2007年01月16日

◆巴里だより・「初詣と高あがり」

 
岩本宏紀

正月に巴里にいるなら、ぼくの初詣は教会だ。
今年はご利益のあるメダルで有名な、7区の教会へ行った。

学校の教室をひとまわり大きくしたほどの、こじんまりした建物で、
祭壇にはキリストではなくマリア像が立っている。地味だがとても
清々しい雰囲気に包まれている空間だ。

椅子は3分の2程度埋まり、祭壇の前は跪いて花束を捧げて祈る人たちで一杯。

巴里の運転マナーはひどいし、列に割り込むひとが多いし、スリも多い。
犬の糞を片付けない飼い主が大半だ。

ところが元旦の昼下がり、こうして多くのひとが祈りを捧げている。
その姿は崇高だ。キリスト教徒ではないぼくも、見ていたら胸が熱くなった。

合掌して祈りを捧げたあと、ぼくは教会を出てモンパルナスタワーへ登った。
56階から眺める巴里は、地上から見るのとは違った趣がある。
雲間から冬の陽が射すと、アンバリッドの金色のドームが光り、
影を抱いた建物が急に立体感を増した。

「一番高いレストランで食事をすれば、そこがどんな町か大体わかる。」という上司がいた。馬鹿の高あがりと笑われるかも知れないが、一番高い建物に登るのも町を知るヒントになると、ぼくは思っている。(2007年1月15日)

<ご感想は hiroki.iwamoto@wanadoo.fr にお願いいたします。
みなさんのご健康を心より祈りながら。
正月15日暖冬の巴里よりー 岩本宏紀 >


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