2013年01月24日

◆iPS細胞から世界初の腎細胞作成

渡部 亮次郎


産経ニュースは2013.年1月23日、
<iPS細胞から世界で初めて腎細胞作成 京大グループ>と報じた。

世界中に多くの患者がいる腎臓病の治療薬研究に役立つほか、将来的には、腎臓を作製(再)することにもつながると期待されている。

<ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から腎細胞を作り出すことに、京都大iPS細胞究所(所長、山中伸弥教授)に所属する長船健二准教授らのグループが世界で初めて成功した。22日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された。

作製した細胞を腎臓の5種類の部位に分化させることにも成功。これらを使って腎疾患なを再現できれば、世界中に多くの患者がいる腎臓病の治療薬研究に役立つほか、将来的には、腎臓を作製(再生)することにもつながると期待されている。

グループは、皮膚から作ったヒトiPS細胞に、腎細胞への分化を誘導するとみられる化合物と2種類のタンパク質を加えて培養した。10日目には全体の90%以上が、腎細胞の元になる「中間中胚葉」と呼ばれる細胞群になったという。

さらに約2週間培養を続けた結果、尿細管など腎臓の一部になり、腎臓に分化する能力があることが確かめられた。マウスの体内に中間中胚葉を移植して培養しても、同様に腎臓の一部に分化した。

また、中間中胚葉にマウスの胎児の腎臓細胞を加えて培養したところ、管状の器官が作られることも確認、立体的な腎臓の作製につながる可能性も確認できたという。

今回、作製したのは、約20種類ある腎臓の部位のうち5種類だが、残りも作製可能とみており、部分的に腎臓に移植する細胞療法での活用も期待される。

これまでiPS細胞からは心筋や網膜、肝臓などの細胞が作製済み。しかし腎臓は、他の臓器と比べて構造が複雑で、再現は比較的難しいとみられていた。

長船准教授は「腎臓病は患者が多く新たな国民病ともいわれる。将来的には、人工的に腎臓を再現できる可能性も確かめられた」と話している。>(産経ニュース 2013.1.23 11:30 )

私は幸いまだその状態には至ってないが、糖尿病患者のかなりの人が腎臓を痛めて腎不全に陥り、命を落とす。それを避けるには今の医学では人工透析によって血液の浄化をする以外にない。

しかもその人工透析には1回5〜6時間を必要とし2日に1回ぐらいのペースで受診する必要がある。殆ど仕事ができない状態に追い込まれる。精神的な苦痛も大変なようで、自殺に追い込まれた人もいる。

要するに腎臓の移植しか透析を回避する道はないのだが、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から腎細胞を作り出すことができるとなればこうした人々にとって、このニュースは最高の福音である。

ノーベル賞を受けた山中伸弥教授は授賞直後、あるインタビューで次のように語り、今日を予測していた。弟子たちの仲から次のノーベル賞授賞者が出るかもしれない。長船健二准教授かも。

<山中:ですから、やはり今後はこのiPS細胞は、他の幹細胞(とともに)、再生医療の応用というのは進んで行くと思うのですが、逆に言えば、将来、そういった再生医療の分野で画期的な仕事をされた方は、またノーベル賞をもらわれる可能性は、充分あると思います。

竹内:つまり、iPS細胞を利用して、創薬ですとか、再生医療の道を切り開いた方が、将来この分野でノーベル賞を受賞される可能性があると。

山中:充分あると思います。例えば脊髄損傷、いま受傷すると、もう麻痺が治らないのを、ある幹細胞を使って、iPS細胞かもしれないし、他の幹細胞かもしれないのですけども、そういった治療で、もう皆が治ると。そういう本当の意味の治療にする方が出て来たら、かなりの可能性で、その方はノーベル賞をもらえると思いますし。他の疾患でも、今、治らない病気がたくさんありますので、そういう病気の、本当の意味の治療法を作られた方っていうのは、これから新たなノーベル賞、それはノーベル医学賞の方ですよね。

竹内:医学賞の方で、取られる。

山中:はい。これ、1つの賞なのですが、これまでの受賞者を見ましても、明らかに医学賞だと思われる人と、生理学賞だと思われる人と、ちょうど中間の人と、いろいろおられると思いますが。        2013・1・23
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