべきではなかった」などと釈明した。



普通の政治家だったらみっともない泣き言を言わないものだが、嘉田はまるでテレビの三流ドラマで彼氏に捨てられて女が「あなたを信じた私が馬鹿だったのね」と泣く場面を演じ続けている。不快用語だが女の浅知恵とはこのことだ。
 


懲りないのが朝日だ。無い知恵の限りを絞って選挙結果を脱原発派の敗北ではないと言いくるめようとしている。「社説余滴」では「衆院選で脱原発を訴えた党は未来のほか民主、公明、みんな、共産、社民がある。6党の比例票を合計すると約3千万票で、自民の1660万票をゆうに上回る」と宣うた。



しかしその3千万票が議席につながったかというと、逆に確信的にい「入原発」を唱えた自民党に294議席の地滑り的勝利をもたらしている。野党の票を全部集めて論拠にすれば、3年前の民主党圧勝はマニフェストの勝利ではないなどと言うのと変わらない。まさに詭弁中の詭弁だ。
 


朝日は世論調査も味方につけようとしている。自民党が原発問題を10年以内に判断するとしていることについて「評価する」は37%、「評価しない」が46%だったと主張している。しかし読売の調査では原発の運転を再開する安倍内閣の方針について「賛成」46%、「反対」45%と拮抗しているのだ。



世論調査の落とし穴は、我田引水型質問によって左右される。従って意味が無い。ことあるごとに朝日は、エネルギー政策を福島原発事故に結びつける。社説で「避難した16万人の帰還や生活再建はめどが立っていない」などと主張するが、これは国の政治の根幹であるエネルギー問題の本質を感情論にそらそうとする狡猾な手段だ。



16万人には気の毒だが、早期に復旧させるためには、原発を再稼働させて、国力を回復させなければ満足な資金も調達できないことが分かっていない。総じて朝日の論調には、広島、長崎における原爆反対の左翼イデオロギーが紛紛と顔を出してくるが、古色蒼然なのである。
 


しかし、問題はこれに安倍政権がおびえ始めていることだ。選挙に勝った直後は実に威勢がよかった。石原伸晃が、福島県で「原発稼働ゼロは現実的ではない」と批判すれば、経産相・茂木敏充も「原発ゼロは再検討が必要だ」と述べた。



首相・安倍晋三にいたっては「新たにつくっていく原発は事故を起こした東京電力福島第一原発のものとは全然違う。国民的な理解を得ながら新規につくっていくことになるだろうと思う」と堂々と新設を明言していた。
 


しかし年が変わるとこれらの発言が一斉に萎縮し始めた。明らかに申し合わせた上での発言だ。まず安倍が新設について「福島の現場を訪れて避難している方々からお話をうかがいました。あの皆さんの困難な状況のことを思えば、簡単に決定できる話ではないということを改めて認識した。慎重に当然判断していかなければならない」とトーンダウン。



官房長官・菅義偉に至っては「原子力規制委に今安全基準を作っている。安全基準を作っていただいて、3年以内に総点検をしてスタートする」と、まるで大幅先延ばしをしかねないような口ぶりだ。
 


自民党政権は何を血迷っているかと言いたい。原発立地、または隣接する39選挙区で民主党が当選したのは女川原発の安住淳、福島の玄葉光一郎、大飯の前原誠司だけだ。これが民意でなくて何であるか。物欲しげに参院選の議席を横目に、国のエネルギー政策をおろそかにしてはならない。



原子力規制委が7月に安全基準を作ると言うが、なぜもっと早く作らせないのか。選挙目当ての日程としか思えない。
 


規制委は活断層のある原発を調査し、再稼働に「NO」を突きつけることができるなら、稼働可能な原発を明示することが出来るはずだ。「NO」を唱えてマスコミの信用を築くことばかりに専念すべきではない。安倍政権も7月の安全基準を待たずに、原発立地自治体の長や住民と堂々と再稼働に向けての対話を開始すべきだ。



政治にごまかしが出てきては信用失墜で、それこそ選挙に敗退することを肝に銘ずるべきだ。こうしているうちにも化石燃料のために年間3兆円の富が流出する。円高でもっと膨らむ。電気料金の倍増ともなれば、倒産続出、家計は成り立たない。



アベノミクスなどと浮かれていると、足元をすくわれるのだ。ドイツの再生可能エネルギーへの転換が事実上大失敗に終わろうとしていることを見誤ってはならない。

         <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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