2007年01月23日

<健康百話 >おなかの調子を整える食品

   
荒川哲男(市大医学部 教授)
 
おなかの中の環境を整えて、快便を促すとともに、食生活に起因する生活習慣病の予防にも役立つ食品として、「乳酸菌を含む食品」「食物繊維を含む食品」「オリゴ糖を含む食品」があります。

腸内には常在菌と呼ばれる多数の種類の細菌が住んでいます。その中には、身体によい働きをする善玉菌と悪い影響を与える悪玉菌がいます。善玉菌の代表がビフィズス菌などの乳酸菌です。健康維持のためには、善玉菌がある程度悪玉菌を押さえ込むことが必要です。



さて、乳酸菌には病原菌の発育を阻止する働きがあるばかりでなく、悪玉菌を抑えることにより、腸内での腐敗を抑制し、有害物質の産生を抑えます。また、乳酸菌が発酵作用により作り出す乳酸や酢酸などの有機酸は、腸内を酸性にすることで腸を刺激して排便を促します。

また、乳酸菌には免疫力を高める作用もあるのです。これらのことは、発がん性物質の排泄や、がんの芽ができてもこれをつみ取ることにつながり、大腸がんの抑止に関与する可能性があります。

食物繊維は、消化酵素で分解されない食品中の難消化性成分の総体で、腸管から吸収されずそのまま排泄されることから、腸管の掃除役を担っています。水溶性のものと不溶性のものがあります。おなかの調子を整える食物繊維は不溶性のもので、水分を吸着保持して腸内の有害物質を捕らえて排泄したり、便の容積を増やして排便を促進し便秘を解消します。
また、コレステロールも吸着するので、コレステロール値を減少させ、動脈硬化やそれに伴う心筋梗塞、脳梗塞などの予防につながる可能性があります。不溶性食物繊維は、自然の食品ではりんご、大豆、ごぼう、若い果実、野菜、えび・かにの殻などに多く含まれています。

オリゴ糖は低カロリーの上、ほとんど吸収されないことから、虫歯にならず太らない甘味料として開発されました。オリゴ糖は腸内ビフィズス菌の栄養源となり発育を促すので、結果的に「乳酸菌を含む食品」と同じ働きをします。外から与えたビフィズス菌は定着しにくいので、腸内に存在するビフィズス菌を増やすオリゴ糖の方が効果的かも知れません。
また、オリゴ糖は食物繊維としても位置づけられており、腸内の余分なコレステロールや胆汁酸を吸着して排泄するなど、腸管の掃除もしてくれます。
              大阪市立大学医学部 消化器内科 教授 
         
                  <おおさかシニアネットより転載許諾>
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